陸上競技の一つの種目でありますマラソンは、
古代ギリシアのマラトンで起こった戦いの結果を報告したことが起源とされ、
1908年のロンドンオリンピックで女王様の前からスタートするように変更したから、
42.195kmを走るようになったとされている...
などといった話はwikipediaやらスポーツ社会学などの分野の方にお任せし、
この42.195kmというマラソンにおける30kmの壁って何なの?
というお話を。
テレビなどを見ていますと30kmの壁というものが解説や実況の方によって言われております。
この原因は簡単に説明してしまえば”エネルギー切れ”です。
それ以外の要因もあるやもしれませんが、
大きなところはエネルギーの問題となります。
人間が生きていくうえでエネルギー源とする大きなものは糖質と脂質。
走る時には両方をエネルギー源としますが、
速く走ろうとして出力を高めると筋肉の中でも大きな力を発揮できる速筋というのが使われます。
この速筋は糖質を主なエネルギーとして使います。
詳しくは既に書いた乳酸の話でも読んで頂ければと思いますが(リンク)
糖質というのは脂質に比べて貯蔵量が少なくなっています。
そのため、
それなりのスピードで走り続けると糖を消費していきます。
ハーフマラソンあたりを記録を狙って走り切れるペースでいくと、
大体30kmあたりで糖質が枯渇します。
この枯渇に関しては筋グリコーゲンと呼ばれる筋肉に貯蔵されているものが減るのと、
脳グリコーゲンと呼ばれる脳に貯蔵されているものが減る、
という二つの原因があります。
どちらかもしくは両方が大幅に減ることで脳が運動の制御をするように働き、
その運動を継続できないように出力を下げさせようとするのだと推測されます。
じゃあ運動中に補給すれば?
と思うところではありますが、
短時間では十分な回復をすることは出来ません。
ですので、
糖質を多く使わずに走れるように土台となるペースを上げるようにするか、
レース中にペースを下げてエネルギーを保存するようにする。
そうした選択が行われます。
よく言われる距離走という練習がありますが、
これは実際のペースよりも遅いことがほとんどですので、
何本やったところでエネルギー切れを起こすかどうかはやってみないと分からない、
となります。
経験を積まないと分からないと言われる点でもありますが、
練習で把握する方法もあるかとは思います。
運動後の血糖を測定するなど手法はありますので。
なお、
糖質が枯渇する状態になりますので、
体内にはほとんど乳酸は作られない状態になります。
ラストでタイムが上がらずにヘロヘロ状態でゴールした場合、
体内に乳酸はほとんどありませんので。
そこのところはお間違えなく。
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