Post-Exercise Cooling Lowers Skeletal Muscle Microvascular Perfusion and Blunts Amino Acid Incorporation into Muscle Tissue in Active Young Adults
Betz, Milan W et.al
Medicine & Science in Sports & Exercise(), April 18, 2025.
運動後に冷たい水に浸かることは筋肉の回復を促す方法として広く利用されているが、近年の研究では長期的な適応を妨げる可能性が指摘されている。本研究では、冷却が栄養素(アミノ酸)の取り込みにどう影響するかを検討するため、若年男性を対象に超音波を用いて筋肉内微小血流とアミノ酸取り込み量を測定した。
・若年(24±4歳)の男性12名がレジスタンス運動後に片脚ずつ8°Cと30°Cの水に浸漬し、筋微小血流とアミノ酸取り込みを比較した
・運動直後と冷却後、20gのアミノ酸摂取後の時間経過に応じて血流と筋生検を実施。
・超音波により筋の微小血流(血流量・速度・容積)を定量的に測定。
・冷却脚では血流量が大きく低下し、その後も回復せず。
・アミノ酸の筋タンパク質への取り込み量は冷却脚で約30%低下。
・血流量とアミノ酸取り込みには中等度~強い相関があった。
discussion
・冷却による微小血流の低下は最大約68%で、180分後でも回復していなかった。
・血流の変化は主に微小血流量の減少によるもので、速度には影響なし。
・アミノ酸取り込み低下は、微小血流量との強い相関が示された。
・従来の冷却による回復効果は主観的・心理的要素が強く、筋適応には不利な可能性。
・トレーニング効果を最大化したい人は、冷水浸漬の利用を再考すべきである。
・女性や高齢者では皮下脂肪の影響で効果が異なる可能性もあり、今後の研究が必要。
長年指摘されていることではありますが、アイシングと呼ばれるものをやることでトレーニング効果は下がるよ、といった話です。8度で冷やすということをやっていない人も多いかと思いますが、その場合はアイシングの効果に対して疑問を持とう、となってしまうので、しっかり冷やすか、冷やさないかという点がまずは大事です。そして冷やした場合は3時間経ってもアミノ酸の取り込みは減少したままなので、トレーニング効果はほぼ期待できないといっても良いでしょう。そうなると、心理的な面では回復につながるけれど、トレーニング効果は期待が出来ないから、つらいことをやったけれど効果があるのは回復した感。強くはなりにくい。そうなってしまうので、トレーニングとアイシングの組み合わせはやめましょう、となるかと思います。痛みが出て肉離れのような状態ならばまだしも、翌日の筋肉痛を予防するためにアイシング、といった習慣はやめた方がよいでしょう。女性に関しても恐らくはそんなにデータの違いは無いと思いますので。被験者の男性群、身長が183㎝±7で体重が80.9±6.9、BMIが24.2±2.3、脂肪の量が10±2.2とそれなりにガッシリした身体ですから、違いはあるかもしれませんが、それなりに運動をしている女性であれば近い数字になってくると思いますので。
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