2015年11月28日土曜日

低糖質(30~50%)の食事によるタンパク質利用の変化

幼若および成熟ラットの糖質エネルギー比率と窒素出納


本文は日本語ですので読んで頂ければ。

【結論】糖質エネルギー比率50%以下の低糖質・高脂肪食摂取は糖質およびたんぱく質代謝に影響を及ぼし,尿中窒素排泄量を減少させた。これは摂取たんぱく質から代謝されたアミノ酸由来の糖新生が亢進したためであると推察された。

この結論から示されるように、50%以下でも低糖質食と呼ばれるみたいですが、

では人間で実際にタンパク質からのアミノ酸由来の糖新生が亢進しているかは疑問も出ます。

他のも見て総合的に判断ですね。

2015年11月3日火曜日

高齢女性の血流制限状態での歩行実験

Blood flow-restricted walking in older women: does the acute hormonal response associate with muscle hypertrophy?
Clin Physiol Funct Imaging. 2015 Oct 30

Ozaki H, Loenneke JP, Abe T.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26517965


血流を制限した状態、日本国内においては加圧トレーニングとしても知られている状態で、

高齢の女性に20分間歩いてもらう実験をし、

筋肥大とノルアドレナリンやインスリン、成長ホルモンの分泌の状況を確認しております。

加圧した状態での歩行によってホルモン分泌の増加が観察されるも、

その量と筋肥大とで有意な相関関係が見られないので、

加圧した状態での歩行によるこれらの分泌の向上は、

筋肥大に大きな影響を与えていないのでは、

と推測しております。

この辺りは反証が直ぐに行われそうですが、

ホルモンの分泌を増やしただけでは筋肥大につながらない、

ということが一つ考えられるでしょう。

なお、この文中で使ったホルモンという言葉が成長ホルモンを指すわけでは無い、

ということが分からずに勝手に成長ホルモンと脳内で置き換えてしまった人は、

そもそもにホルモンとは何ぞや?

ということを調べてみると良いかと思います。

2015年11月2日月曜日

トレーニング後に炭水化物の摂取をせずに寝ることの影響

Effects of sleeping with reduced carbohydrate availability on acute training responses

J Appl Physiol 2015 Sep 15;119(6):643-55

Lane SC, Camera DM, Lassiter DG, Areta JL, Bird SR, Yeo WK, Jeacocke NA, Krook A,
Zierath JR, Burke LM, Hawley JA



体内においては常に様々な変化が起こっていますが、

トレーニング中やトレーニング後は普段と違った変化が起こります。

そうした変化において幾つかのポイントを焦点として見た実験です。

運動前に炭水化物を摂取して高負荷なトレーニング(high-intensity training)をやり、

何も食べずに寝た場合と、

前者が摂取した半分の炭水化物を摂取して高負荷なトレーニングをやり、

残り半分をトレーニング後に摂取した場合の二つの群を比較。

朝起きてから120分の自転車テストをやって測定をした結果、

筋グリコーゲンは当然摂取した群が高いとして、

PGC1α mRNA や PDK4 mRNAなども上昇していましたが、

PPARδのプロモーターのメチル化は摂取しなかった群でのみ向上。

作用の特性を考えると、

たまにはこうしたことをやるのも有では?

というところでしょうか。

2015年11月1日日曜日

運動前の糖質摂取の”神話”を考える

The myths surrounding pre-exercise carbohydrate feeding

Ann Nutr Metab. 2010;57 Suppl 2:18-25.

Jeukendrup AE, Killer SC. 


運動前に何を摂取するべきかというのは本などによって違うのは~だから、

という歴史を説明せしてくれつつ、

糖質を摂取して運動をすることが良い場合なども考えさせてくれます。

トレーニングの目的に応じて変化するべきであるし、

人それぞれ違うという当たり前の話でもあります。

2015年10月31日土曜日

エネルギー欠乏状態はオートファジーにどう作用するか

Modulation of Autophagy Signaling with Resistance Exercise and Protein Ingestion Following Short-Term Energy Deficit

Smiles WJ, Areta JL, Coffey VG, Phillips SM, Moore DR, Stellingwerff T, Burke LM, Hawley JA, Camera DM

Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 2015 Sep;309(5):R603-12


エネルギーを欠乏させてレジスタンストレーニングを実施してタンパク質を摂取させる、

それによってオートファジーはプラセボとどのような違いがあるのか、

というのを実験。

特に差はないが、初期増殖応答タンパク質1(EGR1)が増えているので、

運動前のことを気にするよりも運動後のタンパク質の摂取が大事、と言えますかね。