2017年3月22日水曜日

筋線維のタイプとサイズのパラドックス

The muscle fiber type-fiber size paradox: hypertrophy or oxidative metabolism?

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20602111/

Eur J Appl Physiol. 2010 Nov;110(4):665-94.

van Wessel T, de Haan A, van der Laarse WJ, Jaspers RT

1980年のHicksonの研究で持久的な運動とストレングストレーニングを同時に行うと、

それぞれを単独で行うのに比べてトレーニングによる反応が弱まることが確認された。

持久的な負荷は筋内での酸化能力を高めることが知られており、

ストレングストレーニング(高負荷なトレーニング)は筋肉を肥大させるのに効果的であるとされる。

どうしてこれらの能力は同時に向上していかないのか。

以下、何点か面白かった話を。

・TYPEⅠやTYPEⅡという筋肉の分類の仕方は筋線維の酸化能力とは一致しないことを理解しておく必要がある。TYPEⅠとTYPEⅡaの間には酸化能力や筋肉の太さに差があるとされるが、女性においてはTYPEⅠがTYPEⅡよりも大きいことがよくある。ラットの骨格筋ではTYPEⅠの酸化活性がTYPEⅡより低かったり、TYPEⅠ線維の方が筋サイズが大きかったりする。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14617264/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10596950/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2529775/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19429822/

・図1から考えるに、筋肉の酸化能力は筋線維タイプの違いよりも筋のサイズに大きく影響される
・高い酸化能力を有する筋肉はタンパク質の合成も高い(それならば遅筋の方が肥大しやすいはず...???)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10424883/

・その他、酸化能力が高い方が筋肥大に効果的とされるはずだが、遅筋は肥大しにくいのは何故か。酸化能力が高すぎることでターンオーバーが働き過ぎて抑制されるのでは?


長いので結論部分を見てもらいますと分かるように、AMPKとmTORの活性による作用によって肥大が抑制されたり刺激されたりする、ということが書かれています。この辺りが把握できるようになったら、持久的なトレーニングに近いものをウエイトトレーニングなどにも入れていくことで、より筋肥大を高められるのかな、という気がします。かなり長いですが、なかなか面白い内容でした。

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