2016年1月18日月曜日

食事によるタンパク質の摂取で筋肉合成を最大化できるか?

Is there a maximal anabolic response to protein intake with a meal?


Clin Nutr. 2013 Apr; 32(2): 309–313.

Nicolaas EP Deutz and Robert R Wolfe

トレーニングした後にタンパク質やアミノ酸を摂取することで筋肉の合成を最も効率よく行える、

そうしたことが分かっておりますが、では食事でのタンパク質摂取でも十分なのか?

といった点を調べたものがこちらになります。

朝食や昼食におけるタンパク質摂取量がやや少ないというのはあるかもしれませんが、

そこをタンパク質が多いもので補うことで一日におけるタンパク質合成を最大にできるのでは、と。

適度な糖質の摂取によるインスリン反応なども影響するなど、

筋肉の合成にはタンパク質の摂取以外の要素も関係しますし、

食べ過ぎたら消化に時間がかかることなども影響すると思われます。

取りあえず食事で十分なタンパク質の摂取が行えていれば(1回あたり20~30g)、

筋肉を合成するのには足りるということは言えるようです。

ただ、トレーニング後に必要な分を補えるのか、

というのはまた別の考えで述べないといけません。

2016年1月8日金曜日

カロリー不足による筋合成の減少はレジスタンストレーニングとタンパク質摂取で回復する

Reduced resting skeletal muscle protein synthesis is rescued by resistance exercise and protein ingestion following short-term energy deficit

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24595305


Am J Physiol Endocrinol Metab. 2014 Apr 15;306(8):E989-97

Areta JL, Burke LM, Camera DM, West DW, Crawshay S, Moore DR, Stellingwerff T, Phillips SM, Hawley JA, Coffey VG

筋肉の合成にはカロリーオーバーの状態が必要であるとされます。

それは人間が必要とするカロリーを誤差無く計測することが不可能であり、

必要なカロリーと供給すべきカロリーやタンパク質その他の量が推測不能ということや、

カロリーが減った状態になると筋肉が分解モードになるという点から言われます。

その他、筋肉が分解される要因は飲酒など多々ありますがここでは置いておき、

この実験は体重1㎏あたり30kcalを摂取させてエネルギー不足の状態にし、

それが筋肉合成にどのような変化を与えるか、

タンパク質摂取や運動がどのような効果をもたらすか、

といったものを調べております。

かなり引用も多く役立つ論文かと思いますので、

ダウンロード無料ですし一読をおススメいたします。

結論としてはプロテインの適度な摂取とレジスタンストレーニングが筋肉の合成には大事、

ということになります。

エネルギーが不足した状態では筋肉の合成も不十分になるので、

しっかりと多めに食べた状態が筋肥大には望ましい、

ということですね。

筋肥大する時は多く食べて脂肪も少しセットでくっついてくるのは仕方がない、

そしてそれをその後に落とすような作業をやる。

この繰り返しが効率の良い筋肥大につながるであろう、

と。

2016年1月7日木曜日

短距離選手のスプリントパフォーマンスに対するレジスタンストレーニングの影響

Sprinting performance and resistance-based training interventions: a systematic review


J Strength Cond Res. 2015 Apr;29(4):1146-56.

Bolger R, Lyons M, Harrison AJ, Kenny IC

短距離選手がウエイトトレーニングを実施することでタイムが向上するのか。

それを明らかにするため実施された論文のレビューです。

効果が無いというためにはこれの多くを否定する必要がありますし、

やり方が悪いからだと言われてもおかしくないくらい、

効果はあるという内容になっています。

2016年1月6日水曜日

神経型一酸化窒素合成酵素とPGC1αが筋肉細胞に与える影響

The role of nNOS and PGC-1α in skeletal muscle cells


J Cell Sci. 2014 Nov 15;127(Pt 22):4813-20

Baldelli S, Lettieri Barbato D, Tatulli G, Aquilano K, Ciriolo MR

レビューですので引用が数多くありますので、

原著に当たって引用論文も読んで自分の考えも構築しつつ、

様々な観点から考えることでより自分の種目特性に応じた練習などを考えられるのでは、

と思うところです。

原著は無料公開されていますので、

右上から飛んで頂いてご覧ください。

PGC1-αってどうして重要なの?という方で日本語の説明が欲しい方は

国立健康・栄養研究所のサイトで公開されている文書(コチラ)や、

コスモ・バイオ社が翻訳している文書(コチラ)などをご参考にどうぞ。

また、2003年の大24回 124 回日本医学会のシンポジウムサイトにあります、

コチラの記事(食事・運動療法のサイエンス)をお読みいただければ。


2016年1月5日火曜日

体温調節に対する糖の摂取

Thermoregulatory responses are attenuated after fructose but not glucose intake

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24300126

Med Sci Sports Exerc. 2014 Jul;46(7):1452-61

Suzuki A1, Okazaki K, Imai D, Takeda R, Naghavi N, Yokoyama H, Miyagawa T.

グルコースとフルクトースを摂取した際の体温調整の変化を調べた論文です。

ただ水を飲むよりもフルクトースを含むものを飲んだ方が、

体温調整(血管拡張)の閾値が上昇したという結果は出ていますが、

ではここから何を考えるのかというのは、競技その他の特性に応じて変化するかと思います。

まぁしかし、

いろいろなデータから考えると摂取するのはフルクトースとグルコースを混合したものであり、

その比率なども見えているわけですが。


PowerBarの栄養とトレーニングに関する様々なQ&Aなどをご参考ください。