Re-Examining High-Fat Diets for Sports Performance: Did We Call the 'Nail in the Coffin' Too Soon?
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4672014/
Sports Med. 2015 Nov;45 Suppl 1:S33-49. doi: 10.1007/s40279-015-0393-9.
Burke LM
長年続いた高脂肪食を競技者に適応させる試みの失敗は、
2006年に(1)の研究が発表され、これが調査された結果、
持久的な競技者に対して高脂質食がパフォーマンスを高めるという考えは、
削除することが出来ると考えられる。
この10年間で(3,4,5,6)の論文や(7)の文献などから、低炭水化物高脂肪(LCHF)の話が出てきたが、
これらが本当にアスリートに効果的なのかを再考するべきである。
パフォーマンスは競技種目ごとに目指すものが異なるが、
ATPの生産を効率よく最大化するという点は重要である。
持久的な種目ではグリコーゲンの利用を減らすために脂質をエネルギー源とするための戦略が立てられ、
食事での摂取などを実施したが失敗した。
(31,32)の実験では85%の脂質と15%のタンパク質という食事を一か月近く実施した結果、
最大酸素摂取量の65%程度の運動では能力が維持されたが、
これより負荷の高い運動は無理であろうと指摘している。
この実験ではケトン体が明らかに増加していたと考えられる。
また、この実験では一人の著しい結果によって平均値が良い方に歪められたと言える。
ケトーシスを達成しない程度の炭水化物摂取を行った実験としては(34,35,36,37)がある。
(38,39)は25%未満の炭水化物の摂取か60%以上の脂質の摂取をしていないものである。
上記のようなプロトコルが行われたりもしているが、
パフォーマンスの向上に最適なものはよく分からない。
これらの研究の問題点としては運動中にグリコーゲンが減らずに脂質が多く使われたということが言えない点にある。
それが言えないことには、炭水化物の利用が抑制されたとは言えない。
また、低炭水化物食への適応は以前に言われていたほど長い期間は必要でなく、
5日程度で大丈夫ということも言える。
ある程度鍛えられた状態であれば、適応は容易に行われるのかもしれない。
(1)の研究では自転車競技で実験したが、
1kmのスプリントが明らかに低下した。
この原因としては炭水化物の酸化能力が低下したことなどが挙げられている。
(46,47)の研究結果からは低炭水化物食による高出力な部分における抑制が起こる理由が説明されると思われる。
2006年以降の研究を見ていくと、
体脂肪の減少といった点での利点は認められるが、
これが競技者に適応できるかとなると疑問が残る。
60~80%程度での運動ならば低炭水化物な食事は有効であるが、
トップの持久的な選手たちは既に低炭水化物高脂質な食事はやめている。
このレビューで白か黒をつけるのではなく、
良い点を上手く利用してパフォーマンスの向上につながれば良いと思います。
Free
そこそこの長さがあるのを適度に訳しました。
興味のある方は無料ですので全文をどうぞ。
最後のまとめ部分で炭水化物が良いとか脂質が良いとかでは無い、
と指摘しているように、どちらにも利点があるという所を忘れずに、、
適応期間などを上手く利用して最適なパフォーマンスの向上が出来るように役立てられれば、
という感じですかね。
まぁでも、瞬発的な種目にはほとんど低炭水化物高脂質な食事は役に立たない、
というのは言えそうです。
持久的な種目を行っている人の中でも、
フルマラソンを完走したいというレベルのランナーや、
ジョギングだけで疲労抜きの週という選手が短期的に用いるのは良さそうです。
ただ、80%を超えるような負荷になってくると炭水化物を利用するので、
どうにもパフォーマンスは下がるので炭水化物を摂取しましょう、
となりますかね。
この辺りは何か別の形で持久的なパフォーマンスの栄養学的な感じでまとめたい所です。
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