2015年11月2日月曜日

トレーニング後に炭水化物の摂取をせずに寝ることの影響

Effects of sleeping with reduced carbohydrate availability on acute training responses

J Appl Physiol 2015 Sep 15;119(6):643-55

Lane SC, Camera DM, Lassiter DG, Areta JL, Bird SR, Yeo WK, Jeacocke NA, Krook A,
Zierath JR, Burke LM, Hawley JA



体内においては常に様々な変化が起こっていますが、

トレーニング中やトレーニング後は普段と違った変化が起こります。

そうした変化において幾つかのポイントを焦点として見た実験です。

運動前に炭水化物を摂取して高負荷なトレーニング(high-intensity training)をやり、

何も食べずに寝た場合と、

前者が摂取した半分の炭水化物を摂取して高負荷なトレーニングをやり、

残り半分をトレーニング後に摂取した場合の二つの群を比較。

朝起きてから120分の自転車テストをやって測定をした結果、

筋グリコーゲンは当然摂取した群が高いとして、

PGC1α mRNA や PDK4 mRNAなども上昇していましたが、

PPARδのプロモーターのメチル化は摂取しなかった群でのみ向上。

作用の特性を考えると、

たまにはこうしたことをやるのも有では?

というところでしょうか。

2015年11月1日日曜日

運動前の糖質摂取の”神話”を考える

The myths surrounding pre-exercise carbohydrate feeding

Ann Nutr Metab. 2010;57 Suppl 2:18-25.

Jeukendrup AE, Killer SC. 


運動前に何を摂取するべきかというのは本などによって違うのは~だから、

という歴史を説明せしてくれつつ、

糖質を摂取して運動をすることが良い場合なども考えさせてくれます。

トレーニングの目的に応じて変化するべきであるし、

人それぞれ違うという当たり前の話でもあります。

2015年10月31日土曜日

エネルギー欠乏状態はオートファジーにどう作用するか

Modulation of Autophagy Signaling with Resistance Exercise and Protein Ingestion Following Short-Term Energy Deficit

Smiles WJ, Areta JL, Coffey VG, Phillips SM, Moore DR, Stellingwerff T, Burke LM, Hawley JA, Camera DM

Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 2015 Sep;309(5):R603-12


エネルギーを欠乏させてレジスタンストレーニングを実施してタンパク質を摂取させる、

それによってオートファジーはプラセボとどのような違いがあるのか、

というのを実験。

特に差はないが、初期増殖応答タンパク質1(EGR1)が増えているので、

運動前のことを気にするよりも運動後のタンパク質の摂取が大事、と言えますかね。

2015年10月30日金曜日

加圧トレーニングにおける圧の違いは筋肥大や筋活動に影響を与えるのか

The influence of relative blood flow restriction pressure 

on muscle activation and muscle adaptation


Brittany R. Counts BS, Scott J. Dankel BS, Brian E. Barnett BS, Daeyeol Kim MS,
J. Grant Mouser BS, Kirsten M. Allen BS,Robert S. Thiebaud PhD, Takashi Abe

Muscle Nerve. 2015 Jul 2. doi: 10.1002/mus.24756.

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/mus.24756/abstract

10年前にこの辺りの基礎研究をやっておりましたので、大体が予想通りの結果です。

そこまで強く血流を制限しないでも狙いとする効果は出るとなっておりますが、

この辺りからは適度な血流制限というのはスロトレのようなものでも出ると考えられるわけで。

そうなると加圧トレーニングの論文は上手く応用して使うことが出来るでしょうね。

なお、低い負荷でも筋肥大しますが、筋力の向上が起こらない、

神経系の適用が不足するので出力向上系のトレーニングの併用、

これが大事になります。

2015年10月14日水曜日

冷水に浸かることは効果的なのか

これまた定期的な気がしますが、

アイシングと呼ばれるものについてです。


COLD WATER IMMERSION




記事を載せているaspetarはカタールのドーハに拠点を置く研究やトレーニングを行う機関で、

近年の活躍は目覚ましいものがあります。

そんな施設があれば、そりゃあかなわない、と思って頂ければ。

日本なんかでは比較にならないレベルで、

世界のトップアスリートなんかも訪れてはトレーニングや研究協力をしています。

そんなaspetarを知っていただければ、

というための記事です。

定期的に記事を書いてくれているので、

それを定期的に読んであれこれと考えればよいかと思います。

なお、

この記事においてはアイシングと呼ばれるものの効果効能を再検討しています。

実際問題、

ここのところ非常に二分しているのがアイシングと呼ばれるものです。

効果があるという意見もあれば逆の意見もある。

マイナスの効果が見られるといったものも。

細かく学びたい人は最後に載ってる論文を読んで頂ければ。

取りあえず、日本人のアイシング万能論はちょっとおかしなレベルの信仰ですよ、

という点に気づいていただければ。

アイシングと呼ばれているもの、

という表記にしているのは日本人のアイシングの定義が曖昧すぎるからです。

水を脚に10分かけるのをアイシングと呼ぶ人もいますが、

あれは正確には水浴びです。

汗を流して汚れを落として気持ちよくなる以外の効果はほとんどありません。

筋肉はそうそう簡単に冷えないようになっていますので、

アイシングというのがどこまで厳しく定義されているのかも考えなおして頂ければ、

と。

まぁ肉離れなどの急性期以外はあまり必要なさそうというのが実感ですね。

ここのところはそうした流れに進んでいる感じもしますので。