運動後に行うアイシングの長期的な適用の影響について
大西 範和 , 山根 基 , 小阪 光男
デサントスポ-ツ科学 26, 51-59, 2005-06-00
http://www.descente.co.jp/ishimoto/26/pdf26/06.pdf
decentという会社が科学振興のためにもお金を使ってくれているという事実を知って頂きつつ、
こちらの財団の研究はなかなかに面白いものが多いと個人的には思っています。
直接これだけを読んで判断するのではなく、
あれこれと推測をするためのベースになると思います。
本論文においては運動後のアイシング(活動筋冷却)がどのような効果を与えるか、
そうした点に注目しています。
これに関してはそこそこ長いこと研究されているわけですが、
”疲れ”にアイシングが効果的という感覚はあるけれども、
”トレーニング効果”についてはどうなのか?
”受傷後のケア”としては効果が認められるが、
”普段のトレーニング”に対するものは研究されていない、
といった意外と考えていない点についての示唆があります。
トレーニングによって生じる体温上昇はトレーニング効果の一つかもしれないわけでして、
また体内には様々な代謝物質が作られているわけです
それを抑制するような冷却は良いのか?
なお、本論文ではトレーニング効果を減少させる可能性がある事を示唆しましたが、
これ以降、現在に至るまでに研究はされていまして、
効果が無くなるのでやめるべき、そう言っているものもあります。
トレーニング後のアイシングに関してもう一度見直すべきですね。
※なお、この実験でのアイシングはかなりしっかりと冷却しており、
多くの人がアイシングと言って実施しているものとは異なります。
夏場に水道水を少しかけた程度では筋肉は冷えないわけです。
ただ、そうなると一般的に行われているアイシングは、
筋肉を冷却するレベルには無いので、
ケアにもなっていないしトレーニング効果を減らす所にも至っていない可能性はあります。
そうした点から、普段のケアについても考えてみると良いかもしれません。
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