長い。タイトルが長い。
そんなわけで、長いタイトルの案件に関して思うわけです。
「1+2=4なんですよ」 という発信をすると、こいつバカだなって思う人がほとんどなわけですが、 「なんとですね、1+2を4にする方法を今日は教えちゃいます」 と発信してる人を見ると、おぉ、この人は凄いぞ!!となるのは何でなのか。
こんなTweetをしたこともありますが、情報収集って難しいですよね。検索しやすくなった結果、Youtubeなりブログなりでみんな必死に情報を発信しているので、それを受け取る側のリテラシーがとても重要になってきました。トレーニングに関しても様々な情報があり、どれが効果的かを見抜くのもなかなか難しいと思います。少なくとも相手と同じ知識が無いと判断できないという具合ですので。まぁそんな感じで多くの情報があるわけですが、そうしたのを見ている中学生や高校生なんかを眺めていると思うわけです。
その情報は今のあなたに本当に必要だと思ってる?
これです。例えば速く走れるようになりたいと思って情報を探し始めると、様々な情報があり、うわぁ、この選手はこんなことをやって速くなってるのか、わぁ、あの選手はあれをやって以下略。いろんな人が速くなるための情報を発信していますが、それって本当に今のあなたに必要ですか?トップ選手と同じ練習をやって強くなれますか?真似をするにしてもその工夫の仕方で同じような効果が出ると思いますか?はい。この点をもっと考えましょう。情報を発信している側がレベル20の人を念頭にしているのに対して、あなたがレベル12だったら無理な場合が多いです。自分のレベルに応じたことをやらないと悪影響が出る可能性は高いので、まずは自分の今の状態をしっかりと把握して、自分に必要なものが何かを考えましょう、という点をもっと意識してもらえたら、と思うわけです。200mを走ると効果的です、と言っていてもそれができる身体じゃなかったら故障のリスクが高くなる、効果が著しく減る可能性があるわけです。
自分の状態をしっかりと把握して、そこから必要なものを探す
これができていないから伸びないというパターンは多いと思います。伸びない理由は自分の把握ができていないから、という事実をもう少し見つめてみませんか、ということです。まぁもちろん効果の出にくい練習をしていたり、というパターンもあるでしょうが、そういう時に斬新な練習だと思ったり、これは効果が出そうという練習を見てキラキラと目を輝かせることも多いかと思いますが、それは効果が無いからやめた方がいいのになぁ、という案件もあるわけです。その理由として過去にやって失敗したからというわけでして、
我々が2000年前に通過した場所だッッッ
という某マンガのコメントみたいなことが各所で繰り返されることになるわけです。多くの経験を積んだ指導者は失敗した経験から学んでいるので(学ばない人も一定数いますけどね)、それをそのタイミングでやるのはダメなんだよなぁ、それは効果的だけどまだレベル15じゃ効果は無いよなぁ、と理解してやらせていない場合もあります。ですので、自分が思う効果的っぽい練習は、本当に今の自分に必要な事なのかを考えるのがまずはスタート地点です。効果的な練習をやれば誰もが伸びるということがもしあったら、小学生や幼稚園児でも世界最高峰のアスリートになってしまいますので。成長期や自分の運動経験、技術レベルなど総合的に判断して、今は何をやる段階なのかを確認してから情報を探しにいきましょう。情報化社会になった今、失敗例が圧倒的に増えてきている感じはありますので。
ここのところ見てきた例としては、Aという技術を教えられる人がいて、Aという技術が足りてない選手がその人に指導をされて一気に伸びたけど、Aができるようになったらそれ以上の指導をできないので頭打ちになった、頭打ちになったけど成功したAをとにかく磨き続けることにすがってしまいむしろ悪化してきた、というものがあります。遠くから温かく見守っているわけですが、まぁもう次の指導者に習わないと無理だよなという段階です。ただ、選手にその自覚が無さそうなのでこのまま伸びずに終わってしまうでしょう。
日本人はこの辺りの指導者を変えるという感覚が意外と無いので、指導者が1~10まで全部教えられると思ってしまう。そして高校生や大学生、社会人で伸び悩むパターンとしてよくあるのが、それまでの練習などの背景を自分で把握していないために、何ができて何ができていないのかを見誤って、とにかく練習をやってみて故障するというものです。他の選手はみんなできているから、と思ってしまいますが、そうした練習をやってきてなければできません。その時点でやるべきことは少し変わってくるはずですが、恥ずかしいからみんなと同じことをやろうとする。それができるようになるのに長い時間がかかってるかもしれないのに、すぐに身につくだろうと勝手に思ったりしてしまう。その結果、故障してしまい競技生活を棒に振る。あとは
トレーニングによって得られる結果は細かい要素が複雑に絡まっている
この現実を忘れがちです。やればみんな同じ効果が出るわけではないです。人それぞれです。ドラクエで言えば勇者と戦士で戦闘後に得られる経験値が違うという話です。ポケモンで言えば、、、ということです。自分に必要ないことをどれだけやっても満足感が高まるだけで、競技力の向上は期待できません。でも、やった感は高まるので結果が出ないのは指導が悪い、練習が悪いなどと思ってしまう。自分の状態に応じて練習を変えることをしっかりしていれば、というだけの話になるはずなんですけどね。
そんなわけで、情報収集がとてもしやすいこんな世の中において、一番大事なことは自分の状態をちゃんと把握すること、そして必要なことを考えること、これです。 考えるのは難しいですが、様々なパターンを考えるだけでも違ってきます。それによって情報を正しく取捨選択できる確率は上がると思いますので。なお、たまにトレーニング相談という名目で効果的な練習を教えてくださいなんていうのが来ますが、
お前の今の状態やこれまでやってきたことを知らんから何も言えん!!
と返しているのはこういうことからです。少なくとも30分~1時間くらい細かく聞き取り調査をしないと、やるべきことなんて見えないですし、怪我をした過去があったりしたらこの練習は避けよう、といったことにもなりますし。ですので、チームの練習を考えるなどという場合、個々人に適した練習負荷を考えたりするため、手間と時間が想像以上に必要となります。膨大な労力です。そして練習をする際に問題になるのが、練習の当日に想定した通りの状態で選手が来ないということ。ここで再び設定を調整する必要がでてきます。
指導者って大変ですわ
ということですね。はい。だからチーム指導を受ける場合はややお高めのお値段となっている点をご了承下さい、という広告宣伝をしつつ、情報収集は難しいしまずは自分の状態をちゃんと考えるところから始めてね、という当たり前のことを再度確認してもらえれば、と思うところです。