International society of sports nutrition position stand: caffeine and exercise performance
https://jissn.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12970-020-00383-4
Journal of the International Society of Sports Nutrition
volume 18, Article number: 1 (2021)
全文公開ですし、読んで面白いと思いますので、ぜひ。
どれくらいの摂取で効果が出るのかに関しては「少なくとも3mg/kg」
Dose response effects of a caffeine-containing energy drink on muscle performance: a repeated measures design
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22569090/
J Int Soc Sports Nutr. 2012 May 8;9(1):21
IOC Consensus Statement: Dietary Supplements and the High-Performance Athlete
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29589768/
Int J Sport Nutr Exerc Metab . 2018 Mar 1;28(2):104-125.
持久系種目、自転車や陸上競技、ボートでの使用者が多いが、2008年以降はチームスポーツやパワー系種目での効果に関しての研究が増えてきている。小腸で主に吸収されるが胃でも吸収され、30分~120分ほど血漿における濃度が上昇する。飲食物からの九州には個人間での差は無いようだが、代謝や分解においては差が見られる。平均半減期は4~6時間とされているが個人差があり、成人では1.5~10時間の範囲になることもある。
The absolute bioavailability of caffeine in man
Eur J Clin Pharmacol . 1983;24(1):93-8
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/6832208/
160mgのカフェインを含む飲料での比較では、コーヒーと紅茶が30分、コーラが2時間後に最大値となった。摂取速度、温度、摂取源での違いは小さいが、ガムからの摂取が一番速い。持久力の向上にしては中枢神経系や末梢神経系内での作用によるものと考えられる。
プラセボの可能性も考えられる
Placebo effects in competitive sport: qualitative data
J Sports Sci Med . 2007 Mar 1;6(1):21-8
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24149220/
この論文からはカフェイン以外でもプラセボはかなり大きな影響を与えていることが分かる。
使用に慣れている人では筋力や持久力が高まらなかったという例もある
The Effects of High Doses of Caffeine on Maximal Strength and Muscular Endurance in Athletes Habituated to Caffeine
Nutrients . 2019 Aug 15;11(8):1912
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31443220/
代謝や感受性に関する遺伝子によって効果が異なる
Comparisons of CYP1A2 genetic polymorphisms, enzyme activity and the genotype-phenotype relationship in Swedes and Koreans
Eur J Clin Pharmacol . 2007 Jun;63(6):537-46
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17370067/
サプリメントとコーヒーではカフェインの含有量に大きな差がある
An examination of consumer exposure to caffeine from commercial coffee and coffee-flavoured milk
Journal of Food Composition and Analysis
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0889157512001548
Caffeine content of pre-workout supplements commonly used by Australian
consumersDrug
Test Anal . 2019 Mar;11(3):523-529
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30196576/
コーヒーは植物なので含有量にバラつきがあるのは当然ですね
痛みを感じることを抑制して持久力の向上などにつながっているなども考えられるので、何が効果的なのかというのはよく分からない点がまだまだあるということですね。 あとはガムの効果が即効性もある点からして、マラソンなどの持久的な種目における途中での給水で活用しようと思うのなら、口の中で少し溜めてから飲んだりするのが効果的になるかもしれません。10秒間のマウスリンスで効果が確認されているので。自転車種目においては競技中にガムを摂取することでパフォーマンスが上がることが確認されています。力を発揮するようなパワー系の種目、ボールを投げるといった種目には効果的である一方で、ダッシュと休憩を繰り返すような種目には大きな効果はほとんど見られないという点からすると、必ずしも摂取しない方が効果的(その後の睡眠の質の向上による回復力アップ)という場合もありそうです。実際、バスケやサッカーでの効果はあまり見られず、バレーボールも女子選手では効果が見られていないが、ラグビーや柔道においては効果が認められています。ただ、ラグビーもスプリント力の向上は見られていない。これらは遺伝子的な影響がかなり大きいようなので、効果が無いなと感じる人は使わない方が良いかもしれません。飛行機での移動による時差ボケの対策には使えるかもしれない、という点にも触れていますが、脳を覚醒させることで強制的に治すというのは有りかと思います。しかし、カフェインの摂取により不安感が増大するというものもあるため、環境が変化して憂鬱な状態での摂取は避けた方が良いかもしれません。試合前に摂取することでも不安感が増大するので、摂取するかどうかはなかなか難しいですね。暑熱環境での使用は特に悪い面が大きいわけでもなく、かといって明確にパフォーマンスを高めるわけでもないようですが、それなりに効果はある様子。また、運動後にカフェインと炭水化物を同時に摂取することでグリコーゲンの回復速度が速くなることも確認されている。ただ、これによって睡眠不足になると意味が無いので、午前中に練習をした場合は昼食にコーヒーなどでカフェインを摂取すると良いかもしれません。その他、詳しいことは原著をご覧ください。