2017年1月3日火曜日

アミノ酸の摂取とウエイトトレーニングの実施はカロリー制限下で除脂肪体重を維持する

In a single-blind, matched group design: branched-chain amino acid supplementation and resistance training maintains lean body mass during a caloric restricted diet


Wesley David Dudgeon ,Elizabeth Page Kelley and Timothy Paul Scheett

Journal of the International Society of Sports Nutrition201613:1

体重減少を目的としたカロリー制限を実施している時に、

アミノ酸(練習前後に14gずつ)を摂取することは除脂肪体重の維持を実現する。

8週間での実験。

(プロトコル的に微妙な感じはある。タンパク質の摂取がCHO群に多いので差が出にくかった?)

2017年1月2日月曜日

マッサージにパフォーマンスを回復させる効果はあるのか(レビュー)

Massage and Performance Recovery: A Meta-Analytical Review



Poppendieck, W., Wegmann, M., Ferrauti, A. et al. Sports Med (2016) 46: 183


トレーニングの後にマッサージが行われるはよくあるが、

これに科学的な裏付けがあるのかを調べるために、

多くの論文を調査してみた。

5~12分のマッサージに大きな効果が見られた、

トレーニングしていない人の方がトレーニングしている人よりも効果が見られた、

などなど。

2017年1月1日日曜日

組換えヒトエリスロポエチンは何を改善して持久力を高めるのか

RhEPO improves time to exhaustion by non-hematopoietic factors in humans.



Annaheim, S., Jacob, M., Krafft, A. et al. Eur J Appl Physiol (2016) 116: 623. 


ヒトエリスロポエチンの投与は持久力を改善させるのは知られているが、

この持久力の改善に関係する要因は何かを調べた。

最大酸素摂取量の向上は見られるが疲労困憊となるまでの時間の変化は関係が見られない。

血漿のvolumeの減少は見られるが持久的な面に関して影響を与えていない。

非造血因子の変化も影響しているのではないかと考える。

2016年12月23日金曜日

その新商品、どうなのよ?

うからだ巡り茶 advance

http://www.cocacola.co.jp/press-center/news-20161201


機能性関与成分:ローズヒップ由来ティリロサイド


なるほど。被験者はBMI25〜30ですね。12週間摂取すると効果がある。およそ3ヶ月。

なるほど。

そうですか。


この程度のデータで効果があるといって売るのはどんなもんですかね?
副作用は無いから安全だから問題ない、効果効能はこんなのがあると認められてますけど、効くかは分かりませんよ、というレベルの商品なのはいつもながらですね。過度な期待はせずに喉を潤すために飲みましょう、ですね。


2016年10月29日土曜日

第29回日本トレーニング科学会大会初日

第29回日本トレーニング科学会大会初日のちょっとした感想、コメント。

シンポジウム2の「芸術性が求められる身体美とトレーニング」では、

バレエ・シンクロ・新体操という三つの競技の経験者の方のお話がありましたが、

練習の話から感覚の話まで、

なるほどという点もあれば、どの競技でも感覚的には同じ面があるんだな、

と思う点もありまして、なかなか面白かったです。

シンクロの芳賀さんの話の中で、

1日中練習をしたりするので、少ない人でも4000kcalとか食べます、

というのは想像を超えていました。

体脂肪は16~18%といったところだそうです。

ポスター発表で気になったものは、

アキレス腱がくっきりとしている形態の人はパフォーマンスが高い、

高強度運動後は筋損傷に伴う浮腫が羽状角を変化させる?

腱膜のstiffnessが高いと筋腱複合体の機能が高まる可能性、

児童期スプリンターの大腰筋、大腿四頭筋、内転筋群の筋横断面積は疾走速度と回転数に有意な相関関係がある、

一過性の350mlビール摂取は動脈壁硬化度を低下させる、

若年女性アスリートでは全日本レベル以上の群の方が自らの月経周期を把握している割合が高い、

芝生と土での疾走を比較すると芝生の方が発揮する力が高くなっている、

といった所でした。

これ以外にも多くの発表があり、

会頭の桜井智野風先生(桐蔭横浜大学)からは

「学部生も発表できる学会なので、先生方、お願いします」

というコメントもありました。

若手の皆様のちょっとした疑問と実験してみようという行動力と発想を見て、

また新たな気付きなど生まれてくると思いますので、

興味のある方は是非とも研究と発表に挑戦してみて頂ければ。

情報交換会でバレエダンサーの志賀育恵さんが、

「数字化するのが好きなんだなと思いました」

というコメントをされていたように、

科学的に考えるというのは定量化、数字化して比較するのが大事になります。

同じことを繰り返した時に再現できるのか、という点からも数字には拘ります。

そうした細かい縛りを徹底している結果、

見えなくなってしまっているものもあると思いますので、

若手の皆様の縛りの無い状態で、

こんなのをやってみましたという気軽な感じでの研究、発表が増えるのは良いことだろうな、

と私も思います。

100m走を10回走ってもらってまったく同じ条件での試行が何回あるか。

気温、風力、風向き、フォーム、疲労etc...

そうしたものを平均して見えなくなるものもありますので、

データではこうですが、見た感じではこんなことも言えそうな気がします、

という意見を持ち、様々な示唆をして頂ければ、と。