2017年4月1日土曜日

GI値、GL値の測定における問題と食事が起こす影響(レビュー)

Glycemic index and glycemic load: measurement issues and their effect on diet-disease relationships

http://www.nature.com/ejcn/journal/v61/n1s/full/1602942a.html

Eur J Clin Nutr. 2007 Dec;61 Suppl 1:S122-31.

Venn BJ, Green TJ.

GI値という考えはJenkinsらの1981年の論文によって発表された。

摂取してすぐに血中のグルコースを上昇させるかという指標である。

GI値は糖尿病患者の食事を考えるために用いられており、

低いGI値の食品を摂取することは高いものより良いとされている。

GI値の考えに量との組み合わせも加えてGL値というものも考え出された。

現在に至るまでに多くの研究がなされており、

肥満や糖尿病の予防などに低GI値の食品は効果的だとされるが、

疑問も多く指摘されてきた。

GIの測定方法は1998年にFAOとWHOによって示された。

55未満が低、55~69が中、70以上が高とされている。

スイカはGI値が低いものとされていないが、食品中に含まれる炭水化物の量は少ない。

GIが高いものでも摂取量が少なければGLを低くすることが出来る。

食後の血糖値の変化に影響を与える要因は様々ある。

2005年にBrounsらは糖尿病患者などの数値ではなく、

通常の糖耐性の人々での実験を用いることを主張した。

Readらの1986年の研究やSuzukiらの2005年の研究では、

どれだけ噛むかということでも数値が変化する可能性を主張した。

またテスト食品として飲料が多く用いられるが、

実際には調理された食品を摂取するのであり、

その際には保管温度、調理方法や時間、温度などによっても結果は異なると考えられる。


1998年のFAOの実験では被験者数が6人必要とされたが、

この根拠は示されていない。

Brounsは2005年の研究で10人の被験者が必要としたが、

実際にはもっと多くの人数で実験が行われるべきであろう。

同じ2005年の行われたHenryらの実験では8種類のジャガイモを用いて試したが、

GI値は56~94の幅に収まった。

より正確な値を推測するためには多くの被験者に対して複数回の実験をするのが必要であるが、

これには多くの費用がかかることから行われていない。

Sugiyamaらの2003年の研究では、米と牛乳が一緒に摂取されると、

米を単独で食べる時よりもGI値が有意に下がることを示した。

Henryらの2006年の研究では、

ジャガイモにチーズを加えると、GI値が93から39へと劇的に減少することを示した。

これらの結果から、炭水化物に脂質やタンパク質を加えるなど、

食事の組み合わせによってGI値は大きく変動すると考えられる。

Mettlerらの2007年の研究ではトレーニングの状態によってGI値が異なることを示した。

GI値の高低がインスリンの分泌に影響を与えることは示されていないが、

McAuley と Mannの2006年の研究では食物繊維がインスリン感受性に好影響を与えることを示している。

GIやGLは不明な点がとても多く、研究データが出ている場合にのみ適応が出来そうである。


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10年前のレビューですが、

この時点でGI値というのは何の役に立つのか分からない、

と言える状態です。

研究にも穴が多く、

古いデータに矛盾があるものを強引に使っている感じが否めません。

こうした10年前のレベルからアップデートした知識がどれだけ採用されているのか。

多分、

巷で使われている教科書などはこの10年前のレベルで止まっているはずですので、

何の役にも立たないGI値を使ってアレコレと語っているでしょう。

この10年間にどんな変化があったのか、

ここで示された役に立てるためにはもっと多くの研究が必要という点が埋められたのか。

はてさて。

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