2017年1月31日火曜日

火傷によってもたらされるフィブリノゲンの上昇、ミトコンドリアの機能障害をグリチルリチン酸が防ぐ

Role of Elevated Fibrinogen in Burn-Induced Mitochondrial Dysfunction: Protective Effects of Glycyrrhizin

http://journals.lww.com/shockjournal/Abstract/2016/10000/Role_of_Elevated_Fibrinogen_in_Burn_Induced.7.aspx

Shock . 46(4):382-389, October 2016

Ueki, Ryusuke; Liu, Li; Kashiwagi, Shizuka; More

火傷によって生じるミトコンドリアの機能不全などによる骨格筋に見られる障害は、

グリチルリチンを投与することでフィブリノゲンの数値を下げて改善することが出来る。



血液の凝固に関わるタンパク質であるフィブリノゲンが傷によって高値になるのは問題。

血栓などが生じやすくなる。

そして火傷などでは血液を凝固させるために高い値になり、

傷があるから高値が続いてしまうが、

この高い状態が続くのを抑えるのが予後をよくするためには必要。

肉離れなどのケガによる出血の際にも凝固するために高値となる、

と考えると出血を早く抑えておくとともに、

フィブリノゲンの数値を下げるものを使うのも大事かも、

ということが言えそうですかね。

2017年1月30日月曜日

骨格筋での酸素消費能力は日内変動がある

Demonstration of a day-night rhythm in human skeletal muscle oxidative capacity
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2212877816300758

Molecular Metabolism Volume 5, Issue 8, August 2016, Pages 635–645

Dirk van Moorsel et.al

夜の11時にエネルギー消費は高まるが、

糖質の利用が促進して脂質は低いというのは面白い。

BMAL1の変動に伴っているという感じでしょうか。

寝ている時は脂質の方が増え糖質の利用は減る。

睡眠不足が体重増加に影響を与えるなどといった原因が見えてくるデータですね。

2017年1月29日日曜日

硝酸塩の摂取に関するレビュー

The Effect of Dietary Nitrate Supplementation on Endurance Exercise Performance in Healthy Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis.
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs40279-016-0617-7

Sports Med. 2016 Sep 6

McMahon NF, Leveritt MD, Pavey TG
硝酸塩の摂取は持久的なパフォーマンスに好影響と近年言われているけど、

どうなのか調べてみたレビューということです。

運動の継続時間が長くなったから持久的なパフォーマンスに効果ありと言えるが、

タイムトライアルのような形での持久的なパフォーマンスには微妙、

といった感じですね。



運動の継続時間が長くなったことと、

持久的な種目でのパフォーマンスが改善されることは別、

という理解が無いとサプリメントの摂取などで勘違いをしてしまいます。

動けなくなるまで動き続ける、

という種目においては効果的かもしれない、

そう言える実験結果は多くありますが、

それらも持久的な能力が上がったと表現されています。

似たようで違った話になりますので、

お間違いなく。

2017年1月28日土曜日

ポリフェノールを豊富に含むアイスクリームは酸化的ストレスを減少させる

Natural antioxidant ice cream acutely reduces oxidative stress and improves vascular function and physical performance in healthy individuals

https://www.readbyqxmd.com/read/27658659/natural-antioxidant-ice-cream-acutely-reduces-oxidative-stress-and-improves-vascular-function-and-physical-performance-in-healthy-individuals

Nutrition 2017, 33: 225-233
Valerio Sanguigni, Melania Manco, Roberto Sorge, Lucio Gnessi, Davide Francomano
ダークココアパウダーとヘーゼルナッツと緑茶抽出物を含んだアイスクリーム100gを摂取。

二時間後に測定すると抗酸化能力が高まっていた。



まぁアイスクリームであっても成分がしっかりとしていれば、

身体に良い食材とすることは可能、

という具合でしょう。

アイスクリームだから食べてはいけない、

ということではありません。

なお、比較対象のコントロールとしてはミルクチョコレートアイスクリームを使用しています。

こちらは特に抗酸化の効果は無いみたいです。

2017年1月27日金曜日

1991年に出された生理学的な限界から見たマラソンのタイムの予測

Modeling: optimal marathon performance on the basis of physiological factors.


https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/2022559/

J Appl Physiol (1985). 1991

Joyner MJ

世界記録は当時2時間6分50秒という記録。

その時に予測として出されたのが1時間57分58秒。



当時に比べて最大酸素摂取量への考えなども変わってきていますが、

この予測に近づきつつはあります。

2時間を切るのはいつになるのか。

リボソーム発現と筋肉合成の減少が高齢者の筋量を抑制する原因としてある

Synchronous deficits in cumulative muscle protein synthesis and ribosomal biogenesis underlie age-related anabolic resistance to exercise in humans

The Journal of Physiology 
Volume 594, Issue 24 15 December 2016 Pages 7399–7417

Matthew S. Brook, Daniel J. Wilkinson, William K. Mitchell, Jonathan N. Lund, Bethan E. Phillips, 
Nathaniel J. Szewczyk, Paul L. Greenhaff, Kenneth Smith, Philip J. Atherton
高齢者になると筋肉が減少することは知られているが、そこにある原因は様々である。

また、実験としては単発で行われているものが多く、

長期間で見たものが少ないので6週間の実験を行い3週間ごとの変化を測定した。

テストステロンとIGF-1が若者に比べて明らかに数値が低い。

ミオスタチンはトレーニングによる変化は無かった。

トレーニングをしても遺伝子発現が弱いといったことが、

筋肥大を若者に比べて起こさない理由としてあるが、

その他にも様々な要因があると考えられる。

(free)



タンパク質を多く摂取して運動を適切に行えば、

高齢者でも筋肥大は起こる(若者に比べると起こりにくい)ので、

しっかりとした運動と食事をすれば丈夫な体を維持できます、

という具合ですね。

遺伝子発現、ホルモン分泌の減少といったことはあるし、

食事でのタンパク質の摂取量が減るというのもあるし、

歳を取ったから仕方がないと言わずに、

適切にやることをやれば高齢者でも鍛えられますよ、

という感じでしょうか。

この辺のホルモンの変化などを見ていくと、

若者はどういったものを意識して見ていけば良いかが分かってくるかと思います。

2017年1月26日木曜日

厚着をしての運動はHsp70の上昇にはあまり効果が無い

Increasing heat storage by wearing extra clothing during upper body exercise up-regulates heat shock protein 70 but does not modify the cytokine response

http://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/02640414.2016.1235795

Pages 1-7 | Accepted 06 Sep 2016, Published online: 26 Sep 2016

Christof A. Leicht, Aris Papanagopoulos, Sam Haghighat & Steve H. Faulkner
運動によってサイトカインが上昇することは体内のマーカーに変化を与える(健康の役にも立つ)。

これはHspの上昇によって様々な影響が与えられることが言われている。

Hspの上昇は運動による体温上昇以外にも報告がされているので、

より体温が高くなるように服を着て運動をしたらどのような変化が起こるかを調べてみた。

体温の上昇、熱の貯蔵量は増えHsp70も微妙に高まったが(有意ではあるが)、

IL6は差がほとんど無かった(2時間後には有意な差となっているが)。

体温を高めるだけではIL6には影響が出ないし、

厚着(体温が高くなるように通気性の悪い服?の着用)をしての運動は不快感が高くなるので、

IL6の上昇を求めて体温を高くしようとするのならば、

もっと他の方法を考えた方が良い。

free

2017年1月25日水曜日

エンデューランスとストレングストレーニングの順番が与える影響

Combined strength and endurance session order: differences in force production and oxygen uptake.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25310023

Int J Sports Physiol Perform. 2015 May;10(4):418-25. doi: 10.1123/ijspp.2014-0316. Epub 2014 Oct 13.
Taipale RS, Mikkola J, Nummela AT, Sorvisto J, Nyman K, Kyröläinen H, Häkkinen K.

どちらの順番でも男性においては垂直跳の数値が有意に減少した。

力発揮は男性・女性のどちらでも有意に減少した。

ストレングストレーニングを持久的な運動の前にやると、

男性アスリートではストライドが減少し、男女のどちらでも酸素摂取量は向上した。



出力が減少したことが垂直跳の高さの減少につながる。

分かりやすい。

出力が減少したことが酸素摂取量の向上につながる。

分かりにくい。

2017年1月24日火曜日

暑熱環境下での間欠的な運動を行う前の冷却が女性アスリートに与える影響

The effect of ice ingestion on female athletes performing intermittent exercise in hot conditions.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25311755

Eur J Sport Sci. 2015;15(5):407-13. doi: 10.1080/17461391.2014.965751. Epub 2014 Oct 14.

Zimmermann MR, Landers GJ.

男性の実験は多いが女性では行われていないので実験をしてみたもの。

36分間の間欠的なスプリントトレーニングを気温33度、湿度60%の環境で実施。

体内(コア)の温度は下がったが、

これがパフォーマンスの改善に影響を与えているかはよく分からない。



暑さに関する実験は事前に暑い日があったりして慣れる、

エアコンなどを普段使わない、厚着をして慣れるなど被験者によって条件が異なることが多く、

人によっては暑さ対策が効果無いように見えてしまう場合があるので要注意。

2017年1月23日月曜日

レジスタンストレーニングは人間の骨格筋のミトコンドリアの機能を変化させる

Resistance Exercise Training Alters Mitochondrial Function in Human Skeletal Muscle
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4478283/

Med Sci Sports Exerc. 2015 Sep; 47(9): 1922–1931

Craig Porter, Paul T. Reidy, Nisha Bhattarai, Labros S. Sidossis, and Blake B. Rasmussen


12週間のレジスタンストレーニングはミトコンドリアの量と質、呼吸能を変化させる。

週に3日、3setで10回程度を徐々に量を変化させたウエイトトレーニングを実施。

当たり前の結果とも言えるが、

筋量の変化のみに焦点を当てているわけではないので、

なかなか面白い。

まぁでも、

結果は予想される範囲のもの。

こうした点からしても、持久的な運動をする人もウエイトトレーニングはやるべきでしょう。

(Free)

2017年1月22日日曜日

コルチゾールとテストステロン、レジスタンストレーニングの相互作用(サーカディアンリズムの影響)

Interactions of cortisol, testosterone, and resistance training: influence of circadian rhythms

http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3109/07420521003778773?journalCode=icbi20

Chronobiol Int. 2010 Jun;27(4):675-705. doi: 10.3109/07420521003778773.
Hayes LD, Bickerstaff GF, Baker JS
スポーツのパフォーマンスは午後に最も高くなるが、これは体温の上昇と一致する。

こうしたサーカディアンリズムは体温以外にもあり、

様々な要因が関与している。

コルチゾールやテストステロンは午前中の方が高いのに、

レジスタンストレーニングによる筋肥大や出力の増加における最適な適応が起こるのは、

午後4時頃。

なぜか?

テストステロンが高い朝はコルチゾールも高い。

合成量が多い時に分解量も高いという事実を忘れて、

テストステロンを見ていると求めているトレーニング効果の最大化ができない。



日内変動でコルチゾールが一番低くなる時にトレーニングをしてテストステロンを出す、

というやり方が最も効果を高めると考えるべきということでしょうね。

2017年1月21日土曜日

朝のストレングストレーニングは午後のパフォーマンスを改善する

Morning based strength training improves afternoon physical performance in rugby union players


https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23707139

J Sci Med Sport. 2014 May;17(3):317-21. doi: 10.1016/j.jsams.2013.04.016. Epub 2013 May 23.

Cook CJ, Kilduff LP, Crewther BT, Beaven M, West DJ
テストステロンは日内変動をするが、

運動をすることでこれが変化するかを調べた。

セミプロのラグビー選手での実験。

午前9時に40mのダッシュを5本か、ベンチプレスもしくはスクワットを1RM×3回実施。

コントロール群・トレーニング群のどちらでも、

15時からの午後のトレーニング時にはテストステロンとコルチゾールが減少していた。

テストステロンの減少が一番大きかったのはコントロール群で、次にスプリント群。

ウエイトトレーニング群ではコントロール群と比べると10分の1程度の低下となった。

CMJ(垂直跳)と40mダッシュはウエイトトレーニング群が良かった。

午前中にウエイトトレーニングなどをすることでテストステロンの減少を予防できると考えられるが、

この減少の抑制が午前中の運動によるものなのかは明確に判断できない。

2017年1月20日金曜日

小学校低学年における学力と運動能力の関係性

Associations of motor and cardiovascular performance with academic skills in children

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24126966

Med Sci Sports Exerc. 2014;46(5):1016-24. doi: 10.1249/MSS.0000000000000186.
Haapala EA, Poikkeus AM, Tompuri T, Kukkonen-Harjula K, Leppänen PH, Lindi V, Lakka TA.
小学校低学年の男子においては学力が低いと運動能力も低いという関係性が見られる。


UCP3を過剰発現させたマウスでのアミノ酸とメタボロミクスの新たなマーカー

A novel amino acid and metabolomics signature in mice overexpressing muscle uncoupling protein 3
http://www.fasebj.org/content/early/2016/11/10/fj.201600914R.abstract

Céline Aguer, Brian D. Piccolo, Oliver Fiehn, Sean H. Adams, and Mary-Ellen Harper

FASEB J. 2016 Nov 10. pii: fj.201600914R. [Epub ahead of print]

UCP(脱共役タンパク質)は脂肪酸の酸化や熱産生に関係するが、

未解明な点が多い。

UCP3を過剰発現させたマウスで5週間の運動負荷をした結果、

脂肪の酸化だけではなく、他の多くの代謝にも影響を与えていることが分かった。

骨格筋と血漿中のアスパラギン酸 グルタミン酸、リシン、チロシン、セリン、メチオニンは減少、

脱水素酵素活性は上昇など、その他も多くの変化が見られる。









2017年1月19日木曜日

Exendin-4は筋肉細胞での酸素消費と熱産生遺伝子発現を増加させる

Exendin-4 increases oxygen consumption and thermogenic gene expression in muscle cells


J Mol Endocrinol November 21, 2016JME-16-0078

Jin-Seung Choung, Young-Sun Lee and Hee-Sook Jun

グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬であるExendin-4の筋肉内注射は、

筋肉におけるUCP1、PPARαおよびp-AMPKの発現を有意に増加させた。



GLP-1を狙うことで脂肪の効果的な減少などを実現できる。

2017年1月18日水曜日

21日間の連続した筋力テストから見る筋肉の適応

Muscle adaptations following 21 consecutive days of strength test familiarization compared with traditional training
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/mus.25488/full

Muscle & Nerve 22 November 2016

Scott J. Dankel MS, Brittany R. Counts MS, Brian E. Barnett MS, Samuel L. Buckner MS,
Takashi Abe PhD, Jeremy P. Loenneke PhD

1RMの増加は筋肥大以外の要因が考えられる。

...。

まぁそうですね。そうなりますよね。

筋肉は3週間でほとんど増えませんが、筋力は上がります、

ということが再確認されました、という具合で。

2017年1月17日火曜日

PGC-1αの過剰発現は骨格筋の萎縮を抑制する

PGC-1α over-expression suppresses the skeletal muscle atrophy and myofiber-type composition during hindlimb unloading



Biosci Biotechnol Biochem 2016 Nov 21:1-14. Epub 2016 Nov 21.

Jing Wang, Fei Wang, Peng Zhang, Hongju Liu, Jian He, Chenyu Zhang, Ming Fan & Xiaoping Chen


寝たきりなどで筋肉を使用しない状態になると、

Smad3によってFoxO3が活性化されAtrogin-1やMuRF1が活性化されて筋の萎縮が起こる。

これをPGC-1αが抑制することができる。

PGC-1αを過剰にしたマウスでは筋肉の萎縮や喪失に関する遺伝子発現を制御し、

遅筋から速筋への移行が起こるのも抑制した。



持久的な運動を行うことで遅筋化が起こるのを防ぐには、

PGC-1αを多く出るようにすればよし、ですね。

2017年1月16日月曜日

絶食をした状態でのトレーニングはエネルギー摂取を減らし脂肪の利用も増やす

Exercising in the Fasted State Reduced 24-Hour Energy Intake in Active Male Adults


Journal of Nutrition and Metabolism

Volume 2016 (2016), Article ID 1984198, 7 pages
http://dx.doi.org/10.1155/2016/1984198

空腹状態で朝食の前にトレーニングをすると、

一日のエネルギーの摂取量が減り、脂肪の利用も増えるので体重管理には効果的。

あくまで脂肪の利用に関しての話です。

体脂肪を減らしたいのなら、

夜も糖質を減らした食事にするなどして、

朝食の前に運動をするのが良いでしょう。

2017年1月15日日曜日

運動の負荷や時間によって神経系や代謝系の”疲労”は原因が異なる

Muscle metabolic and neuromuscular determinants of fatigue during cycling in different exercise intensity domains


http://m.jap.physiology.org/content/early/2016/12/20/japplphysiol.00942.2016


Journal of Applied Physiology December 22, 2016 jap.00942.2016
Matthew I. Black,Andrew M. Jones,Jamie R. Blackwell,Stephen J. Bailey,
Lee J. Wylie,Sinead T. J. McDonagh,Christopher Thompson,James Kelly,Paul Sumners,
Katya J. Mileva,Joanna L. Bowtell, and Anni Vanhatalo

ダウンロードしたPDFがとても読みにくいという代物ですが、

結論はとても当たり前のことですね。

疲労と呼ばれる現象には様々な要因があり、

代表的なものに「神経やらエネルギー貯蔵量の減少であったり体温上昇であったり(以下略)」

というのがあるわけでして、

これらは異なる原因で生じている。だから疲労の原因は複雑だ、

ということで。

疲れてるね、

これだけで済む話です。

神経系の疲労によりインパルスが減少し~~~略、

グリコーゲンの減少によりATPの生産が減少~~~略、

などなどの要因が疲労にはあります。

疲労物質と呼ばれるものもあったりするわけですし(蓄積した状態では何かが減っている可能性も検討すべきだとは思います)。


2017年1月14日土曜日

暑熱環境下での持久的なトレーニングに対するカフェイン投与の心身への効果

Effects of caffeine on endurance capacity and psychological state in young females and males exercising in the heat.


http://www.nrcresearchpress.com/doi/pdf/10.1139/apnm-2016-0206

Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism, 2017, Vol. 42, No. 1 : pp. 68-76

Silva Suvi, Saima Timpmann, Maria Tamm, Martin Aedma, Kairi Kreegipuu, Vahur Ööpik
13人の男性、10人の女性に体重1kgあたり6mgのカフェインを投与して、

気温42度、湿度20%の環境において持久的な運動を実施。

心拍の上昇と乳酸値の上昇がカフェイン群では見られたが、

特に運動に対する変化は無い。

心理的に楽に感じる変化があるので、

男性の方がカフェインによる効果があると感じる”想い!!”

があるかもしれない(身体への効果は無いけれど)




2017年1月13日金曜日

血流制限をしてのレジスタンストレーニングによるマーカーの変化

Effects of blood-flow restriction on biomarkers of myogenesis in response to resistance exercise


Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism, 2017, 42(1): 89-92

Andrew S. Layne, Kelly Larkin-Kaiser, R. Gavin MacNeil, Marvin Dirain, Bhanuprasad Sandesara, Todd M. Manini, Thomas W. Buford

220mmhgの圧を脚にかけて40%の負荷で運動を実施。

MyoDとc-Met mRNAは血流制限をした場合に多く出た。

hepatocyte growth factor(肝細胞増殖因子)はコントロール群で多く出た。


血流制限、加圧した状態でのトレーニングが万能では無いので、

様々なものを組み合わせて効果的にやっていきましょう、

という当たり前の結論になっていくかな、と思います。

2017年1月12日木曜日

筋肉などの刺激への適応は複雑

Mechanisms and Mediators of the Skeletal Muscle Repeated Bout Effect


http://journals.lww.com/acsm-essr/Pages/articleviewer.aspx?year=2017&issue=01000&article=00008&type=Fulltext

Exercise & Sport Sciences Reviews:

January 2017 - Volume 45 - Issue 1 - p 24–33

Hyldahl, Robert D.; Chen, Trevor C.; Nosaka, Kazunori
トレーニングを続けることで身体には様々な適応が起こるが、

それは独立しているのか、絡み合う要素なのか、

昔から言われているものをレビューしてみました、

という具合です。

トレーニングやら食事やら、

様々な刺激がありすぎてよく分からないので、

今後も細かく見続けていきましょうね、

と。

神経系、筋肉、炎症反応など、

様々な変化・適応が起こってトレーニングなどの効果は生じています。

(Free)

2017年1月8日日曜日

ストレッチは長距離走者のパフォーマンスに悪影響を与えるしケガのリスクも減らさない

Impact of stretching on the performance and injury risk of long-distance runners



Research in Sports Medicine Volume 25, 2017 - Issue 1

Claire Baxter, Lars R. Mc Naughton, Andy Sparks, Lynda Norton & David Bentley


タイトル通りです。

ジャーナルのタイトルはレビューなのでこれについて調べました、

という感じで答えは書いていませんが、

この記事のタイトル通りです。

練習が多いからと丁寧にやってもケガのリスクは変化しないし、

ランニングエコノミーは下がるし、

良い点はほとんど見られない。

練習前後にストレッチが必要かどうか聞かれたら、

不要と答えれば大丈夫、

と言えるようになる内容です。

2017年1月7日土曜日

低炭水化物、高脂質食は高いレベルの競歩選手のパフォーマンスを下げる

Low Carbohydrate, High Fat diet impairs exercise economy and negates the performance benefit from intensified training in elite race walkers


J Physiol. (2016) doi:10.1113/JP273230

Burke, L. M., Ross, M. L., Garvican-Lewis, L. A., Welvaert, M., Heikura, I. A., Forbes, S. G., Mirtschin, J. G., Cato, L. E., Strobel, N., Sharma, A. P. and Hawley, J. A. 

近年話題の糖質制限という感じになりますかね。

3週間の実験結果として、酸化能力を高めて酸素摂取量を高めることには役立つが、

競技パフォーマンスには関連しないとなっております。

Free access です。

2017年1月6日金曜日

睡眠時に炭水化物が少ない状態はパフォーマンスを向上させる

Enhanced Endurance Performance by Periodization of Carbohydrate Intake: "Sleep Low" Strategy.



Med Sci Sports Exerc. 2016 Apr;48(4):663-72

Marquet LA, Brisswalter J, Louis J, Tiollier E, Burke LM, Hawley JA, Hausswirth C.



練習を積んだトライアスロン選手での3週間の実験。

睡眠時に炭水化物が少なくなるように調整をした場合、

体脂肪が減少する、持久的な能力が高まる、パワーも高まるなど、

良いことだらけ。

近年、この傾向のデータは多く出ておりますので、

これは実践するべきだと思います。

2017年1月5日木曜日

異なる運動時間による中枢制御と神経系の疲労

Central Regulation and Neuromuscular Fatigue during Exercise of Different Durations


Med Sci Sports Exerc. 2016 Apr;48(4):663-72

FROYD, CHRISTIAN; BELTRAMI, FERNANDO GABE; MILLET, GUILLAUME Y.; NOAKES, TIMOTHY D.

中枢の疲労や神経系の疲労の原因は運動強度と時間であって、

共通の因子は特に見当たらない。

2017年1月4日水曜日

繰り返し行う運動の間に冷水に浸かった場合の筋酸素化動態の変化

Effects of Cold Water Immersion on Muscle Oxygenation During Repeated Bouts of Fatiguing Exercise: A Randomized Controlled Study



Medicine:
January 2016 - Volume 95 - Issue 1 - p e2455

Yeung, Simon S. PhD; Ting, Kin Hung PhD; Hon, Maurice MSc; Fung, Natalie Y. BSc; Choi, Manfi M. BSc; Cheng, Juno C. BSc; Yeung, Ella W. PhD


すぐに試合がある場合は効果的かもしれないが、

冷却による疲労の軽減効果はよく分からない。

今後も研究の継続が必要。

2017年1月3日火曜日

アミノ酸の摂取とウエイトトレーニングの実施はカロリー制限下で除脂肪体重を維持する

In a single-blind, matched group design: branched-chain amino acid supplementation and resistance training maintains lean body mass during a caloric restricted diet


Wesley David Dudgeon ,Elizabeth Page Kelley and Timothy Paul Scheett

Journal of the International Society of Sports Nutrition201613:1

体重減少を目的としたカロリー制限を実施している時に、

アミノ酸(練習前後に14gずつ)を摂取することは除脂肪体重の維持を実現する。

8週間での実験。

(プロトコル的に微妙な感じはある。タンパク質の摂取がCHO群に多いので差が出にくかった?)

2017年1月2日月曜日

マッサージにパフォーマンスを回復させる効果はあるのか(レビュー)

Massage and Performance Recovery: A Meta-Analytical Review



Poppendieck, W., Wegmann, M., Ferrauti, A. et al. Sports Med (2016) 46: 183


トレーニングの後にマッサージが行われるはよくあるが、

これに科学的な裏付けがあるのかを調べるために、

多くの論文を調査してみた。

5~12分のマッサージに大きな効果が見られた、

トレーニングしていない人の方がトレーニングしている人よりも効果が見られた、

などなど。

2017年1月1日日曜日

組換えヒトエリスロポエチンは何を改善して持久力を高めるのか

RhEPO improves time to exhaustion by non-hematopoietic factors in humans.



Annaheim, S., Jacob, M., Krafft, A. et al. Eur J Appl Physiol (2016) 116: 623. 


ヒトエリスロポエチンの投与は持久力を改善させるのは知られているが、

この持久力の改善に関係する要因は何かを調べた。

最大酸素摂取量の向上は見られるが疲労困憊となるまでの時間の変化は関係が見られない。

血漿のvolumeの減少は見られるが持久的な面に関して影響を与えていない。

非造血因子の変化も影響しているのではないかと考える。