2017年3月5日日曜日

大豆タンパク質の摂取が様々な身体活動レベルの人々の骨格筋と筋力に与える影響

Effects of dietary soy protein on skeletal muscle volume and strength in humans with various physical activities

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26399344

J Med Invest. 2015;62(3-4):177-83. doi: 10.2152/jmi.62.177.

Hashimoto R, Sakai A, Murayama M, Ochi A, Abe T, Hirasaka K, Ohno A, Teshima-Kondo S, Yanagawa H, Yasui N, Inatsugi M, Doi D, Takeda M, Mukai R, Terao J, Nikawa T.

高齢化や運動不足によって寝たきりになる人が日本では近年増加している。

大豆に含まれるグリシニンが筋の萎縮を予防する効果があることを示されている。

この研究が身体活動の少ない人や寝たきりの人に効果的であると考え、

大豆タンパク質の摂取で筋量がどのように変化するかを実験してみた。

59人の被験者、デスクワーク群(低活動)、週に2回は10km以上を走る群(高活動)は、

さらにカゼイン群とソイ群に分けられた。

寝たきり群はカゼイン群とソイ群と摂取なし群に分けられた。

7.5gの粉状カゼインか7.1gのソイを30日間摂取。

筋量は低活動群でソイの摂取が有意に増加、

寝たきり群ではカゼインが摂取なしと比べて有意に増加、ソイも有意では無いが増加。

筋力はソイが最も増加したが有意差は無し。

Free


何というか、あぁ日本人の論文だな、という感じのものですね。

ソイに効果があるとしていますが、カゼインでも十分に効果があると言えるものでは、

という感じですね。

まぁ筋力の増加も起こったというのを見るとソイが良い気もしますが、

どうなのかなぁ、という感じが否めません。

日本人の論文だなぁ、となります。

2017年3月4日土曜日

運動後に炭水化物とタンパク質を摂取することでラットの骨格筋のグリコーゲン量は増加する

Post-exercise carbohydrate plus whey protein hydrolysates supplementation increases skeletal muscle glycogen level in rats

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19593593

Amino Acids. 2010 Apr;38(4):1109-15. doi: 10.1007/s00726-009-0321-0. Epub 2009 Jul 11.

Morifuji M, Kanda A, Koga J, Kawanaka K, Higuchi M.

運動後に炭水化物とタンパク質を同時に摂取することで、

グリコーゲンの回復が高まるということは分かってきたが、

どのタンパク質が効果的なのかは不明なのでラットを体重の2%負荷で4時間泳がせて、

グリコーゲンを枯渇させてからどのように回復するかを調査。

グルコースのみ、グルコース+ホエイ、グルコース+カゼイン、グルコース+BCAAの群。

ホエイプロレインの中でもWPHが最も運動後の回復が有意に高かった。

さらに Akt/PKBやPKCzetaのリン酸化も有意に増加した。

炭水化物の摂取とタンパク質(特にWPH)はAkt/PKBやatypical PKCsを活性化させ、

グリコーゲンの筋肉への取り込みを高めると考えられる。


2017年3月3日金曜日

就寝前のタンパク質摂取がトレーニングによる骨格筋の適応を高める

Pre-Sleep Protein Ingestion to Improve the Skeletal Muscle Adaptive Response to Exercise Training

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27916799

Nutrients. 2016 Nov 28;8(12). pii: E763.

Trommelen J, van Loon LJ

タンパク質の摂取に関するレビュー。


2017年3月2日木曜日

バスケットボール選手はポジションに応じてテストステロンとコルチゾールの分泌量が異なっている

Using testosterone and cortisol as biomarker for training individualization in elite basketball: a 4-year follow-up study

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25144130

J Strength Cond Res. 2015 Feb;29(2):368-78

Schelling X, Calleja-González J, Torres-Ronda L, Terrados N.

4年間のフォローアップ研究。

ポジションと出場時間、季節に応じての特徴を分析。

パワーフォワードはテストステロンが低い、

スモールフォワードはコルチゾールが高い、

13~25分の出場時間が多い選手はテストステロンもコルチゾールも多く分泌された。

3月から4月がテストステロンが低くコルチゾールが高いカタボリックな状態になりやすい。

など。

もちろん、これらは出場時間やポジションに応じて異なる点を考慮する必要はある。

と。


ドーピング検査をするならついでにこうした血液検査も少しやって、

選手に還元するというやり方を採用していったら協力的な人も増えるかなぁ、

と思いました。

年間を通じてのホルモン分泌の違いというのは試合やポジションも当然ながら、

その他の練習の影響などもあるでしょうし、

パフォーマンスとも関連して考えないとダメでしょうね。

AだからBだ!!

と単純に断じないように。

持久的な運動の強度が運動直後と1日後の回復期の筋原線維とミトコンドリアの合成に与える影響

Influence of aerobic exercise intensity on myofibrillar and mitochondrial protein synthesis in young men during early and late postexercise recovery

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24595306

Am J Physiol Endocrinol Metab. 2014 May 1;306(9):E1025-32. doi: 10.1152/ajpendo.00487.2013. Epub 2014 Mar 4.

Di Donato DM, West DW, Churchward-Venne TA, Breen L, Baker SK, Phillips SM.

持久的な運動によって筋肉の肥大が生じたり、


筋肉での酸素利用能が高まることは知られている。

高強度の持久的な運動は低強度に比べてmRNAにおけるPGC-1αの発現量を増やすが、

ではこれがミトコンドリアタンパク質の合成だとどのように変化するかは詳しく調査されていない。

ということで、筋原線維とミトコンドリアタンパク質の合成に運動負荷がどのような影響を与えるかを調査した。

8人の適度に運動をしている若い男性。

低負荷は最大酸素摂取量の30%で60分、高負荷は60%で60分の自転車運動。

30分~4時間30分と24~48時間後を分析。

高負荷群

・筋タンパク合成は24時間後でも安静時に比べて有意に高かった。むしろ回復期前半の測定よりも高かった。

・ミトコンドリアタンパク質合成は回復期前半で安静時より低く、24時間後には安静時より有意に高かった

・mTORは30分後は有意に高かったが4時間半後は安静時に戻った


低負荷群

・筋タンパク合成は回復期前半では安静時より有意に高かったが、24時間後では安静時に戻った

・ ミトコンドリアタンパク質合成は回復期前半で安静時より低く、24時間後はさらに低くなった

・mTORは30分後から安静時より低い状態が続いた。有意差は無し

・p38Thr180/Tyr182は4時間半後において低負荷の方が高負荷より有意に高かった     


結論として、高負荷の持久的な運動は低負荷に比べて、より筋肥大を起こす可能性がある。

絶食状態での運動による測定なので、先行研究にある食事、アミノ酸などとの関連は不明。


 Free

運動する前も後も絶食で被験者をやらされる苦しみ、とてもよく分かります。

60%を高負荷としているので、トレーニングをしている人からしたら、

軽く呼吸が乱れるかどうか、といった程度の負荷でしょう。

それを毎日続けている生活だと、その日の練習が翌日まで影響を与える、

さらに 翌日にも運動をすれば効果がずっと継続される、と。

しっかりとトレーニングをしている人にとっては、

軽いジョギング程度の運動ならば毎日やった方が大きな効果が得られる、

ということが言えると思われます。

ここにタンパク質の摂取などによってどのような変化が起こるのか、

という点がイマイチ見えませんが。ひょっとしたら栄養摂取がシグナルを減らす、

ということもあるかもしれませんし、無いかもしれませんし。