2017年3月30日木曜日

炭水化物とタンパク質の摂取が運動直後の筋グリコーゲンの回復を高める

Early postexercise muscle glycogen recovery is enhanced with a carbohydrate-protein supplement
http://jap.physiology.org/content/93/4/1337

J Appl Physiol (1985). 2002 Oct;93(4):1337-44.

Ivy JL, Goforth HW Jr, Damon BM, McCauley TR, Parsons EC, Price TB.

筋グリコーゲンは中~高強度の運動においては必須のエネルギー源である。

(1,2,9,11)の研究で示されているように、筋グリコーゲンが不足することは中~高強度運動の制限要因となる。

運動後の筋グリコーゲンの回復については多くの研究がなされており、

摂取タイミングを検討したもの(13,18)や摂取する頻度を検討したもの(10)、

摂取する量(3,12,14,15)、摂取するサプリの種類(6,21,24、30,32)など、

様々な角度から調査されている。

(32)の研究では炭水化物とタンパク質の同時摂取が4時間後の回復を高めることを示した。

(7,15,27,29,30)など同時摂取について調べた研究は増えている。

しかし、これらにはカロリー摂取量が一致しないなどの問題もあるので、

今回の実験では同等のカロリー摂取量として実施した。

被験者は7人のトレーニングを積んだ若い男性の自転車選手。

夕食で統一された食事を摂取して、

翌朝に何も食べない状態で2時間の自転車運動を実施。

最大酸素摂取量の65~75%になるように運動中に負荷を調整。

運動後に摂取したのは以下の3種類。

炭水化物240kcal、タンパク質84kcal、脂質54kcal
炭水化物324kcal、脂質54kcal
炭水化物240kcal、脂質54kcal


これらを472mlの液体に溶かして運動直後と2時間後の2度摂取。

結果、炭水化物とタンパク質を含んだものが他の二つよりも有意に回復が促された。

4時間後の筋グリコーゲンの回復は
46.8%
31.1%
28.0%

となった。

今回の実験では頻度が高くないため、

運動後15分毎や30分毎などより高い頻度で摂取させた過去の実験と同様にすると、

今回の結果で出たタンパク質のメリットは期待できなくなる可能性もある。

(30,32)の研究では運動後の筋グリコーゲンの回復はインスリンの分泌を促すことが重要であるとした。

しかし近年行われた(4,16,20,25)の研究ではインスリンが不要である可能性を示している。

(31)の研究ではアルギニンを炭水化物に添加することで筋グリコーゲンの貯蔵速度を高めるとしている。

今回の研究から炭水化物とタンパク質の同時摂取の有用性は認められる。


Free

過去には炭水化物を摂取することでインスリンを分泌させるのが大事とされていましたが、

この論文が出された2002年の時点で”近年”では否定される、

となっているわけですね。

そんなインスリンが分泌されることで筋グリコーゲンの回復が~、

という話が未だにしっかりと残っているというのも如何なものかな、というところです。

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