2014年10月10日金曜日

長距離走における持久力

長距離走においては持久力というものが大事だと言われますが、

この持久力というのはスピードに付随していなければ意味がありません。

速く走りつつ、そのスピードを維持する。

そのために鍛えるべきは速筋のエネルギーを作り出す能力です。

速筋は遅筋よりも大きな力を発揮する事が出来ますが、

毛細血管やミトコンドリアが少ないために、

エネルギーを生産する能力が低いため持久力に乏しい。

そこで速筋に持久力を持たせるようなトレーニングを行うことが大事になります。

ここで大事になってくるのが乳酸であろうと言われています。

乳酸が溜まった状態でのトレーニングを続ける事により、

ミトコンドリアの発現が増えると考えられています。

これをトレーニングにおいて実現するためには、

高負荷でのトレーニングが求められます。

しかし、高負荷でのトレーニングによって追い込まれた感じを得る事で満足する、

それでは意味がありません。

高負荷によって乳酸が生成されるわけですが、

その状態をキープする事が大事になります。

それ以上のスピードに上げると負荷が向上してエネルギーの再生産が間に合わなくなります。

そうなると運動が続けられなくなるので、

負荷を下げる事が必要になります。

つまり、

運動の負荷を上げていくと追い込まれた感じは得られるが、

ミトコンドリアの発現を増やすような刺激としては不十分になりやすい。

なのでトレーニングとしては乳酸が生成されるような負荷を維持し続けるか、

最初に高い負荷を掛けて徐々に下げていくようなトレーニングが理想的となります。

2014年8月23日土曜日

牛乳を飲むと筋肉の合成が高まる


Milk ingestion stimulates net muscle protein synthesis following resistance exercise.



http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16679981

 2006 Apr;38(4):667-74.


アミノ酸の摂取などによるタンパク質合成の話はよくあるが、

レジスタンストレーニングをした後に牛乳を飲むのは効果があるのか?

そうした疑問を調べてみたのがこちらの実験。

効果があるに決まっているじゃないか、そう思う人も多いかもしれませんが、

そんな当然だと思われていることを調べるのが研究者の仕事です。

まぁ結果は当然のように合成を高めております。


2014年8月13日水曜日

筋グリコーゲンの含有量は筋小胞体からのカルシウムイオンの放出量を調整する


Muscle glycogen content modifies SR Ca2+ release rate in elite endurance athletes


http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24091991

 2014 Mar;46(3):496-505.


持久的種目のエリート選手を対象とした実験となっていますが、

筋グリコーゲンの含有量は筋小胞体からのカルシウムイオンの放出量を調整する、

というのが結論です。

筋グリコーゲンの減少はカルシウムイオンの放出を減らすため、

疲労の原因となり、ピークパワーの回復も遅らせるといったことが示されています。

筋グリコーゲンの減少、それに伴うカルシウムイオンの放出が疲労の原因の一つである、

そうした点を理解して頂ければ。

2014年8月12日火曜日

ビタミンCの摂取はトレーニングによるミトコンドリアの生合成を阻害しない


Vitamin C supplementation does not alter high-intensity endurance training-induced mitochondrial biogenesis in rat epitrochlearis muscle



 2014 Mar;64(2):113-8.

近年、ビタミンの摂取によるトレーニング効果の減少が言われるようになっていますが、

ラットを使った高強度の持久的なトレーニング実験ではそれが観察されなかったと言っています。

ラットのepitrochlearis muscleですので、

このあたりは条件設定が変わると結果も異なってくる可能性はあります。

同様の実験に注目です。


2014年8月11日月曜日

プライオメトリックとバランストレーニングの組み合わせのトレーニング効果


The combination of plyometric and balance training improves sprint and shuttle run performances more often than plyometric-only training with children



 2014 Feb;28(2):401-12

子供にはプライオメトリックだけでなくバランストレーニングも一緒に行うべき、

そう結論付けています。

理由としては子供はバランス能力がしっかりと発達していないから、となってます。

バランス能力を鍛えることでプライオメトリックなどによるケガの予防にもつながる、と。