2017年3月18日土曜日

高負荷なレジスタンストレーニングと高タンパク質な食事は身体組成を改善する(追跡調査)

A high protein diet (3.4 g/kg/d) combined with a heavy resistance training program improves body composition in healthy trained men and women – a follow-up investigation

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4617900/



J Int Soc Sports Nutr. 2015; 12: 39.

Jose Antonio, Anya Ellerbroek, Tobin Silver, Steve Orris, Max Scheiner, Adriana Gonzalez, and Corey A Peacock

国際スポーツ栄養学会(ISSN、筆頭者が創設者の1人)は身体的に活動的な人々は、

1日に体重あたり1.4g~2.0g程度のタンパク質の摂取がトレーニングによる適応を高めるとしている。

持久的なトレーニングや負荷の高いトレーニングを実施している人ではそれ以下でも良いというデータもある。

高タンパク質という言葉は定義が曖昧な点があり、

高タンパク質と言っているがエネルギーに対してやカロリーに対しての比率などがある。

この実験では体重あたり3g以上のタンパク質の摂取を行うとどうなるかを調べた。

被験者は73人のレジスタンストレーニング経験のある若い男女。

最終的には25人が途中離脱(table3)。

週に5日、土日をrestにした高負荷なレジスタンストレーニングを8週間実施。

日々のトレーニング部位はスプリットルーティン(table1、2)。

過去の実験ではトレーニング内容を固定しているものがあるが、

今回の実験では週ごとに変化をさせている。

結果、table4にある通り。

体重は通常のタンパク質摂取群で有意に増加。

除脂肪体重は両群ともに有意に増加。

脂肪は両群ともに有意に減少。

体脂肪率は両群とも有意に減少。

パフォーマンスは両群ともに上昇(table5)。

食事はカロリーの大きな増加が高タンパク質群で見られる(table6)。

血液データには大きな変化は無し(table7)。

先行研究ではタンパク質の利用効率が高まるから多くのタンパク質は不要というものもあるが(10)、

推奨量よりも多いタンパク質の摂取をさせた今回の実験によって体組成は大きく変化している。

MPS(筋肉のタンパク質合成)の短期的な変化は、

除脂肪体重の長期的な変化の予測には効果的でないことが示されている(11)。

https://tf-ver3.blogspot.jp/2017/03/blog-post_13.html

(12)の卵20gのタンパク質の研究は一食当たりのタンパク質量の制限の根拠とされるが、

ミルクやホエイなど他のタンパク質でのデータは無いし、

1日に60gしかタンパク質を摂取しないとなると、1日に消費される量よりも少なくなる。

そのため、時間経過で考える研究を行う必要があると考えられる。

体水分量は除脂肪体重量などに大きな影響を与えるものであるが、

今回の実験ではデータを取らなかったので除脂肪体重の変化には脱水が影響しているかもしれない。

この点は今後の課題となる。

体脂肪量が減った理由として考えられるのは(14)の論文にあるように、

タンパク質を多く摂取すると睡眠時と安静時のエネルギー利用量が上昇したというものがある。

しかし、この(14)の実験ではエネルギー消費と脂肪量の間に関係がなかったので、

他の要因があるかもしれない。(14)は運動を行っていないので。

高タンパク質で負荷の高いトレーニングをしている群は、

(17,18)にあるようなNEAT(非運動性熱産生)が高まるかもしれない。

この高タンパク質の結果、腎機能に異常が見られたということは無い。

より長い期間での摂取などについてはさらなる研究が必要であろう。

結論として、

今回の実験から一日あたりに必要なタンパク質量は体重あたり2g以上であろうと考える。

コントロール群でもタンパク質の摂取量が増えてしまったという問題があった。

食事の管理は一般の人に任せるのは難しい面がある。

今後の研究としてはよりトレーニングされるエリート選手での実験を行うべきである。


Free

タンパク質はどれくらい摂取すればよいのかという話です。

論者のJose Antonioは一貫して高タンパク質を摂取すべきと言っています。

実際にそれで腎機能にも問題は起こっていないので。

取りあえずは8週間では問題なしということが分かりましたし、

一日に体重あたりで3g以上のタンパク質を摂取することのメリットは多そうなので、

しっかりとタンパク質を摂りましょう、と言えそうです。

あとはどのタイミングで摂取したのかが疑問として残る、

というところですかね。

その点でも異なりそうです。

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