Detox diets for toxin elimination and weight management: A critical review of the evidence
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25522674
J Hum Nutr Diet. 2015 Dec;28(6):675-86. doi: 10.1111/jhn.12286. Epub 2014 Dec 18.
Klein AV, Kiat H
デトックスという用語は広まっており多くの人に認知されているが、
そもそもに毒素という言葉の定義が曖昧であり、
科学的なデータはほとんど無い。
臨床的に検査が行われた唯一のものはPCBsに暴露した消防士のデータであり、
対照群は置かれていない。
これと同様の手順で実験をしたサイエントロジーは血圧やコレステロールなどに有意な改善を見出した。
デトックスという言葉、すなわち”毒素”とは何かを考えてみる。
毒素と言うと工場などから排出される有害な物質などが思い浮かべられるだろうが、
そうした人体に明確な悪影響がある物質は厳しく規制されている。
もちろん、日常的に摂取している食品などに有毒な物質が含まれている事実はある。
ヒ素に代表されるような金属などを微量に摂取している。
これらは体内において排除するシステムがある。
もちろん、体内から容易には排除されない物質もあり、
脂肪組織はこれらを溜め込みやすい(鉛は20~30年が半減期)。
近年は食品にこれらの金属を取り除く機能があると考えられ、
ラットや魚でいくつかの研究が行われている。
人体においての研究が行われていないものでは、
これらが人間において効果があるかは不明である。
また、人体において行われている実験の中でも問題となるものが、
食品の摂取による蓄積された物質の移動が生じることである。
量が減ったとされても、
それが脳などに移動しているだけの例が確認されている。
興味深いデータとしてはスナック菓子の製造などにおいて使われるolestraが、
人体からPCBの排除を行うといったものがある。
体重減少に対するデトックスの効果を科学的に検証したものは無い。
そこで食事などの研究から推測すると、
デトックスに効くとされる食事はタンパク質の不足によってストレスを引き起こし、
コルチゾールが高められることで食欲が刺激される。
短期的には我慢によって体重減少が期待できるかもしれないが、
長期的には疑問が残る。
結論;デトックスに効果は無い
長々と多くの論文を引用しながらレビューをしていますが、
abstractで結論を出していました。
デトックスに効果があると企業は言っているけれども”毒素”の定義は曖昧であり、
科学的な説明は無い。
インターネットで言葉は普及しており様々な方法が宣伝されているが、
それらの中には健康を害するものも確認されており、
実際に被害も出ている、と。
明確にデータを出そうとしたのがサイエントロジーというのも、何ともまた...
体重を減らすためにやってる行為がストレスを与えて逆に食欲を高め、
太らせる可能性があるというオチもついていますし、
無理をするのは良くないということですね。
デトックス、効果なし
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2017年9月3日日曜日
2017年9月1日金曜日
継続して行うストレッチは筋腱の機械的な性質を変化させるか?
Can chronic stretching change the muscle-tendon mechanical properties? A review
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/sms.12957/abstract
Scand J Med Sci Sports. Accepted manuscript online:
Freitas, S. R., Mendes, B., Le Sant, G., Andrade, R. J., Nordez, A. and Milanovic, Z.
Scand J Med Sci Sports. Accepted Author Manuscript. doi:10.1111/sms.12957
レジスタンストレーニングは筋の肥大や筋束の長さ、羽状角の変化などを引き起こして、
筋腱複合体の性質を変化させることは知られている。
これらの変化はケガの発生などにも影響を与えることが知られているが、
ストレッチによる変化の研究はほとんどない。
継続してストレッチを実施することで関節可動域が広くなることは知られている。
これらの変化に関しては二つの考えが提案されており、
一つは筋腱が伸ばされることによる耐性がつくこと、
もう一つは筋の長さや弾性が弱まるといった機能的な変化である。
2~8週間の短期間で実施された研究結果を見ると、
その結果は異なっている。
そこにはストレッチのやり方や介入期間、強度といったことが影響している。
2016年8月までに出された論文からそうしたストレッチの研究を分析したレビュー。
26の論文が抽出され、平均して5.1週間の介入が行われている(3~8週間の範囲)。
1週間あたり1165秒が平均して行われた(270~3150秒の範囲)。
結果からして、
この短期間の介入では筋腱複合体の機能的な変化は起こらないと推測される。
レジスタンストレーニングなどを行った際にも初期は神経系の適応が起こることと同様である。
論文の多くで強度についての設定が不明確になっている。
この強度設定が高くてrestが短いなどの場合、変化は観測されるかもしれない。
また、最近の研究では筋膜と末梢神経が関節可動域の制限に影響を与えると指摘している。
Non-Muscular Structures Can Limit the Maximal Joint Range of Motion during Stretching.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28255938
さらに股関節と頭の位置は足首の関節可動域に影響を与えるというものや、
Effects of hip and head position on ankle range of motion, ankle passive torque, and passive gastrocnemius tension.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25676048
坐骨神経は足首や膝の位置によって影響を受ける
Non-invasive assessment of sciatic nerve stiffness during human ankle motion using ultrasound shear wave elastography.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26725218
生体において腓腹筋の深部筋膜と骨盤の動きの関連
In vivo relationship between pelvis motion and deep fascia displacement of the medial gastrocnemius: anatomical and functional implications.
などなど、筋膜や神経での多くの新しい研究が出てきており、
今後大きく見直されていくことが考えられる。
また、ストレッチにおける評価の定量化が難しいことから結果にバラつきがあるが、
市橋らの研究ではせん断波エラストグラフィを用いて4週間の静的ストレッチによってハムストリングスの柔軟性の改善を報告している
The effects of a 4-week static stretching programme on the individual muscles comprising the hamstrings.
http://jspt.japanpt.or.jp/eibun/2017/1703_1.html
(リンク先は理学療法士協会のもので日本語の解説がありますので)
ように、様々な手法が登場している。
今回のレビューにおいては6~8週間でのストレッチによって、
筋腱の構造的な変化は観察されず、
感覚の変化が主に起こっていると言える。
しかし、研究データが少ないことから、
末梢神経や中枢神経が影響をしている可能性があると思われるが、
どうしてこのような感覚の変化が起こっているのかも不明確なままである。
ストレッチによって身体が柔らかくなると言われていますが、
2か月ほど毎日のように実施した結果として起こる変化は、
筋肉や腱が伸びるようになったのではなく身体が痛みに耐えられるようになることだ、
と現状では言えるようですね。
タイトルの答えつぃては変化させない、となります。
ただ、筋膜や神経など様々な要素も影響をしていると考えられるので、
今後の研究に期待、と。
むしろストレッチの根本的な所に関する研究って少ないんだなという印象すら受けました。
そんなわけで、
トレーニングしても筋肉が簡単に肥大しないのにストレッチで筋肉や腱の構造がそんな簡単に変わってたまるか、
というメッセージを受け取りました。
ただ、途中に挙げた例のように、ハムストリングスの弾性変化はケガの予防になりますので、
ストレッチはタイミングを考えて適度に実施するのは大事かと思います。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/sms.12957/abstract
Scand J Med Sci Sports. Accepted manuscript online:
Freitas, S. R., Mendes, B., Le Sant, G., Andrade, R. J., Nordez, A. and Milanovic, Z.
Scand J Med Sci Sports. Accepted Author Manuscript. doi:10.1111/sms.12957
レジスタンストレーニングは筋の肥大や筋束の長さ、羽状角の変化などを引き起こして、
筋腱複合体の性質を変化させることは知られている。
これらの変化はケガの発生などにも影響を与えることが知られているが、
ストレッチによる変化の研究はほとんどない。
継続してストレッチを実施することで関節可動域が広くなることは知られている。
これらの変化に関しては二つの考えが提案されており、
一つは筋腱が伸ばされることによる耐性がつくこと、
もう一つは筋の長さや弾性が弱まるといった機能的な変化である。
2~8週間の短期間で実施された研究結果を見ると、
その結果は異なっている。
そこにはストレッチのやり方や介入期間、強度といったことが影響している。
2016年8月までに出された論文からそうしたストレッチの研究を分析したレビュー。
26の論文が抽出され、平均して5.1週間の介入が行われている(3~8週間の範囲)。
1週間あたり1165秒が平均して行われた(270~3150秒の範囲)。
結果からして、
この短期間の介入では筋腱複合体の機能的な変化は起こらないと推測される。
レジスタンストレーニングなどを行った際にも初期は神経系の適応が起こることと同様である。
論文の多くで強度についての設定が不明確になっている。
この強度設定が高くてrestが短いなどの場合、変化は観測されるかもしれない。
また、最近の研究では筋膜と末梢神経が関節可動域の制限に影響を与えると指摘している。
Non-Muscular Structures Can Limit the Maximal Joint Range of Motion during Stretching.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28255938
さらに股関節と頭の位置は足首の関節可動域に影響を与えるというものや、
Effects of hip and head position on ankle range of motion, ankle passive torque, and passive gastrocnemius tension.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25676048
坐骨神経は足首や膝の位置によって影響を受ける
Non-invasive assessment of sciatic nerve stiffness during human ankle motion using ultrasound shear wave elastography.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26725218
生体において腓腹筋の深部筋膜と骨盤の動きの関連
In vivo relationship between pelvis motion and deep fascia displacement of the medial gastrocnemius: anatomical and functional implications.
などなど、筋膜や神経での多くの新しい研究が出てきており、
今後大きく見直されていくことが考えられる。
また、ストレッチにおける評価の定量化が難しいことから結果にバラつきがあるが、
市橋らの研究ではせん断波エラストグラフィを用いて4週間の静的ストレッチによってハムストリングスの柔軟性の改善を報告している
The effects of a 4-week static stretching programme on the individual muscles comprising the hamstrings.
http://jspt.japanpt.or.jp/eibun/2017/1703_1.html
(リンク先は理学療法士協会のもので日本語の解説がありますので)
ように、様々な手法が登場している。
今回のレビューにおいては6~8週間でのストレッチによって、
筋腱の構造的な変化は観察されず、
感覚の変化が主に起こっていると言える。
しかし、研究データが少ないことから、
末梢神経や中枢神経が影響をしている可能性があると思われるが、
どうしてこのような感覚の変化が起こっているのかも不明確なままである。
ストレッチによって身体が柔らかくなると言われていますが、
2か月ほど毎日のように実施した結果として起こる変化は、
筋肉や腱が伸びるようになったのではなく身体が痛みに耐えられるようになることだ、
と現状では言えるようですね。
タイトルの答えつぃては変化させない、となります。
ただ、筋膜や神経など様々な要素も影響をしていると考えられるので、
今後の研究に期待、と。
むしろストレッチの根本的な所に関する研究って少ないんだなという印象すら受けました。
そんなわけで、
トレーニングしても筋肉が簡単に肥大しないのにストレッチで筋肉や腱の構造がそんな簡単に変わってたまるか、
というメッセージを受け取りました。
ただ、途中に挙げた例のように、ハムストリングスの弾性変化はケガの予防になりますので、
ストレッチはタイミングを考えて適度に実施するのは大事かと思います。
2017年8月25日金曜日
水分補給の歴史から学ぶ
紀要ではありますが、水分補給の歴史的な背景から書かれていましたので。
「運動時の水分補給に関する変遷ならびに日本における運動習慣のある若年成人の現状と課題」
https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=22506&file_id=17&file_no=1
時代の変化をご理解頂きたいと思いましてスライド化しました。
文字が多くて読みたくないとなるかもしれませんので7枚ほどにまとめました。
十分多いですかね…
夏の話という感じになりますが、
トレーニング中だけでなくトレーニング前にも水分補給が出来ているかの確認が必要である、
という点を理解をして頂ければ。
論文中に出てくるガイドブックなどのサイトは以下に示す通りです。
スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック
http://www.japan-sports.or.jp/publish/tabid/661/pdid/48/Default.aspx
熱中症環境保健マニュアル
http://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.php
Selecting and Effectively Using Hydration for Fitness
https://www.acsm.org/docs/brochures/selecting-and-effectively-using-hydration-for-fitness.pdf
スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック
http://www.japan-sports.or.jp/publish/tabid/661/pdid/48/Default.aspx
part4の21ぺージより
5~15℃に冷やした、飲みやすい組成、胃にたまりにくい組成および量
などがすすめられます。
冷たいものを摂取しましょう。
「運動時の水分補給に関する変遷ならびに日本における運動習慣のある若年成人の現状と課題」
https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=22506&file_id=17&file_no=1
時代の変化をご理解頂きたいと思いましてスライド化しました。
文字が多くて読みたくないとなるかもしれませんので7枚ほどにまとめました。
十分多いですかね…
夏の話という感じになりますが、
トレーニング中だけでなくトレーニング前にも水分補給が出来ているかの確認が必要である、
という点を理解をして頂ければ。
論文中に出てくるガイドブックなどのサイトは以下に示す通りです。
スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック
http://www.japan-sports.or.jp/publish/tabid/661/pdid/48/Default.aspx
熱中症環境保健マニュアル
http://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.php
Selecting and Effectively Using Hydration for Fitness
https://www.acsm.org/docs/brochures/selecting-and-effectively-using-hydration-for-fitness.pdf
スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック
http://www.japan-sports.or.jp/publish/tabid/661/pdid/48/Default.aspx
part4の21ぺージより
5~15℃に冷やした、飲みやすい組成、胃にたまりにくい組成および量
などがすすめられます。
冷たいものを摂取しましょう。
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