High Speed Running and Sprinting Profiles of Elite Soccer Players.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28828087
J Hum Kinet. 2017 Aug 1;58:169-176. doi: 10.1515/hukin-2017-0086. eCollection 2017 Sep.
Miñano-Espin J, Casáis L, Lago-Peñas C, Gómez-Ruano MÁ.
Rampininiら(2007)年の研究によると、
サッカーの試合における仕事率は対戦相手の活動量に影響されることが分かっている。
走行距離の合計とその中での高負荷の走行距離は対戦相手が良いチームであると多くなる。
Bloomfield(2005)やLagoら(2010)では対戦相手の質が低いと走行距離が減ることを示している。
このことから、チームの質が高くなると選手の走行距離が減るということが考えられる。
しかし、チームの質が走行距離に影響を与えるかという研究は無いので、
2001-2002シーズンと2006-2007シーズンのレアルマドリードのデータを使って調べてみた。
スペインリーグの1~5位をとても強いチーム、6~10位を強いチーム、
11~15位を中間、16~20位を弱いチームとした。
この期間はリーグ戦、カップ戦、チャンピオンズリーグで94勝21分26敗であった。
時速24㎞より速いものをスプリント、時速21.1~24.0kmを高負荷の走行とした。
結果、レアルマドリードの選手はスプリントも高負荷での走行も相手チームと比較して少なかった。
これはスコアが優位な時には運動量が減るということが明らかになっていることからも分かるが、
先制点を取るとボールの保持が高まって運動量が減少し、走行速度も下がる。
一方で、失点すると勝つために得点をしようと運動量は高まる。
しかし、これは強豪であるレアルマドリードにおいては多く見られない。
試合の戦術を調査したJamesら(2002) や Lago and Martin (2007)では、
チームが負けている時の方が勝っている時よりもボール保持が多いことを示している。
勝っている時はポゼッションを減らしてカウンターやダイレクトプレーを行う
負けている時はゲームをコントロールしようとしてボールポゼッションが増えていく。
走りのパフォーマンスに関して、レアルマドリードは対戦相手による変化は見られなかった。
これは自分たちが試合においてパターンをキープしていたことが考えられる。
この辺りは他のチームを調べると結果は異なっているが、
それは戦略や選手の特性、予算、クラブ哲学などが異なるためであろう。
文献調査の中で明確だった点はサイドバックとサイドハーフが高負荷での距離をカバーしていたことである。
この研究では血液などのデータを見ていない。
シーズンによってどのように変化するかといった点も今後の課題として残る。
(FREE)
サッカーにおいては強いチームほど走らなくなるという傾向があるけれども、
レアルマドリードはどんな相手でも走っている。
それは勝つためのパターン、
戦術が明確であるからということが言えそうなデータがあるということですね
選手の能力などによっても変化するが、
常に同じようなパフォーマンスが発揮される能力の高い選手が集まっているからできることかもしれません。
ポゼッションが少ないから負けたという分析を目にすることも多いですが、
実際には勝っていると相手にボールを持たせて、カウンターから二点目を狙いにいく、
となるようですね。
こうした点を知ってトップ選手の試合を見て戦術を考えるというのは大事かもしれません。
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