Splanchnic and leg substrate exchange after ingestion of a natural mixed meal in humans
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10331398
Diabetes. 1999 May;48(5):958-66.
Capaldo B, Gastaldelli A, Antoniello S, Auletta M, Pardo F, Ciociaro D, Guida R, Ferrannini E, Saccà L
糖質の単純な摂取による動態は知られているが、
食事による糖質、脂質、タンパク質が同時に摂取された後の変化はよく分からないので、
男性11人を被験者として実験。
600kcalのピザを食べた後の変化を見た結果、
炭水化物は5時間後でもまだ吸収中と推測される。
動脈血中の乳酸値は30%ほど上昇したが、120分もしたら通常の値に戻った。
5時間後でも肝臓のアミノ酸放出は高まり筋肉での利用は増加した。
1999年の論文ですが、
サプリメントなどでの摂取ではなく、
通常の食事をしたらどのような変化が見られるのか、
というものを調べています。
近年、サプリメントでの単独摂取だけで語っている話が多く見られますが、
日常における食事も栄養補給に大きな効果を持っていますし、
その時間はかなり長く続きます。
こうした点を考えてサプリメントの摂取は実施すべきかと思います。
https://sites.google.com/view/spe-gym/ 走りや身体作りの指導など、各種のご依頼はジムのサイトよりどうぞ。小田急線、千歳船橋駅から徒歩3分のパーソナルジムです。
2017年2月27日月曜日
2017年2月26日日曜日
栄養と運動による筋肉のタンパク質合成(レビュー)
Muscle protein synthesis in response to nutrition and exercise
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22289911
J Physiol. 2012 Mar 1;590(5):1049-57. doi: 10.1113/jphysiol.2011.225003. Epub 2012 Jan 30.
Atherton PJ, Smith K.
分かってはいたことですが、
運動と栄養の摂取によって筋肉の合成はより高まることがエビデンスベースで示されてきまして、
じゃあどういう時に筋肉の合成は高まるのか、抑制されるのか??
というのをまとめたレビューです。
これで2012年。
よく分からない面が多くあるのが人間の身体ということで。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22289911
J Physiol. 2012 Mar 1;590(5):1049-57. doi: 10.1113/jphysiol.2011.225003. Epub 2012 Jan 30.
Atherton PJ, Smith K.
分かってはいたことですが、
運動と栄養の摂取によって筋肉の合成はより高まることがエビデンスベースで示されてきまして、
じゃあどういう時に筋肉の合成は高まるのか、抑制されるのか??
というのをまとめたレビューです。
これで2012年。
よく分からない面が多くあるのが人間の身体ということで。
2017年2月25日土曜日
運動中と運動後の筋肉合成と分解(レビュー)
Human muscle protein synthesis and breakdown during and after exercise
http://jap.physiology.org/content/106/6/2026
Journal of Applied Physiology Published 1 June 2009 Vol. 106 no. 6, 2026-2039 DOI: 10.1152/japplphysiol.91481.2008
運動後には筋肉の合成が高まるが、分解の方が上回ってしまう。
これを逆転させて合成を高めるにはアミノ酸、タンパク質の摂取である(111)。
運動前にタンパク質を摂取することで運動中の筋肉合成が高まる(7)。
人の持久的な運動中にタンパク質の合成が下がるという明確なデータはほとんどないが、
自転車運動の後に筋肉合成のシグナルが高まっていることが示されている(123)
運動後のタンパク質の摂取タイミングはいつがベストなのかは様々な意見があるが、
数時間が経つよりはなるべく早い方が良い(40,53,67)。
ホエイとカゼインとソイではホエイが最も良いとされる(53,124) 。
などなど。
Free
筋肉の分解と合成、食事やタイミングなど、多くの点についてまとめているレビューです。
2008年と少し古いですが、基本的な点を理解するには良いと思います。
なお、明日は2012年のレビュー「栄養と運動によるタンパク質合成」です。
http://jap.physiology.org/content/106/6/2026
Journal of Applied Physiology Published 1 June 2009 Vol. 106 no. 6, 2026-2039 DOI: 10.1152/japplphysiol.91481.2008
Vinod Kumar, Philip Atherton, Kenneth Smith, Michael J. Rennie
運動後には筋肉の合成が高まるが、分解の方が上回ってしまう。
これを逆転させて合成を高めるにはアミノ酸、タンパク質の摂取である(111)。
運動前にタンパク質を摂取することで運動中の筋肉合成が高まる(7)。
人の持久的な運動中にタンパク質の合成が下がるという明確なデータはほとんどないが、
自転車運動の後に筋肉合成のシグナルが高まっていることが示されている(123)
運動後のタンパク質の摂取タイミングはいつがベストなのかは様々な意見があるが、
数時間が経つよりはなるべく早い方が良い(40,53,67)。
ホエイとカゼインとソイではホエイが最も良いとされる(53,124) 。
などなど。
Free
筋肉の分解と合成、食事やタイミングなど、多くの点についてまとめているレビューです。
2008年と少し古いですが、基本的な点を理解するには良いと思います。
なお、明日は2012年のレビュー「栄養と運動によるタンパク質合成」です。
2017年2月24日金曜日
インスリンによる筋肉分解の抑制は高齢者のサルコペニアの予防に貢献するかもしれない
Blunting of insulin inhibition of proteolysis in legs of older subjects may contribute to age-related sarcopenia
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19740975
Am J Clin Nutr. 2009 Nov;90(5):1343-50. doi: 10.3945/ajcn.2009.27543. Epub 2009 Sep 9.
Wilkes EA, Selby AL, Atherton PJ, Patel R, Rankin D, Smith K, Rennie MJ.
高齢者は筋肉の合成よりも分解の方が上回る結果、サルコペニアが引き起こされる。
インスリンは筋肉の分解に効果があると言われているが、
その機序は明確でなく効果が無いというデータも示されている。
低いインスリンの分泌はどの程度筋肉の分解を抑制するか調べてみた。
男性4人、女性4人の若者と高齢者のグループで実験(BMIは若者24:高齢者26)。
結果、高齢者はインスリンが食事程度で高まるインスリンの分泌では筋肉の分解が抑制されにくい。
高齢者のインスリンを調べたデータと異なる点が出たのは、今回の実験の参加者のBMIが高いからと推測される。
高齢者になるとアミノ酸にもインスリンにも反応が悪くなる。
(Free)
肥満などによってインスリンの応答が悪くなることが将来的なサルコペニアを引き起こす原因になるかもしれない、ということですね。
まぁ運動して筋肉に刺激を入れ、食事もタンパク質量を多くしてアミノ酸濃度を高めてインスリンが分泌されるようにすることで、
健康寿命も長くなるということが考えられそうです。
食べても反応しないから若者よりも高齢者の方がサルコペニアの予防のためにも、
より多くの食事をしっかりと、となりますかね。
運動をして刺激を入れていれば防げると思いますので、
食事と運動を若い頃から実践して健康な老後を目指しましょう、と。
2009年時点ではインスリンによる予防が効果的と言われていたという点も。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19740975
Am J Clin Nutr. 2009 Nov;90(5):1343-50. doi: 10.3945/ajcn.2009.27543. Epub 2009 Sep 9.
Wilkes EA, Selby AL, Atherton PJ, Patel R, Rankin D, Smith K, Rennie MJ.
高齢者は筋肉の合成よりも分解の方が上回る結果、サルコペニアが引き起こされる。
インスリンは筋肉の分解に効果があると言われているが、
その機序は明確でなく効果が無いというデータも示されている。
低いインスリンの分泌はどの程度筋肉の分解を抑制するか調べてみた。
男性4人、女性4人の若者と高齢者のグループで実験(BMIは若者24:高齢者26)。
結果、高齢者はインスリンが食事程度で高まるインスリンの分泌では筋肉の分解が抑制されにくい。
高齢者のインスリンを調べたデータと異なる点が出たのは、今回の実験の参加者のBMIが高いからと推測される。
高齢者になるとアミノ酸にもインスリンにも反応が悪くなる。
(Free)
肥満などによってインスリンの応答が悪くなることが将来的なサルコペニアを引き起こす原因になるかもしれない、ということですね。
まぁ運動して筋肉に刺激を入れ、食事もタンパク質量を多くしてアミノ酸濃度を高めてインスリンが分泌されるようにすることで、
健康寿命も長くなるということが考えられそうです。
食べても反応しないから若者よりも高齢者の方がサルコペニアの予防のためにも、
より多くの食事をしっかりと、となりますかね。
運動をして刺激を入れていれば防げると思いますので、
食事と運動を若い頃から実践して健康な老後を目指しましょう、と。
2009年時点ではインスリンによる予防が効果的と言われていたという点も。
2017年2月23日木曜日
筋肉合成とmTORのシグナルは時間経過により不一致が生じる
Muscle full effect after oral protein: time-dependent concordance and discordance between human muscle protein synthesis and mTORC1 signaling
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20844073
Am J Clin Nutr. 2010 Nov;92(5):1080-8. doi: 10.3945/ajcn.2010.29819. Epub 2010 Sep 15
Atherton PJ, Etheridge T, Watt PW, Wilkinson D, Selby A, Rankin D, Smith K, Rennie MJ.
イントロ部分は(1~8)の論文を示してタンパク質やアミノ酸による筋肉合成の歴史に触れつつ、
アミノ酸はmRNAの転写を刺激するが多くの研究はmTOR1についてなされているという前振り。
そしてホエイタンパク質を48g、EAAにして20gの摂取によってどのような変化が時間の経過とともに生じるかを調査。
健康な若い男性8名での実験。
結果としては、タンパク質の摂取によるMPS(筋合成)は45~90分でピークを迎え、
以降は180分でベースラインに戻る。
しかし、筋合成のシグナル(”ie, S6K1, 4EBP1 phosphorylation, and eIF4E•eIF4G”) は
上昇したままであった。
これに関してはアミノ酸が血中や筋中にあっても利用できないシグナルが出ている可能性がある。
小胞体ストレスなど何かしらの要因があるかもしれないが、さらなる実験が必要。
(Free)
筋肉の合成はアミノ酸の摂取によって刺激されるということが言われていますが、
その理由というのがイマイチ分かっていないということですね。
2010年の論文ですが現状もそんなに大差はないかと思います。
人間の身体は複雑に制御されているから、
ということですかね。
血中や筋中のアミノ酸濃度を高くすることが筋肉の合成には大事であり、
ある程度の状態に戻るとシグナルはあっても筋肉の合成はなされない。
この点を見ると、 一度に多くのタンパク質を摂取して刺激をし、
再び180分後に摂取して刺激をし、
というのは効率が最も良いという事実が再度認識されるかと思います。
食事での筋肉合成の刺激と運動での刺激はどちらがより強いのか、
といった視点も必要になるかと思います。
まぁアミノ酸の濃度が高くならないと食事からの刺激が不足する、
という点を理解しておけば良いかと思います。
参考までに2009年のを。日本語です。
http://www.nncj.nestle.co.jp/ja/scientificpublications/repositoryofnutritionreviews/nutritionandphysicalexercise
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20844073
Am J Clin Nutr. 2010 Nov;92(5):1080-8. doi: 10.3945/ajcn.2010.29819. Epub 2010 Sep 15
Atherton PJ, Etheridge T, Watt PW, Wilkinson D, Selby A, Rankin D, Smith K, Rennie MJ.
イントロ部分は(1~8)の論文を示してタンパク質やアミノ酸による筋肉合成の歴史に触れつつ、
アミノ酸はmRNAの転写を刺激するが多くの研究はmTOR1についてなされているという前振り。
そしてホエイタンパク質を48g、EAAにして20gの摂取によってどのような変化が時間の経過とともに生じるかを調査。
健康な若い男性8名での実験。
結果としては、タンパク質の摂取によるMPS(筋合成)は45~90分でピークを迎え、
以降は180分でベースラインに戻る。
しかし、筋合成のシグナル(”ie, S6K1, 4EBP1 phosphorylation, and eIF4E•eIF4G”) は
上昇したままであった。
これに関してはアミノ酸が血中や筋中にあっても利用できないシグナルが出ている可能性がある。
小胞体ストレスなど何かしらの要因があるかもしれないが、さらなる実験が必要。
(Free)
筋肉の合成はアミノ酸の摂取によって刺激されるということが言われていますが、
その理由というのがイマイチ分かっていないということですね。
2010年の論文ですが現状もそんなに大差はないかと思います。
人間の身体は複雑に制御されているから、
ということですかね。
血中や筋中のアミノ酸濃度を高くすることが筋肉の合成には大事であり、
ある程度の状態に戻るとシグナルはあっても筋肉の合成はなされない。
この点を見ると、 一度に多くのタンパク質を摂取して刺激をし、
再び180分後に摂取して刺激をし、
というのは効率が最も良いという事実が再度認識されるかと思います。
食事での筋肉合成の刺激と運動での刺激はどちらがより強いのか、
といった視点も必要になるかと思います。
まぁアミノ酸の濃度が高くならないと食事からの刺激が不足する、
という点を理解しておけば良いかと思います。
参考までに2009年のを。日本語です。
http://www.nncj.nestle.co.jp/ja/scientificpublications/repositoryofnutritionreviews/nutritionandphysicalexercise
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