2015年10月13日火曜日

REDD1の発現はタンパク質の合成を弱める

Nutrient-Induced Stimulation of Protein Synthesis in Mouse Skeletal Muscle Is Limited by the mTORC1 Repressor REDD1

Bradley S Gordon, David L Williamson, Charles H Lang, Leonard S Jefferson, and Scot R Kimball

J. Nutr. April 1, 2015 vol. 145 no. 4 708-713

http://jn.nutrition.org/content/145/4/708.abstract#fn-1


REDD1(development and DNA damage 1)が発現することで、

栄養が十分に足りていてもmTORC1が制御されるため、

タンパク質の合成が抑制される、というもの。

下の日本基礎老化学会の論文を見ていただければ、

より理解をしやすいかもしれません。

http://www.jsbmg.jp/products/pdf/BG35-3/35-3_11-16.pdf

ミオスタチンやREDD1などによって、

人間の筋肉は肥大しすぎないように制御されているわけですね。

これはエネルギーを多く消費するのが動物にとっては好ましくないと遺伝子で制御しているから、

そのように考えられたりしています。

食料が安定的に生産されるようになったのはここ数千年の話ですし、

この時間は遺伝子レベルで人類の進化などなどの影響を与えるには短すぎるとか。

ですので、

エネルギーは使わない身体が好ましいと脳その他は認識しております。

よって、

運動をするとエネルギーを無駄に使わないで済む体に変化します。

この辺りを理解すると、

競技に応じて食事をどうするべきなのか、

といったことが曖昧ながらも理解できるかもしれませんね。

2015年10月12日月曜日

睡眠と成長ホルモンの関係

Growth hormone secretion during sleep

Y. Takahashi, D. M. Kipnis, and W. H. Daughaday

J Clin Invest. 1968 Sep; 47(9): 2079–2090. doi: 10.1172/JCI105893
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC297368/


成長ホルモンと睡眠の関係を調べた論文です、

1968年のものですので、基礎研究として多くに引用されていますが、

さて、

どこに深夜にゴールデンタイムがあると書かれているのでしょうか。

睡眠後90分以内に上昇をし、

1.5~3.5時間のピークが来るといったことは書かれていますが。

就寝時間が22時~24時といった範囲でのデータがあり、

グラフとしては22時に就寝した人のものがありますが、

深夜0時過ぎにピークが来ていますね。

webで検索をしたところ、

近年では就寝3時間以内の質を高めるといった話があるようですが、

そちらの方が正解と言えるでしょう。

どこからゴールデンタイムなんておかしな話が出てきたのかは不明ですし。

2015年10月11日日曜日

身体が硬いことがエネルギー消費を減らす

The influence of flexibility on the economy of walking and jogging

Dr. Gilbert W. Gleim, Nina S. Stachenfeld and James A. Nicholas


Journal of Orthopaedic Research

Volume 8, Issue 6, pages 814–823, November 1990

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jor.1100080606/abstract

身体が柔らかい方が良いと思っている人が多いでしょうが、

残念ながら硬い方が余計なエネルギーを使わずに済むので、

走る際のエネルギー効率は良いということが言えます。

ケガを予防するためにも柔らかい方が良い!!

そう主張される方もいるかと思いますが、

さて、

その根拠はどこかにあるんでしょうか...

2015年10月5日月曜日

プロテインの投与が刺激シグナルにならない可能性

Protein supplementation does not alter intramuscular anabolic signaling or endocrine response after resistance exercise in trained men.


Gonzalez AM, Hoffman JR, Jajtner AR, Townsend JR, Boone CH, Beyer KS, Baker KM, Wells AJ, Church DD, Mangine GT, Oliveira LP, Moon JR,Fukuda DH, Stout JR

Nutr Res. 2015 Sep 10. pii: S0271-5317(15)00219-5. doi: 10.1016/


well-trainedな人でのトレーニングとタンパク質摂取の影響を検討し、

同化作用が進むと思って実験してみたら特に変化がなかったという論文。

mTORC1に対する刺激としては、プロテインの摂取では効果が無さそうなので、

何か別の手法を検討するべきですね。

2015年10月4日日曜日

ビタミンDの摂取が筋肥大や筋力の向上に影響するか

Does vitamin-D intake during resistance training improve the skeletal muscle hypertrophic and strength response in young and elderly men? - a randomized controlled trial.


Nutr Metab (Lond). 2015 Sep 30;12:32

Agergaard J, Trøstrup J, Uth J, Iversen JV, Boesen A, Andersen JL, Schjerling P, Langberg H
結論、しない。ただ、面白いデータは出てますね。
これは摂取する事での悪影響がほかに少ないのであれば、積極的に摂取するべきかもしれません。