Early postexercise muscle glycogen recovery is enhanced with a carbohydrate-protein supplement
http://jap.physiology.org/content/93/4/1337
J Appl Physiol (1985). 2002 Oct;93(4):1337-44.
Ivy JL, Goforth HW Jr, Damon BM, McCauley TR, Parsons EC, Price TB.
筋グリコーゲンは中~高強度の運動においては必須のエネルギー源である。
(1,2,9,11)の研究で示されているように、筋グリコーゲンが不足することは中~高強度運動の制限要因となる。
運動後の筋グリコーゲンの回復については多くの研究がなされており、
摂取タイミングを検討したもの(13,18)や摂取する頻度を検討したもの(10)、
摂取する量(3,12,14,15)、摂取するサプリの種類(6,21,24、30,32)など、
様々な角度から調査されている。
(32)の研究では炭水化物とタンパク質の同時摂取が4時間後の回復を高めることを示した。
(7,15,27,29,30)など同時摂取について調べた研究は増えている。
しかし、これらにはカロリー摂取量が一致しないなどの問題もあるので、
今回の実験では同等のカロリー摂取量として実施した。
被験者は7人のトレーニングを積んだ若い男性の自転車選手。
夕食で統一された食事を摂取して、
翌朝に何も食べない状態で2時間の自転車運動を実施。
最大酸素摂取量の65~75%になるように運動中に負荷を調整。
運動後に摂取したのは以下の3種類。
炭水化物240kcal、タンパク質84kcal、脂質54kcal
炭水化物324kcal、脂質54kcal
炭水化物240kcal、脂質54kcal
これらを472mlの液体に溶かして運動直後と2時間後の2度摂取。
結果、炭水化物とタンパク質を含んだものが他の二つよりも有意に回復が促された。
4時間後の筋グリコーゲンの回復は
46.8%
31.1%
28.0%
となった。
今回の実験では頻度が高くないため、
運動後15分毎や30分毎などより高い頻度で摂取させた過去の実験と同様にすると、
今回の結果で出たタンパク質のメリットは期待できなくなる可能性もある。
(30,32)の研究では運動後の筋グリコーゲンの回復はインスリンの分泌を促すことが重要であるとした。
しかし近年行われた(4,16,20,25)の研究ではインスリンが不要である可能性を示している。
(31)の研究ではアルギニンを炭水化物に添加することで筋グリコーゲンの貯蔵速度を高めるとしている。
今回の研究から炭水化物とタンパク質の同時摂取の有用性は認められる。
Free
過去には炭水化物を摂取することでインスリンを分泌させるのが大事とされていましたが、
この論文が出された2002年の時点で”近年”では否定される、
となっているわけですね。
そんなインスリンが分泌されることで筋グリコーゲンの回復が~、
という話が未だにしっかりと残っているというのも如何なものかな、というところです。
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2017年3月30日木曜日
2017年3月29日水曜日
持久的な運動やレジスタンストレーニングにおけるグリコーゲンの利用可能量と筋肉の適応(レビュー)
Glycogen availability and skeletal muscle adaptations with endurance and resistance exercise
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26697098
Nutr Metab (Lond). 2015 Dec 21;12:59. doi: 10.1186/s12986-015-0055-9. eCollection 2015.
Knuiman P, Hopman MT, Mensink M.
運動は大まかにレジスタンスなものと持久的なものに分類される。
持久的な運動はさらに高負荷なインターバルトレーニングのようなものと、
長時間の低負荷運動に分類される。
レジスタンストレーニングは筋肥大と筋力向上を目的とし、
持久的なトレーニングは骨格筋の酸素利用量を高めて運動の継続時間を長くすることを目的とする。
運動中のエネルギー源としては炭水化物と脂肪が主に用いられる。
(9,10)の研究のように近年ではグリコーゲンが少ない状態でのトレーニングが研究されている。
(17,18) では低グリコーゲンの状態での持久的なトレーニングはパフォーマンスの向上に有効であるとしている。
(19)の研究ではレジスタンストレーニングにおける低グリコーゲン状態はミトコンドリアの生成シグナルを増やすという結果を見せているが、
(20)の研究ではグリコーゲンレベルは関係ないとしている。
(21)の研究では筋グリコーゲン量の低下がカルシウムイオンの小胞体からの放出を抑制し、
筋力の低下を引き起こすとされている。
(25)では低グリコーゲンの状態で持久的な運動を開始すると、
早期に筋小胞体からのカルシウムイオンの放出が抑制されると示した。
最大酸素摂取量の30~65%程度の段階ではエネルギー源として脂質の利用が多いが、
(28)の研究にあるようにグリコーゲンの貯蔵量が一定レベルを下回ると、
脂質などのエネルギー源があっても運動における筋肉の活動は制限されるようになる。
(30)にあるように、低グリコーゲンはアミノ酸の全身への放出を増やし、
脂質の酸化を増加させ、運動強度を低下させる。
(10)の研究にあるように、低グリコーゲンの状態は脂肪の代謝を活性化し、
ミトコンドリアを生成するための刺激を増加させるとされているが、
多くの研究がなされているわけではない。
(17)の研究ではトレーニングをしていない被験者では運動時間の増加や、
クエン酸シンターゼの活性の増加を見つけた。
(12,16)ではトレーニングをしている被験者での実験結果を示した。
その結果、大きな効果は特に認められなかった。
最大酸素摂取量の70%程度での運動中の脂肪利用の増加は、
低グリコーゲン群で認められた。
これらの結果から、低グリコーゲン状態でのトレーニングは脂肪の利用を高めることは言えそうである。
(18)の実験では1日に2回の運動の間における炭水化物の摂取は、
短時間の高強度インターバルトレーニングに大きな違いを生じさせないことを示した。
レジスタンストレーニングは筋肉の大きな収縮が行われるが、
この時に筋グリコーゲンがエネルギー源となる。
(38)にもあるように大部分のATPの産生はグリコーゲンの分解によるものである。
レジスタンストレーニングによるグリコーゲンの減少は(37、39,40,41)の研究にあるように、
およそ24~40%ほどとされるが、運動の強度や時間などの要素によって決定される。
レジスタンストレーニングにおける低グリコーゲンは、
持久的な運動における低グリコーゲンに比べると研究が少ない。
持久的な運動によってPGC-1αが活性化する。
PGC-1αはミトコンドリアのサイズや酸化能力に影響するが、
この活性化はAMPKによって調整される。
(55)にあるように持久的な運動はATPを多量に用いるためADPやAMPを増加させる。
その結果、(56,57)のようにATPを回復させる(利用を減らし産生を増やす)ためにAMPKが活性化される。
運動時に筋グリコーゲンが減少するとAMPKが活性化する。
ミトコンドリアの増加にはp53も関与していると考えられる。
(66,67)からミトコンドリアの遺伝子発現に刺激を与えるとされる。
(68)の実験から低グリコーゲンの状態での運動はp53を上方に制御すると考えられるが、
この実験はグリコーゲンだけでなくカロリーも制限しているものなので、
さらなる調査が必要である。
レジスタンストレーニングは酸素利用を高めないと過去の研究ではされていたが、
近年の研究結果からは酸素の利用もある程度高めることが示されている。
これには年齢による違いなどはない(73,74)。
持久的な運動後のグリコーゲンとタンパク質の合成に関する研究は少ない。
(80)によると筋グリコーゲンの低下はNOの利用を倍以上に減らし、
筋肉の分解とアミノ酸の酸化を増加させる。
(82)の研究では低グリコーゲン状態で運動を開始すると、
運動中の筋肉合成が減少し分解が増加することを示した。
持久的な運動にとって低グリコーゲンによってミトコンドリアの増加が期待できるが、
筋肉の分解が増加するのは問題である。
(83,84)の研究では運動中や運動後のアミノ酸やタンパク質の補給により、
筋肉の分解を抑制できるとしている。
レジスタンストレーニングにおける筋肉の合成や分解は複雑である。
Akt-mTOR-S6Kは筋肉の合成経路の一つであるが、
多くの研究がなされている(85,86)。
(87)の研究ではグリコーゲンの利用が低いと安静時や運動時のAMPK活性が高まるとしている。
(88)では低グリコーゲンが筋肥大に関する遺伝子を活性化させないとしている。
(89)の研究ではmTORの活性は示すものの筋肉合成にはグリコーゲンの貯蔵量が影響しないことを示した。
この結果は(90)の研究でエネルギーの減少が筋肉合成を最大で19%ほど弱めるという結果が出たことと比べると興味深い。
持久的な運動とレジスタンストレーニングを同時に行うことが、
両方の効果を高めるわけではないことが多くの実験で示されている(91~96)。
しかし(97,98)の研究では持久的な運動だけを行うよりも効果が高いとしている。
この辺りはまだまだ研究が必要と考えられる。
近年では多くの実験が絶食後に行われているため、
実際に運動を行う状態とは異なっているという指摘がなされている。
Free
適度につまんだので、
興味のある方は全文をどうぞ。
いくつかの論文から言えそうなことは、
筋肉を増やしたい人は筋グリコーゲンが多い状態でレジスタンストレーニングをするべきであり、
持久力を高めたい人は少ない状態でもトレーニングすると効果が高いが、
筋グリコーゲンが多い状態でもトレーニングしないとダメ、
ということでしょう。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26697098
Nutr Metab (Lond). 2015 Dec 21;12:59. doi: 10.1186/s12986-015-0055-9. eCollection 2015.
Knuiman P, Hopman MT, Mensink M.
運動は大まかにレジスタンスなものと持久的なものに分類される。
持久的な運動はさらに高負荷なインターバルトレーニングのようなものと、
長時間の低負荷運動に分類される。
レジスタンストレーニングは筋肥大と筋力向上を目的とし、
持久的なトレーニングは骨格筋の酸素利用量を高めて運動の継続時間を長くすることを目的とする。
運動中のエネルギー源としては炭水化物と脂肪が主に用いられる。
(9,10)の研究のように近年ではグリコーゲンが少ない状態でのトレーニングが研究されている。
(17,18) では低グリコーゲンの状態での持久的なトレーニングはパフォーマンスの向上に有効であるとしている。
(19)の研究ではレジスタンストレーニングにおける低グリコーゲン状態はミトコンドリアの生成シグナルを増やすという結果を見せているが、
(20)の研究ではグリコーゲンレベルは関係ないとしている。
(21)の研究では筋グリコーゲン量の低下がカルシウムイオンの小胞体からの放出を抑制し、
筋力の低下を引き起こすとされている。
(25)では低グリコーゲンの状態で持久的な運動を開始すると、
早期に筋小胞体からのカルシウムイオンの放出が抑制されると示した。
最大酸素摂取量の30~65%程度の段階ではエネルギー源として脂質の利用が多いが、
(28)の研究にあるようにグリコーゲンの貯蔵量が一定レベルを下回ると、
脂質などのエネルギー源があっても運動における筋肉の活動は制限されるようになる。
(30)にあるように、低グリコーゲンはアミノ酸の全身への放出を増やし、
脂質の酸化を増加させ、運動強度を低下させる。
(10)の研究にあるように、低グリコーゲンの状態は脂肪の代謝を活性化し、
ミトコンドリアを生成するための刺激を増加させるとされているが、
多くの研究がなされているわけではない。
(17)の研究ではトレーニングをしていない被験者では運動時間の増加や、
クエン酸シンターゼの活性の増加を見つけた。
(12,16)ではトレーニングをしている被験者での実験結果を示した。
その結果、大きな効果は特に認められなかった。
最大酸素摂取量の70%程度での運動中の脂肪利用の増加は、
低グリコーゲン群で認められた。
これらの結果から、低グリコーゲン状態でのトレーニングは脂肪の利用を高めることは言えそうである。
(18)の実験では1日に2回の運動の間における炭水化物の摂取は、
短時間の高強度インターバルトレーニングに大きな違いを生じさせないことを示した。
レジスタンストレーニングは筋肉の大きな収縮が行われるが、
この時に筋グリコーゲンがエネルギー源となる。
(38)にもあるように大部分のATPの産生はグリコーゲンの分解によるものである。
レジスタンストレーニングによるグリコーゲンの減少は(37、39,40,41)の研究にあるように、
およそ24~40%ほどとされるが、運動の強度や時間などの要素によって決定される。
レジスタンストレーニングにおける低グリコーゲンは、
持久的な運動における低グリコーゲンに比べると研究が少ない。
持久的な運動によってPGC-1αが活性化する。
PGC-1αはミトコンドリアのサイズや酸化能力に影響するが、
この活性化はAMPKによって調整される。
(55)にあるように持久的な運動はATPを多量に用いるためADPやAMPを増加させる。
その結果、(56,57)のようにATPを回復させる(利用を減らし産生を増やす)ためにAMPKが活性化される。
運動時に筋グリコーゲンが減少するとAMPKが活性化する。
ミトコンドリアの増加にはp53も関与していると考えられる。
(66,67)からミトコンドリアの遺伝子発現に刺激を与えるとされる。
(68)の実験から低グリコーゲンの状態での運動はp53を上方に制御すると考えられるが、
この実験はグリコーゲンだけでなくカロリーも制限しているものなので、
さらなる調査が必要である。
レジスタンストレーニングは酸素利用を高めないと過去の研究ではされていたが、
近年の研究結果からは酸素の利用もある程度高めることが示されている。
これには年齢による違いなどはない(73,74)。
持久的な運動後のグリコーゲンとタンパク質の合成に関する研究は少ない。
(80)によると筋グリコーゲンの低下はNOの利用を倍以上に減らし、
筋肉の分解とアミノ酸の酸化を増加させる。
(82)の研究では低グリコーゲン状態で運動を開始すると、
運動中の筋肉合成が減少し分解が増加することを示した。
持久的な運動にとって低グリコーゲンによってミトコンドリアの増加が期待できるが、
筋肉の分解が増加するのは問題である。
(83,84)の研究では運動中や運動後のアミノ酸やタンパク質の補給により、
筋肉の分解を抑制できるとしている。
レジスタンストレーニングにおける筋肉の合成や分解は複雑である。
Akt-mTOR-S6Kは筋肉の合成経路の一つであるが、
多くの研究がなされている(85,86)。
(87)の研究ではグリコーゲンの利用が低いと安静時や運動時のAMPK活性が高まるとしている。
(88)では低グリコーゲンが筋肥大に関する遺伝子を活性化させないとしている。
(89)の研究ではmTORの活性は示すものの筋肉合成にはグリコーゲンの貯蔵量が影響しないことを示した。
この結果は(90)の研究でエネルギーの減少が筋肉合成を最大で19%ほど弱めるという結果が出たことと比べると興味深い。
持久的な運動とレジスタンストレーニングを同時に行うことが、
両方の効果を高めるわけではないことが多くの実験で示されている(91~96)。
しかし(97,98)の研究では持久的な運動だけを行うよりも効果が高いとしている。
この辺りはまだまだ研究が必要と考えられる。
近年では多くの実験が絶食後に行われているため、
実際に運動を行う状態とは異なっているという指摘がなされている。
Free
適度につまんだので、
興味のある方は全文をどうぞ。
いくつかの論文から言えそうなことは、
筋肉を増やしたい人は筋グリコーゲンが多い状態でレジスタンストレーニングをするべきであり、
持久力を高めたい人は少ない状態でもトレーニングすると効果が高いが、
筋グリコーゲンが多い状態でもトレーニングしないとダメ、
ということでしょう。
2017年3月28日火曜日
短期間の炭水化物制限と従来の低エネルギー食とレジスタンストレーニングが筋厚と筋力向上に与える影響
Effects of Short-Term Carbohydrate Restrictive and Conventional Hypoenergetic Diets and Resistance Training on Strength Gains and Muscle Thickness
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5131210/
J Sports Sci Med. 2016 Dec 1;15(4):578-584. eCollection 2016.
Meirelles CM, Gomes PS
食事で摂取するエネルギーを制限することと運動をすることは体重を減らすための基本となる。
Westmanらの2007年の研究では150g以下に炭水化物を制限した食事は、
従来の低エネルギーな食事よりも体重の減少を促すとした。
炭水化物を制限した食事では持久的なパフォーマンスが下がるというデータもあれば、
そうならないといったデータもある。
レジスタンストレーニングに対する炭水化物制限の研究は少ないが、
肥満の男女を対象にした実験では筋力の向上を損なわないという結果が見られる。
炭水化物を制限する食事が人気となっているのに、
レジスタンストレーニングと炭水化物を制限した食事の調査は不十分である。
この研究はBMIが25以上で3か月以上のレジスタンストレーニングの経験がある男女で実施。
炭水化物を制限群では最初の1週間は一日30g以下、翌週からは10gずつの炭水化物を増加させ、
実験後に通常の生活に戻れるようにした。
低エネルギー食群では必要と推測されるエネルギー量の75%の摂取とし、
タンパク質15%、脂質30%、炭水化物55%で構成した。
レジスタンストレーニングは週に3日、連続での実施にならないようにした。
内容は11種目で8~10回を8~10RMの負荷でそれぞれ2set実施。
結果、どちらの群でも体重と体脂肪が減少した。
筋厚はtable2にあるように一致した増加などは見られず、有意な差も無い。
筋力はFig2にあるように低エネルギー食の方がやや高い増加が見られるが有意な差は無い。
Free
この内容ですと炭水化物を制限したと言えるのか、
という疑問が残りますね。
カロリー制限でも糖質制限でも大差は無いと言えるかもしれません。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5131210/
J Sports Sci Med. 2016 Dec 1;15(4):578-584. eCollection 2016.
Meirelles CM, Gomes PS
食事で摂取するエネルギーを制限することと運動をすることは体重を減らすための基本となる。
Westmanらの2007年の研究では150g以下に炭水化物を制限した食事は、
従来の低エネルギーな食事よりも体重の減少を促すとした。
炭水化物を制限した食事では持久的なパフォーマンスが下がるというデータもあれば、
そうならないといったデータもある。
レジスタンストレーニングに対する炭水化物制限の研究は少ないが、
肥満の男女を対象にした実験では筋力の向上を損なわないという結果が見られる。
炭水化物を制限する食事が人気となっているのに、
レジスタンストレーニングと炭水化物を制限した食事の調査は不十分である。
この研究はBMIが25以上で3か月以上のレジスタンストレーニングの経験がある男女で実施。
炭水化物を制限群では最初の1週間は一日30g以下、翌週からは10gずつの炭水化物を増加させ、
実験後に通常の生活に戻れるようにした。
低エネルギー食群では必要と推測されるエネルギー量の75%の摂取とし、
タンパク質15%、脂質30%、炭水化物55%で構成した。
レジスタンストレーニングは週に3日、連続での実施にならないようにした。
内容は11種目で8~10回を8~10RMの負荷でそれぞれ2set実施。
結果、どちらの群でも体重と体脂肪が減少した。
筋厚はtable2にあるように一致した増加などは見られず、有意な差も無い。
筋力はFig2にあるように低エネルギー食の方がやや高い増加が見られるが有意な差は無い。
Free
この内容ですと炭水化物を制限したと言えるのか、
という疑問が残りますね。
カロリー制限でも糖質制限でも大差は無いと言えるかもしれません。
2017年3月27日月曜日
ストレングストレーニング中の炭水化物摂取がパフォーマンスに与える影響
Effects of acute carbohydrate ingestion on anaerobic exercise performance.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27843418
J Int Soc Sports Nutr. 2016 Nov 10;13:40. eCollection 2016.
Krings BM, Rountree JA, McAllister MJ, Cummings PM, Peterson TJ, Fountain BJ, Smith JW.
持久的な運動中における炭水化物の摂取の重要性は多くの研究により示されている。
レジスタンストレーニングと炭水化物の調査としては、
(2)がフリーウエイトでのトレーニングにより40%も筋グリコーゲンが減少することを示している。
(3,4)の研究でも同様な結果が出ている。
一方で、レジスタンストレーニングの前や最中の炭水化物の摂取では、
(6,7,8,9)においてパフォーマンスが改善されているが、
(10,11)では特に変化が見られていない。
この違いはトレーニング内容や目標部位の違い、時間によって生じたものと考えられる。
今回の研究ではスプリント、ジャンプ、レジスタンストレーニング、シャトルランといったトレーニングの最中における炭水化物の摂取による栄養を調べた。
被験者は7人のよくトレーニングされた若い男性。
一時間あたりで15g、30g、60gの糖質摂取を実施する群を設定。
結果、ダンベルベンチプレスでは最後のsetで明らかな違いを示した。
シャトルランでは多くの摂取が効果的など、
トレーニング種目によって効果のある摂取量は異なるとも考えられる。
レジスタンストレーニングやジャンプトレーニングでは大きな効果は無さそう。
15~30gの糖質を含む500mlの液体を摂取することは、
アミノ酸のみの液体よりもパフォーマンスが高まる可能性があると言える。
実験の問題点として、運動前の筋グリコーゲン量の調整などが出来ていない点などがあるので、
より多くの実験がなされる必要がある。
Free
ストレングストレーニングなのでレジスタンストレーニング以外も試しています。
まぁ運動中よりも運動前、それこそ24時間ほど筋グリコーゲンの完全回復には必要、
といった点からすれば、運動中はそこまで大きな効果が無いというのも納得はいきますが、
少し長くなる時やシャトルランなど全身運動になる時は効果がありそう、
というところでしょうか。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27843418
J Int Soc Sports Nutr. 2016 Nov 10;13:40. eCollection 2016.
Krings BM, Rountree JA, McAllister MJ, Cummings PM, Peterson TJ, Fountain BJ, Smith JW.
持久的な運動中における炭水化物の摂取の重要性は多くの研究により示されている。
レジスタンストレーニングと炭水化物の調査としては、
(2)がフリーウエイトでのトレーニングにより40%も筋グリコーゲンが減少することを示している。
(3,4)の研究でも同様な結果が出ている。
一方で、レジスタンストレーニングの前や最中の炭水化物の摂取では、
(6,7,8,9)においてパフォーマンスが改善されているが、
(10,11)では特に変化が見られていない。
この違いはトレーニング内容や目標部位の違い、時間によって生じたものと考えられる。
今回の研究ではスプリント、ジャンプ、レジスタンストレーニング、シャトルランといったトレーニングの最中における炭水化物の摂取による栄養を調べた。
被験者は7人のよくトレーニングされた若い男性。
一時間あたりで15g、30g、60gの糖質摂取を実施する群を設定。
結果、ダンベルベンチプレスでは最後のsetで明らかな違いを示した。
シャトルランでは多くの摂取が効果的など、
トレーニング種目によって効果のある摂取量は異なるとも考えられる。
レジスタンストレーニングやジャンプトレーニングでは大きな効果は無さそう。
15~30gの糖質を含む500mlの液体を摂取することは、
アミノ酸のみの液体よりもパフォーマンスが高まる可能性があると言える。
実験の問題点として、運動前の筋グリコーゲン量の調整などが出来ていない点などがあるので、
より多くの実験がなされる必要がある。
Free
ストレングストレーニングなのでレジスタンストレーニング以外も試しています。
まぁ運動中よりも運動前、それこそ24時間ほど筋グリコーゲンの完全回復には必要、
といった点からすれば、運動中はそこまで大きな効果が無いというのも納得はいきますが、
少し長くなる時やシャトルランなど全身運動になる時は効果がありそう、
というところでしょうか。
2017年3月26日日曜日
2時間のレジスタンストレーニング中の炭水化物摂取がサイトカインの発現に与える影響
Influence of carbohydrate ingestion on immune changes after 2 h of intensive resistance training
http://jap.physiology.org/content/96/4/1292
Journal of Applied Physiology Published 1 April 2004 Vol. 96 no. 4, 1292-1298
D. C. Nieman, J. M. Davis, V. A. Brown, D. A. Henson, C. L. Dumke, A. C. Utter, D. M. Vinci, M. F. Downs, J. C. Smith, J. Carson, A. Brown, S. R. McAnulty, L. S. McAnulty
持久的な運動中に炭水化物を摂取することでサイトカインや遺伝子発現に影響を与えることは、
多くの研究によって調査されている。
(20)の研究では最大酸素摂取量の70%で3時間走る実験中に炭水化物を摂取することで、
IL-6やIL-10などの血中レベルで減少することが確認されている。
筋グリコーゲンでの違いはプラセボ群と無いので、
血中グルコースがサイトカインのmRNAの発現を抑制したと推測される。
(29)の実験でも筋グリコーゲンの差異は摂取でもプラセボでも無く、
IL-6の血中レベルが低下した。
近年のデータ(17,30)では筋グリコーゲンが少ない状態での運動はIL-6の放出を増加させるとしている。
(28)のデータによるとレジスタンストレーニングは筋グリコーゲンの著しい減少を引き起こす。
しかし、レジスタンストレーニングによるサイトカインへの影響を調べた研究はほとんど知られていない。
13人の少なくとも半年以上のレジスタンストレーニングを実施している若い男性で実験。
バックスクワットを体重の1.25倍をこなせるレベル。
炭水化物摂取群は6%もしくが60g/lを含むドリンクを摂取。
これは(20,21,22,25)の先行研究にあるようなゲータレードによって提供された飲料。
結果、運動量は特にどちらでも変化は無かった。
炭水化物の減少は摂取群で38%、プラセボ群で44%で有意な差は無かった。
そして持久的な運動と比較すると炭水化物摂取群でもプラセボ群でもサイトカインの発現に差は無かった。
Free
サイトカインに関しては炎症性マーカーなどとも呼ばれますが、
これがどのような刺激で出てくるのかというのを調べた2004年の論文です。
持久的な運動によってIL-6が多く産出され、それによって鉄の体内での取り込みが抑制されて貧血になる、
ということが現在では分かっています。
直接的にトレーニング効果を高めるかどうかは不明な点も多いですが、
体内で生じる様々なシグナルを抑制したりしているものなので、
知っておくことで役に立つものではあるかと思います。
ただ、何だか小難しい話になっていくので、知らないでも何も問題は無いでしょう。
http://jap.physiology.org/content/96/4/1292
Journal of Applied Physiology Published 1 April 2004 Vol. 96 no. 4, 1292-1298
D. C. Nieman, J. M. Davis, V. A. Brown, D. A. Henson, C. L. Dumke, A. C. Utter, D. M. Vinci, M. F. Downs, J. C. Smith, J. Carson, A. Brown, S. R. McAnulty, L. S. McAnulty
持久的な運動中に炭水化物を摂取することでサイトカインや遺伝子発現に影響を与えることは、
多くの研究によって調査されている。
(20)の研究では最大酸素摂取量の70%で3時間走る実験中に炭水化物を摂取することで、
IL-6やIL-10などの血中レベルで減少することが確認されている。
筋グリコーゲンでの違いはプラセボ群と無いので、
血中グルコースがサイトカインのmRNAの発現を抑制したと推測される。
(29)の実験でも筋グリコーゲンの差異は摂取でもプラセボでも無く、
IL-6の血中レベルが低下した。
近年のデータ(17,30)では筋グリコーゲンが少ない状態での運動はIL-6の放出を増加させるとしている。
(28)のデータによるとレジスタンストレーニングは筋グリコーゲンの著しい減少を引き起こす。
しかし、レジスタンストレーニングによるサイトカインへの影響を調べた研究はほとんど知られていない。
13人の少なくとも半年以上のレジスタンストレーニングを実施している若い男性で実験。
バックスクワットを体重の1.25倍をこなせるレベル。
炭水化物摂取群は6%もしくが60g/lを含むドリンクを摂取。
これは(20,21,22,25)の先行研究にあるようなゲータレードによって提供された飲料。
結果、運動量は特にどちらでも変化は無かった。
炭水化物の減少は摂取群で38%、プラセボ群で44%で有意な差は無かった。
そして持久的な運動と比較すると炭水化物摂取群でもプラセボ群でもサイトカインの発現に差は無かった。
Free
サイトカインに関しては炎症性マーカーなどとも呼ばれますが、
これがどのような刺激で出てくるのかというのを調べた2004年の論文です。
持久的な運動によってIL-6が多く産出され、それによって鉄の体内での取り込みが抑制されて貧血になる、
ということが現在では分かっています。
直接的にトレーニング効果を高めるかどうかは不明な点も多いですが、
体内で生じる様々なシグナルを抑制したりしているものなので、
知っておくことで役に立つものではあるかと思います。
ただ、何だか小難しい話になっていくので、知らないでも何も問題は無いでしょう。
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