2017年1月26日木曜日

厚着をしての運動はHsp70の上昇にはあまり効果が無い

Increasing heat storage by wearing extra clothing during upper body exercise up-regulates heat shock protein 70 but does not modify the cytokine response

http://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/02640414.2016.1235795

Pages 1-7 | Accepted 06 Sep 2016, Published online: 26 Sep 2016

Christof A. Leicht, Aris Papanagopoulos, Sam Haghighat & Steve H. Faulkner
運動によってサイトカインが上昇することは体内のマーカーに変化を与える(健康の役にも立つ)。

これはHspの上昇によって様々な影響が与えられることが言われている。

Hspの上昇は運動による体温上昇以外にも報告がされているので、

より体温が高くなるように服を着て運動をしたらどのような変化が起こるかを調べてみた。

体温の上昇、熱の貯蔵量は増えHsp70も微妙に高まったが(有意ではあるが)、

IL6は差がほとんど無かった(2時間後には有意な差となっているが)。

体温を高めるだけではIL6には影響が出ないし、

厚着(体温が高くなるように通気性の悪い服?の着用)をしての運動は不快感が高くなるので、

IL6の上昇を求めて体温を高くしようとするのならば、

もっと他の方法を考えた方が良い。

free

2017年1月25日水曜日

エンデューランスとストレングストレーニングの順番が与える影響

Combined strength and endurance session order: differences in force production and oxygen uptake.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25310023

Int J Sports Physiol Perform. 2015 May;10(4):418-25. doi: 10.1123/ijspp.2014-0316. Epub 2014 Oct 13.
Taipale RS, Mikkola J, Nummela AT, Sorvisto J, Nyman K, Kyröläinen H, Häkkinen K.

どちらの順番でも男性においては垂直跳の数値が有意に減少した。

力発揮は男性・女性のどちらでも有意に減少した。

ストレングストレーニングを持久的な運動の前にやると、

男性アスリートではストライドが減少し、男女のどちらでも酸素摂取量は向上した。



出力が減少したことが垂直跳の高さの減少につながる。

分かりやすい。

出力が減少したことが酸素摂取量の向上につながる。

分かりにくい。

2017年1月24日火曜日

暑熱環境下での間欠的な運動を行う前の冷却が女性アスリートに与える影響

The effect of ice ingestion on female athletes performing intermittent exercise in hot conditions.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25311755

Eur J Sport Sci. 2015;15(5):407-13. doi: 10.1080/17461391.2014.965751. Epub 2014 Oct 14.

Zimmermann MR, Landers GJ.

男性の実験は多いが女性では行われていないので実験をしてみたもの。

36分間の間欠的なスプリントトレーニングを気温33度、湿度60%の環境で実施。

体内(コア)の温度は下がったが、

これがパフォーマンスの改善に影響を与えているかはよく分からない。



暑さに関する実験は事前に暑い日があったりして慣れる、

エアコンなどを普段使わない、厚着をして慣れるなど被験者によって条件が異なることが多く、

人によっては暑さ対策が効果無いように見えてしまう場合があるので要注意。

2017年1月23日月曜日

レジスタンストレーニングは人間の骨格筋のミトコンドリアの機能を変化させる

Resistance Exercise Training Alters Mitochondrial Function in Human Skeletal Muscle
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4478283/

Med Sci Sports Exerc. 2015 Sep; 47(9): 1922–1931

Craig Porter, Paul T. Reidy, Nisha Bhattarai, Labros S. Sidossis, and Blake B. Rasmussen


12週間のレジスタンストレーニングはミトコンドリアの量と質、呼吸能を変化させる。

週に3日、3setで10回程度を徐々に量を変化させたウエイトトレーニングを実施。

当たり前の結果とも言えるが、

筋量の変化のみに焦点を当てているわけではないので、

なかなか面白い。

まぁでも、

結果は予想される範囲のもの。

こうした点からしても、持久的な運動をする人もウエイトトレーニングはやるべきでしょう。

(Free)

2017年1月22日日曜日

コルチゾールとテストステロン、レジスタンストレーニングの相互作用(サーカディアンリズムの影響)

Interactions of cortisol, testosterone, and resistance training: influence of circadian rhythms

http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3109/07420521003778773?journalCode=icbi20

Chronobiol Int. 2010 Jun;27(4):675-705. doi: 10.3109/07420521003778773.
Hayes LD, Bickerstaff GF, Baker JS
スポーツのパフォーマンスは午後に最も高くなるが、これは体温の上昇と一致する。

こうしたサーカディアンリズムは体温以外にもあり、

様々な要因が関与している。

コルチゾールやテストステロンは午前中の方が高いのに、

レジスタンストレーニングによる筋肥大や出力の増加における最適な適応が起こるのは、

午後4時頃。

なぜか?

テストステロンが高い朝はコルチゾールも高い。

合成量が多い時に分解量も高いという事実を忘れて、

テストステロンを見ていると求めているトレーニング効果の最大化ができない。



日内変動でコルチゾールが一番低くなる時にトレーニングをしてテストステロンを出す、

というやり方が最も効果を高めると考えるべきということでしょうね。