2013年11月27日水曜日

肺酸素摂取量の増加因子は何か

人間が運動をする際に酸素の摂取量が増加する事は分かっていても、

それがどうして起こるのかが分からないというのはよく聞く話です。

それを考える際に役立つのがこちら。

http://ci.nii.ac.jp/els/110001919562.pdf?id=ART0002117737&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1385530024&cp=


筋酸素消費量と肺酸素摂取量の増加に関係する因子としてPCrが考えられるわけです。

つまり、

運動開始初期における酸素不足を補うといった説明にも使われるPCrですが、

運動の制限因子としても考える事が出来るわけです。

何でそうなる?という方は、

こちらの方面をじっくり調べて頂ければ。

ポイントとなるのは消費と再合成。

特に再合成という観点がこれまでの理論には抜けていると指摘されていますので。

2013年11月19日火曜日

カフェイン摂取の効果2

Neuromuscular responses to incremental caffeine doses: performance and side effects.

Med Sci Sports Exerc. 2013 Nov;45(11):2184-92. doi: 10.1249/MSS.0b013e31829a6672.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23669879


カフェインを摂取する事がパフォーマンスを向上させるのか?

筋-神経系の方から見たものがこちらとなります。

先日も紹介しましたがカフェイン関連は最近多いような気がしますが、

可能性があるものを研究するのが手早いですし、

身近なものですから面白いと思います。

3mg、6mg、9mg・kg-1で比較しておりますが、

最も低いものでも効果があることが観察されています。

しかし、

副作用があっても一番量を投与するのが確実に効果があるとも。

ドーピングに引っかからないように適切に使いつつ、

トレーニング効果を上げるのが良いでしょうね。

この考え方に疑問を持つ人もいるかもしれませんが、

制限されていない問題ない行為なら使うべきだと思います。

違反行為でないことをやって批判される方がおかしいですので。

2013年11月18日月曜日

8週間のレジスタンストレーニングとプロテイン摂取の影響

Muscle performance, size, and safety responses after eight weeks of resistance training and protein supplementation: a randomized, double-blinded, placebo-controlled clinical trial.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23442287

J Strength Cond Res. 2013 Nov;27(11):3091-100. doi: 10.1519/JSC.0b013e31828c289f.
 
 
8週間のレジスタンストレーニングを実施し、プロテインの摂取が影響を与えるのかどうか、
 
それを確かめたものとなっています。
 
週三回行った結果、プロテインの摂取などに関係なく筋肉のサイズや機能に改善が見られた、
 
そのようになっておりますが、まぁ当然の結果と言えますね。
 
細かく読んでみると面白いと思います。
 
一つ言えるのは、
 
筋肉の肥大などにはとても時間が掛かる、
 
ということです。
 
一週間や二週間では一般的なとれーにぐではとてもじゃないですが実現できません。

2013年11月12日火曜日

血流制限をしたトレーニングの効果

Practical blood flow restriction training increases acute determinants of hypertrophy without increasing indices of muscle damage.

J Strength Cond Res. 2013 Nov;27(11):3068-75. doi: 10.1519/JSC.0b013e31828a1ffa.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23446173


日本では加圧トレーニングなどで知られていますが、

英語ではVascular blood flow restriction (BFR)なんていう表現で研究が行われています。

直訳をすると静脈の血液の流れを制限する、

という形ですね。

このトレーニングは近年、多くの研究が始まった分野だと思われますが、

大きなポイントとして挙げられるのは筋肉へのダメージが少ないということです。

一般的に筋肥大のためには筋肉の損傷が必要な条件とされていますが、

加圧トレーニングやスロトレなどでの研究から、

脳などへの刺激情報が与えられる事が重要なのでは?

といった考えが出てきています。

この論文では筋肉のダメージ指標から血流を制限したトレーニングについて調べています。

結論を言えば、

筋肉へのダメージが無いのに筋肉が肥大する、

そうした事が言えそうです。

ただ、

筋肉へのダメージがなくても筋肉が肥大するということがどういうことか、

そこまではまだ明確になっておりません。

また、

筋肉の肥大ということは筋力も上がる!!

そのような単純な発想を持って良いわけでも無いのです。

筋肉が力を発揮するには筋肉だけが肥大すれば良いのでは無い、

ということでして。

2013年11月5日火曜日

ストレッチは必要なのか? その1

近年、運動前後におけるストレッチの効果についての研究が多く行われています。

特に注目されるのは、ストレッチをすることでパフォーマンスが下がる、

そうした論文が多く出されている事です。

一方ではパフォーマンスが高まるというものもありますが、

実験室における環境においてはやらない方が良いというのが上回っている感じがあります。

何のためにストレッチをやるのか?

まずはそこから始めて欲しい所ですが、

ケガの予防のためという主張に対しては、

ケガの予防にならないという論文をご紹介します。

A randomized trial of preexercise stretching for prevention of lower-limb injury.
Med Sci Sports Exerc. 2000 Feb;32(2):271-7.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10694106

軍人を相手にした実験ですが、

ストレッチをしたかどうかでは差がないという結果になっています。

ケガをする原因というのはウォーミングアップだけで避けられるものではない、

そういった事が示されているとも言えます。

また、自転車での実験で明確にパフォーマンスが下がったというものもあります。

 
Cycling efficiency and time to exhaustion are reduced after acute passive stretching administration.
Scand J Med Sci Sports. 2012 Dec;22(6):737-45. doi: 10.1111/j.1600-0838.2011.01327.x. Epub 2011 May 12.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21564308

こちらでは自転車を使って測定してみた結果、

持久力が大幅に下がったというものです。

なお、これらのストレッチというのがどのようなものか、

また一つの部位に何秒程度実施しているのかがポイントとなりますので、

そうした点も理解してやるかやらないかを選択するのが大事になるかと思います。

なお、現状ではメリットが少ないように感じられます。