2017年5月3日水曜日

運動により筋肉へダメージが生じた際の回復期におけるタンパク質摂取の効果

The efficacy of protein supplementation during recovery from muscle-damaging concurrent exercise

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28199799

Appl Physiol Nutr Metab. 2017 Feb 15:1-9. doi: 10.1139/apnm-2016-0626. [Epub ahead of print]

Eddens L, Browne S, Stevenson EJ, Sanderson B, van Someren K, Howatson G

運動の初心者や経験したことが無い運動を行うと筋肉にダメージ(EIMD)を与える。

そのため素早く回復させることは次のトレーニングに備えるためにも大事である。

この研究では24人のwell-trainedな自転車選手を用いて実施。

500mlの水分摂取を実施し、

プラセボ
ホエイタンパク質20gと微量の炭水化物を含む90kcal
炭水化物20gほどを含む90kcal

の三つを摂取。

自転車運動と60cmほどの台からのドロップジャンプによって筋肉へダメージを与えた。

結果、回復には大きな差は見られなかった。

トレーニングを積んだ人においての実験という点もあるが、

近年明らかになってきているようなタンパク質の摂取量からすると、

摂取量が少なかったことなどが原因であろうと考えられる。


Free

筋肉にダメージが明確に与えられるような負荷を掛けてしまうと、

回復に手間取るということが言えそうですが、

一方で一日のタンパク質摂取量が体重×1g程度なので、

もっと多くの摂取を実施することで違いは出るかもしれません。

まぁなるべく普段は筋肉に過剰なダメージを与えない方が良さそう、

というのが現状では言えること、となりますかね。

2017年4月29日土曜日

トレーニングと高脂質食による酸素摂取量の変化

Increase of aerobic capacity by submaximal training and high-fat diets.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8979456

Folia Med (Plovdiv). 1996;38(1):49-59.

Boyadjiev N


1996年の論文で少々古いものですが、


動物実験を実施。


食事のカロリー摂取の8割近くを脂質にしたグループは、


最大酸素摂取量の向上が見られた。


運動を組み合わせるとさらに向上した。

これには糖の利用よりも脂質の利用が進んだことが影響していると考えられる。



最大酸素摂取量の向上には高脂質の食事も効果的である、

という話です。

運動によって向上しない場合

脂質が不足しているからということも言えるわけですね。

こうした考えから、最大酸素摂取量が持久的なパフォーマンスの指標として有用なのか、

ということへの疑問は高まっています。

まぁ現在言われているような感じでは使えないであろう、という話です。

筋内脂肪の話なども組み合わせると、

適度な脂質が存在することで持久的なパフォーマンスは高まる、

脂質を貯蔵しようと人間の身体は適応する、

となります。

糖の貯蔵量を測定する方が効果的ということが言えるかと思います。

60~70%を超える酸素摂取量の運動の場合は確実に糖が必要となります。

2017年4月6日木曜日

適切な負荷のエキセントリックトレーニング(レビュー)

Moderate Load Eccentric Exercise; A Distinct Novel Training Modality

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27899894

Front Physiol. 2016 Nov 16;7:483. eCollection 2016.

Hoppeler H

持久的なトレーニングやレジスタンストレーニングは多くの実験が行われてきているが、

負荷設定が曖昧となっている。

エキセントリックトレーニングは使用するエネルギーが少ないが、

筋肉に与えられるダメージは大きくなる。

Blazevichらの2007年の研究ではエキセントリックな負荷によって羽状角が拡大することが示された。

Brughelli と Croninの2007年の研究からは、エキセントリックなトレーニングによって最適な長さ-張力関係とするため、

筋長をより長く適応させると考えられる(ケガの予防やパフォーマンスの向上といった適応)。

Chelly と Denisの2001年の研究でのホッピングジャンプテストは高い走速度は筋腱複合体の剛性と関係があることを示している。

LaStayoらの2000年の研究で適切なエキセントリックトレーニングが筋腱複合体の剛性を変化させることが示された。


Free

その他、いろいろとエキセントリックな負荷の掛け方とコンセントリックの違いが書かれています。

速く走るには筋肉も大事ですが腱も鍛えないと、という点をつまんでおきます。