2017年1月30日月曜日

骨格筋での酸素消費能力は日内変動がある

Demonstration of a day-night rhythm in human skeletal muscle oxidative capacity
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2212877816300758

Molecular Metabolism Volume 5, Issue 8, August 2016, Pages 635–645

Dirk van Moorsel et.al

夜の11時にエネルギー消費は高まるが、

糖質の利用が促進して脂質は低いというのは面白い。

BMAL1の変動に伴っているという感じでしょうか。

寝ている時は脂質の方が増え糖質の利用は減る。

睡眠不足が体重増加に影響を与えるなどといった原因が見えてくるデータですね。

2017年1月29日日曜日

硝酸塩の摂取に関するレビュー

The Effect of Dietary Nitrate Supplementation on Endurance Exercise Performance in Healthy Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis.
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs40279-016-0617-7

Sports Med. 2016 Sep 6

McMahon NF, Leveritt MD, Pavey TG
硝酸塩の摂取は持久的なパフォーマンスに好影響と近年言われているけど、

どうなのか調べてみたレビューということです。

運動の継続時間が長くなったから持久的なパフォーマンスに効果ありと言えるが、

タイムトライアルのような形での持久的なパフォーマンスには微妙、

といった感じですね。



運動の継続時間が長くなったことと、

持久的な種目でのパフォーマンスが改善されることは別、

という理解が無いとサプリメントの摂取などで勘違いをしてしまいます。

動けなくなるまで動き続ける、

という種目においては効果的かもしれない、

そう言える実験結果は多くありますが、

それらも持久的な能力が上がったと表現されています。

似たようで違った話になりますので、

お間違いなく。

2017年1月28日土曜日

ポリフェノールを豊富に含むアイスクリームは酸化的ストレスを減少させる

Natural antioxidant ice cream acutely reduces oxidative stress and improves vascular function and physical performance in healthy individuals

https://www.readbyqxmd.com/read/27658659/natural-antioxidant-ice-cream-acutely-reduces-oxidative-stress-and-improves-vascular-function-and-physical-performance-in-healthy-individuals

Nutrition 2017, 33: 225-233
Valerio Sanguigni, Melania Manco, Roberto Sorge, Lucio Gnessi, Davide Francomano
ダークココアパウダーとヘーゼルナッツと緑茶抽出物を含んだアイスクリーム100gを摂取。

二時間後に測定すると抗酸化能力が高まっていた。



まぁアイスクリームであっても成分がしっかりとしていれば、

身体に良い食材とすることは可能、

という具合でしょう。

アイスクリームだから食べてはいけない、

ということではありません。

なお、比較対象のコントロールとしてはミルクチョコレートアイスクリームを使用しています。

こちらは特に抗酸化の効果は無いみたいです。

2017年1月27日金曜日

1991年に出された生理学的な限界から見たマラソンのタイムの予測

Modeling: optimal marathon performance on the basis of physiological factors.


https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/2022559/

J Appl Physiol (1985). 1991

Joyner MJ

世界記録は当時2時間6分50秒という記録。

その時に予測として出されたのが1時間57分58秒。



当時に比べて最大酸素摂取量への考えなども変わってきていますが、

この予測に近づきつつはあります。

2時間を切るのはいつになるのか。

リボソーム発現と筋肉合成の減少が高齢者の筋量を抑制する原因としてある

Synchronous deficits in cumulative muscle protein synthesis and ribosomal biogenesis underlie age-related anabolic resistance to exercise in humans

The Journal of Physiology 
Volume 594, Issue 24 15 December 2016 Pages 7399–7417

Matthew S. Brook, Daniel J. Wilkinson, William K. Mitchell, Jonathan N. Lund, Bethan E. Phillips, 
Nathaniel J. Szewczyk, Paul L. Greenhaff, Kenneth Smith, Philip J. Atherton
高齢者になると筋肉が減少することは知られているが、そこにある原因は様々である。

また、実験としては単発で行われているものが多く、

長期間で見たものが少ないので6週間の実験を行い3週間ごとの変化を測定した。

テストステロンとIGF-1が若者に比べて明らかに数値が低い。

ミオスタチンはトレーニングによる変化は無かった。

トレーニングをしても遺伝子発現が弱いといったことが、

筋肥大を若者に比べて起こさない理由としてあるが、

その他にも様々な要因があると考えられる。

(free)



タンパク質を多く摂取して運動を適切に行えば、

高齢者でも筋肥大は起こる(若者に比べると起こりにくい)ので、

しっかりとした運動と食事をすれば丈夫な体を維持できます、

という具合ですね。

遺伝子発現、ホルモン分泌の減少といったことはあるし、

食事でのタンパク質の摂取量が減るというのもあるし、

歳を取ったから仕方がないと言わずに、

適切にやることをやれば高齢者でも鍛えられますよ、

という感じでしょうか。

この辺のホルモンの変化などを見ていくと、

若者はどういったものを意識して見ていけば良いかが分かってくるかと思います。