2013年12月11日水曜日

ストレッチ論争は終わらない

Effects of Dynamic Stretching on Strength, Muscle Imbalance, and Muscle Activation.

Med Sci Sports Exerc. 2013 Sep 24.

 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24042312

近年、静的ストレッチングによってパフォーマンスが下がるという論文が多く出されていますが、

一方でダイナミックストレッチングに対する研究も多く行われるようになっています。

これらのどちらが良いのか、

それが最近の注目のネタでありますが、

どっちにも一長一短があるようでして。

ただ一つ言えるのは、

どちらかをやることによって明確にパフォーマンスを上げるというデータが出てきていないし、

どちらかをやると必ずパフォーマンスが下がると言い切れるデータも無い。

実験室的な環境でやってみたら下がった場合や上がった場合があるわけでして、

それらをどのように活用するかがポイントとなりそうです。

ただ、こうした点から考えられるのが、

ストレッチをやる必要性ですね。

運動前のストレッチによってケガを予防できるというデータもありませんので。

ケガの理由は想定外のものが多く、

ウォーミングアップの不足といった単純化が出来ないという論文も出ていますので。

ベストなパフォーマンス発揮に必要な手順とは何か、

これはまだまだ未解明と言えそうです。

今やっているルーティンワークよりもっと良いやり方が見つかる可能性が多々あるわけです。

ただ、

ルーティンワークによって精神的な落ち着きを得る事でパフォーマンスを発揮出来る場合もありますし、

どのやり方が良いのかは人それぞれかと思います。

このストレッチやウォーミングアップ関連の話には注目し続けたいですね。

2013年12月10日火曜日

”負荷の高いインターバルトレーニングの負荷”はどれくらいが良いのか

Applying the critical velocity model for an off-season interval training program.

J Strength Cond Res. 2013 Dec;27(12):3335-41. doi: 10.1519/JSC.0b013e31828f9d87.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23478481

オフシーズンのインターバルトレーニングのプログラムといったテーマになっていますが、

実際にどれくらいの負荷を掛けるとどれくらいの効果があるのかといった事は今一つ理解せず、

なんとなくトレーニングの負荷設定をしている場合が多いと思います。

しかし、適切な負荷を掛けないとオーバートレーニングを引き起こしたり、

不十分な回復や不十分な負荷などによってトレーニング効果が減少する可能性もあります。

ですので、

負荷は高けりゃ効果的、

そんな考えは捨てて、

しっかりと自分の練習における負荷というものを見直すのが良いかと思います。

まぁしかし、

走る時の負荷ってどれくらいが良いのかを設定する難しさというのは、

誰もが経験していると思います。

走って身体を鍛えるって本当に難しいわけで。

2013年12月5日木曜日

成長ホルモンは筋肥大の因子なのか

骨格筋の肥大とIGF-I splicing variantsに関する知見

山口 明彦
北海道医療大学

http://ci.nii.ac.jp/els/110007144198.pdf?id=ART0009085784&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1386242673&cp=


成長ホルモンが分泌される、体内に多くあると筋肉が肥大すると言われていますが、

近年ではそこを疑問視するようなデータが出されるようになってきました。

この論文もすでに5年前のものですが、

成長ホルモンを出さないようにしても筋肥大は起こっていることから、

成長ホルモンがある状態は筋肥大に関わっているが絶対的な要因ではない、

そのような事が言えるかと思います。

むしろ注目すべきはIGF-Ⅰだということですね。

夜、寝ている間に大量の成長ホルモンが分泌されると言われていますが、

実際にはウエイトトレーニングなどの後の方が分泌量は大きいわけですね。

しかし、

ずっとウエイトトレーニングをしていても筋肉は肥大しない。

トレーニング効果とはどうしたら出るのか、

そうしたことを考えるためにもこちらを学んでいくのは必須かもしれません。

2013年11月27日水曜日

肺酸素摂取量の増加因子は何か

人間が運動をする際に酸素の摂取量が増加する事は分かっていても、

それがどうして起こるのかが分からないというのはよく聞く話です。

それを考える際に役立つのがこちら。

http://ci.nii.ac.jp/els/110001919562.pdf?id=ART0002117737&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1385530024&cp=


筋酸素消費量と肺酸素摂取量の増加に関係する因子としてPCrが考えられるわけです。

つまり、

運動開始初期における酸素不足を補うといった説明にも使われるPCrですが、

運動の制限因子としても考える事が出来るわけです。

何でそうなる?という方は、

こちらの方面をじっくり調べて頂ければ。

ポイントとなるのは消費と再合成。

特に再合成という観点がこれまでの理論には抜けていると指摘されていますので。

2013年11月19日火曜日

カフェイン摂取の効果2

Neuromuscular responses to incremental caffeine doses: performance and side effects.

Med Sci Sports Exerc. 2013 Nov;45(11):2184-92. doi: 10.1249/MSS.0b013e31829a6672.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23669879


カフェインを摂取する事がパフォーマンスを向上させるのか?

筋-神経系の方から見たものがこちらとなります。

先日も紹介しましたがカフェイン関連は最近多いような気がしますが、

可能性があるものを研究するのが手早いですし、

身近なものですから面白いと思います。

3mg、6mg、9mg・kg-1で比較しておりますが、

最も低いものでも効果があることが観察されています。

しかし、

副作用があっても一番量を投与するのが確実に効果があるとも。

ドーピングに引っかからないように適切に使いつつ、

トレーニング効果を上げるのが良いでしょうね。

この考え方に疑問を持つ人もいるかもしれませんが、

制限されていない問題ない行為なら使うべきだと思います。

違反行為でないことをやって批判される方がおかしいですので。