Heavy Barbell Hip Thrusts Do Not Effect Sprint Performance: An 8-Week Randomized-Controlled Study
http://journals.lww.com/nsca-jscr/Abstract/publishahead/Heavy_Barbell_Hip_Thrusts_Do_Not_Effect_Sprint.95841.aspx
Journal of Strength & Conditioning Research: Post Acceptance: July 24, 2017
Bishop, Chris et,al
ヒップスラストを行うことでスプリントが向上することが先行研究で示されているが、
アスリートでの実験は行われていないので実施してみた。
被験者;11人の大学レベルのアスリート男性15人と女性6人
ヒップスラスト群は週に2回5×5をヒップスラストを実施。負荷は85%1RM。
二回続けて最後のセットで2回rep数をさらにこなせるようになったら2.5%負荷を増加。
結果;ヒップスラストを実施した群は平均値では44.09kgほど1回のヒップスラストの最大値が向上。
スプリントタイムはコントロール群と同じくタイムの向上は無し。
タイトルやabstractを見ただけで効果が無い!!
と言い切ってしまっている人は、あ、この人は論文を読めない、読んでいない人なんだな、
と判断するのに最高の論文ですね。
問題点は著者も指摘している通りでしょう。
まずはトレーニングをしている人にとって、
この程度のことを加えただけでスプリント力が向上したら驚く内容です。
トレーニングしている人が週に二回、5×5のウエイトトレーニングだけで走るのが速くなったら、
誰もが実施しますよね。
最大値が大幅に上昇していますが、
被験者が走ることを専門としているわけではないので、
上昇した力を使うことが出来ていないと考えられます。
この点も著者の指摘通りでしょう。
走る能力にとっては最大値よりも回数をこなせる方が効果があるのかも、
といってた点も先行研究を引いて指摘しています。
この実験と同様のことは最大酸素摂取量の測定などでも見られます。
トレッドミルで走ることに慣れた結果、能力が向上したように見えてしまうといったケースです。
この論文から読み取れることは、
これだけやれば速くなれるというものは無い、
といった程度でしょう。
筋力は明らかに向上していますので、
それを使えるような走り方に転換できれば効果が出るかもしれません。
筆者の考察などをしっかりと読まないと何も言えない例として適度な論文でした。
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