2017年9月3日日曜日

毒素の排出と体重コントロールに”デトックス”は効くのか?

Detox diets for toxin elimination and weight management: A critical review of the evidence


https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25522674




J Hum Nutr Diet. 2015 Dec;28(6):675-86. doi: 10.1111/jhn.12286. Epub 2014 Dec 18.

Klein AV, Kiat H


デトックスという用語は広まっており多くの人に認知されているが、



そもそもに毒素という言葉の定義が曖昧であり、

科学的なデータはほとんど無い。

臨床的に検査が行われた唯一のものはPCBsに暴露した消防士のデータであり、

対照群は置かれていない。

これと同様の手順で実験をしたサイエントロジーは血圧やコレステロールなどに有意な改善を見出した。

デトックスという言葉、すなわち”毒素”とは何かを考えてみる。

毒素と言うと工場などから排出される有害な物質などが思い浮かべられるだろうが、

そうした人体に明確な悪影響がある物質は厳しく規制されている。

もちろん、日常的に摂取している食品などに有毒な物質が含まれている事実はある。

ヒ素に代表されるような金属などを微量に摂取している。

これらは体内において排除するシステムがある。

もちろん、体内から容易には排除されない物質もあり、

脂肪組織はこれらを溜め込みやすい(鉛は20~30年が半減期)。

近年は食品にこれらの金属を取り除く機能があると考えられ、

ラットや魚でいくつかの研究が行われている。

人体においての研究が行われていないものでは、

これらが人間において効果があるかは不明である。


また、人体において行われている実験の中でも問題となるものが、

食品の摂取による蓄積された物質の移動が生じることである。

量が減ったとされても、

それが脳などに移動しているだけの例が確認されている。

興味深いデータとしてはスナック菓子の製造などにおいて使われるolestraが、

人体からPCBの排除を行うといったものがある。

体重減少に対するデトックスの効果を科学的に検証したものは無い。

そこで食事などの研究から推測すると、

デトックスに効くとされる食事はタンパク質の不足によってストレスを引き起こし、

コルチゾールが高められることで食欲が刺激される。

短期的には我慢によって体重減少が期待できるかもしれないが、

長期的には疑問が残る。



結論;デトックスに効果は無い


長々と多くの論文を引用しながらレビューをしていますが、

abstractで結論を出していました。

デトックスに効果があると企業は言っているけれども”毒素”の定義は曖昧であり、

科学的な説明は無い。

インターネットで言葉は普及しており様々な方法が宣伝されているが、

それらの中には健康を害するものも確認されており、

実際に被害も出ている、と。

明確にデータを出そうとしたのがサイエントロジーというのも、何ともまた...

体重を減らすためにやってる行為がストレスを与えて逆に食欲を高め、

太らせる可能性があるというオチもついていますし、

無理をするのは良くないということですね。


デトックス、効果なし

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