2020年11月29日日曜日

情報を探しやすいこの時代におけるトレーニング情報の収集に関して

長い。タイトルが長い。

そんなわけで、長いタイトルの案件に関して思うわけです。

「1+2=4なんですよ」 という発信をすると、こいつバカだなって思う人がほとんどなわけですが、 「なんとですね、1+2を4にする方法を今日は教えちゃいます」 と発信してる人を見ると、おぉ、この人は凄いぞ!!となるのは何でなのか。

 こんなTweetをしたこともありますが、情報収集って難しいですよね。検索しやすくなった結果、Youtubeなりブログなりでみんな必死に情報を発信しているので、それを受け取る側のリテラシーがとても重要になってきました。トレーニングに関しても様々な情報があり、どれが効果的かを見抜くのもなかなか難しいと思います。少なくとも相手と同じ知識が無いと判断できないという具合ですので。まぁそんな感じで多くの情報があるわけですが、そうしたのを見ている中学生や高校生なんかを眺めていると思うわけです。

その情報は今のあなたに本当に必要だと思ってる?

これです。例えば速く走れるようになりたいと思って情報を探し始めると、様々な情報があり、うわぁ、この選手はこんなことをやって速くなってるのか、わぁ、あの選手はあれをやって以下略。いろんな人が速くなるための情報を発信していますが、それって本当に今のあなたに必要ですか?トップ選手と同じ練習をやって強くなれますか?真似をするにしてもその工夫の仕方で同じような効果が出ると思いますか?はい。この点をもっと考えましょう。情報を発信している側がレベル20の人を念頭にしているのに対して、あなたがレベル12だったら無理な場合が多いです。自分のレベルに応じたことをやらないと悪影響が出る可能性は高いので、まずは自分の今の状態をしっかりと把握して、自分に必要なものが何かを考えましょう、という点をもっと意識してもらえたら、と思うわけです。200mを走ると効果的です、と言っていてもそれができる身体じゃなかったら故障のリスクが高くなる、効果が著しく減る可能性があるわけです。

自分の状態をしっかりと把握して、そこから必要なものを探す

 これができていないから伸びないというパターンは多いと思います。伸びない理由は自分の把握ができていないから、という事実をもう少し見つめてみませんか、ということです。まぁもちろん効果の出にくい練習をしていたり、というパターンもあるでしょうが、そういう時に斬新な練習だと思ったり、これは効果が出そうという練習を見てキラキラと目を輝かせることも多いかと思いますが、それは効果が無いからやめた方がいいのになぁ、という案件もあるわけです。その理由として過去にやって失敗したからというわけでして、

我々が2000年前に通過した場所だッッッ

という某マンガのコメントみたいなことが各所で繰り返されることになるわけです。多くの経験を積んだ指導者は失敗した経験から学んでいるので(学ばない人も一定数いますけどね)、それをそのタイミングでやるのはダメなんだよなぁ、それは効果的だけどまだレベル15じゃ効果は無いよなぁ、と理解してやらせていない場合もあります。ですので、自分が思う効果的っぽい練習は、本当に今の自分に必要な事なのかを考えるのがまずはスタート地点です。効果的な練習をやれば誰もが伸びるということがもしあったら、小学生や幼稚園児でも世界最高峰のアスリートになってしまいますので。成長期や自分の運動経験、技術レベルなど総合的に判断して、今は何をやる段階なのかを確認してから情報を探しにいきましょう。情報化社会になった今、失敗例が圧倒的に増えてきている感じはありますので。

ここのところ見てきた例としては、Aという技術を教えられる人がいて、Aという技術が足りてない選手がその人に指導をされて一気に伸びたけど、Aができるようになったらそれ以上の指導をできないので頭打ちになった、頭打ちになったけど成功したAをとにかく磨き続けることにすがってしまいむしろ悪化してきた、というものがあります。遠くから温かく見守っているわけですが、まぁもう次の指導者に習わないと無理だよなという段階です。ただ、選手にその自覚が無さそうなのでこのまま伸びずに終わってしまうでしょう。

日本人はこの辺りの指導者を変えるという感覚が意外と無いので、指導者が1~10まで全部教えられると思ってしまう。そして高校生や大学生、社会人で伸び悩むパターンとしてよくあるのが、それまでの練習などの背景を自分で把握していないために、何ができて何ができていないのかを見誤って、とにかく練習をやってみて故障するというものです。他の選手はみんなできているから、と思ってしまいますが、そうした練習をやってきてなければできません。その時点でやるべきことは少し変わってくるはずですが、恥ずかしいからみんなと同じことをやろうとする。それができるようになるのに長い時間がかかってるかもしれないのに、すぐに身につくだろうと勝手に思ったりしてしまう。その結果、故障してしまい競技生活を棒に振る。あとは

トレーニングによって得られる結果は細かい要素が複雑に絡まっている

この現実を忘れがちです。やればみんな同じ効果が出るわけではないです。人それぞれです。ドラクエで言えば勇者と戦士で戦闘後に得られる経験値が違うという話です。ポケモンで言えば、、、ということです。自分に必要ないことをどれだけやっても満足感が高まるだけで、競技力の向上は期待できません。でも、やった感は高まるので結果が出ないのは指導が悪い、練習が悪いなどと思ってしまう。自分の状態に応じて練習を変えることをしっかりしていれば、というだけの話になるはずなんですけどね。

そんなわけで、情報収集がとてもしやすいこんな世の中において、一番大事なことは自分の状態をちゃんと把握すること、そして必要なことを考えること、これです。 考えるのは難しいですが、様々なパターンを考えるだけでも違ってきます。それによって情報を正しく取捨選択できる確率は上がると思いますので。なお、たまにトレーニング相談という名目で効果的な練習を教えてくださいなんていうのが来ますが、

お前の今の状態やこれまでやってきたことを知らんから何も言えん!!

と返しているのはこういうことからです。少なくとも30分~1時間くらい細かく聞き取り調査をしないと、やるべきことなんて見えないですし、怪我をした過去があったりしたらこの練習は避けよう、といったことにもなりますし。ですので、チームの練習を考えるなどという場合、個々人に適した練習負荷を考えたりするため、手間と時間が想像以上に必要となります。膨大な労力です。そして練習をする際に問題になるのが、練習の当日に想定した通りの状態で選手が来ないということ。ここで再び設定を調整する必要がでてきます。

指導者って大変ですわ

ということですね。はい。だからチーム指導を受ける場合はややお高めのお値段となっている点をご了承下さい、という広告宣伝をしつつ、情報収集は難しいしまずは自分の状態をちゃんと考えるところから始めてね、という当たり前のことを再度確認してもらえれば、と思うところです。

2020年11月8日日曜日

サッカーと陸上競技で走り方が違う?

 サッカーの指導者に対して陸上競技の指導者がそれでは速く走れないのでは、という指摘をしているのを眺め、サッカーの方が「陸上競技とサッカーでは競技特性が違うから」という返しをしておりまして、まぁそれはそうなんですけど、でも速く走るという技術に関してはどちらでも同じです。ですので、この案件において私がそれは違うのではと感じたのは陸上競技の指導者の方です。多分、その指導では速く走れないです。むしろサッカーの人の身体の使い方、陸上競技で言われるところの脚が流れるという動作の方が大事です。この点、20年ちょっと走りの指導をしてきましたがどうやっても理解が広まらないわけです。まぁ情報の発信力が弱いので当たり前ですが。で、陸上競技においては後ろに脚が残る、流れるという動作が良くないと言われ続けています。しかし、後ろに残したものを前に素早く移動させることによって前方への大きな力が生まれるわけで、適度に残すのは大事です。これが分からない人は、地面に力を加えることで走れているという認識の人が多いです。どれだけ地面に力を加えても前には進みません。地面に力を加えるという動作は、反対の脚を前へと素早く送り出すために大事な動作なので。

これと似たような現象が投球動作においても起こっています。小学生や中学生の投手が速い球を投げようとして腕を速く振ろうとしていますが、最後だけ速くしても速い球にはならないわけです。後ろにある物体を前へといかに速く移動させるか、という点が重要なわけで。この点を理解できると速い球を投げようとしてただ腕を速く振るのではダメだというのが分かります。

そんなわけで サッカーと陸上競技の走りにおいては違いは特に無いです。速く走るという点において必要な動作は同じです。ただ、競技特性という点に関しては確かにあります。速く走りたいのがどういう時なのか、という理解をして始まることがあるわけです。相手が求めている速く走りたいというのがサイドバックで速くトップスピードで駆け上がりたいのか、中盤の選手で反応を良く走り出したいのか、GKで一瞬の動きで走りジャンプしたいのか。この点における違いは少しありますが、基本は変わらないです。トップスピードでサイドバックの選手が駆け上がる時に10mや20mのダッシュの意識でやると確かに少し遅いですし、無駄にエネルギーを使ってしまうので試合中の持久力の低下につながります。ですので、どのような速く走る要素を高めたいのかという共通認識を持ってから指導は始まります。相手が提示している動画を見て「それは~」というのは簡単ですが、相手がどういう意図をもってそれをやってるのかを確認してこそ、共通の理解が生まれるので話がスタートできます。陸上競技においても速く走るという言葉だけで共通理解にはならないですからね。走幅跳の選手とマラソンの選手では言うこと、やってることはかなり違いますから。短距離選手の動きを真似てるマラソン選手なんてほとんどいないわけですから、速く走るというのがいかに曖昧とした言葉なのか、ということです。

2020年11月4日水曜日

サッカー選手の持久力の大前提の話

 サッカー選手の持久力向上に関するご相談を頂いた時に、基本としてまず理解してもらっている話があります。それは90分動き続けられる能力は、90分の中でのペース配分によるものが大きく影響するということです。スプリント回数が多かったら途中で確実に動けなくなります。ずっと走り続けるのは無理です。この点が忘れられがちですので、まずはこの点を意識してもらいます。どれだけトレーニングを積んだところで、当然ながら限界というのはあるわけでして。無尽蔵のスタミナという言葉を試合中にずっと動ける能力だと思うのはどうかな、と。よく実況で、「この時間でもまだ動けるスタミナ」という表現が使われますが、これもその時間までほとんど動いていなかったら誰でも可能になります。時間が経つから疲れるのではなく、その時間分だけ運動をしているからエネルギー切れになっていき疲れるわけです。もちろん、何もしないで立っているだけでもエネルギーは使いますし疲れはしますが。ちなみにJリーグにおいては時速24㎞以上になるとスプリントとして記録されるわけですが、これは100mなら15秒で走るペースです。陸上競技ですとスプリントかと言われると、微妙な速度です。ちなみに1試合の90分を不動産表示での徒歩1分80mで考えると7.2㎞歩くことになります。試合中の走行距離が少ないという例によく出るメッシの距離がおよそ7~8km。つまりメッシはずっと歩いている。何なら歩きすらしない。それにより必要な時にしっかりとスプリントができています。もしこれが全力スプリントが増え、試合中にも走る距離が増えた場合、途中でガス欠になる可能性はかなりあると思われます。他の選手がカバーしてくれるから走らないで済んでいると指摘されたりもしていますが、そうした戦術が用いられているチームですので問題は無いのでしょう。なお、ボールは疲れないということも言われるわけですが、戦略としてボールを取れそうなところでパスを回して相手を走らせてエネルギーを減らせるのはかなり効果的な戦略だと思われます。サイドバックの選手を50m以上の全力スプリントを繰り返させれば、本数を重ねるうちに動きは悪くなるでしょう。スプリントの間のインターバルを短くして、とにかく一度にダッシュさせる距離を長くさせれば、よりダメージを与えられます。こうした試合中にエネルギーが減っていくという観点を忘れがちな人が多い気がします。チーム戦術もあるとは思いますが、選手個人のエネルギー量の限界はあり、持久力はどれだけスプリントをし、走り回ったかによって大きく影響されるということを忘れずにいただければ。なお、ちょっと遅めの1㎞6分ペースくらいでも90分止まらず走りまわっていれば15㎞。これであればそこまでキツくは無いと感じるくらいだと思いますので、単純に走行距離が多ければ良いかとなると、これまた話は別物になります。ですので、効果的なスプリントというのを指標として考えるのが大事だと思います。なお、スプリントにおいて、その他の走りにおいてフォームが悪くて無駄にエネルギーを消費していることもしばしば確認されます。これを改良することで持久力が向上するというのも見られます。地面をとにかく踏み込む走りをしてしまっている人が多いので、この点に関しては走りの指導を受けるのは大事かと思います。

 

繰り返しですが、どれだけ速い速度で多く走っているか、ダッシュを何本やったかも試合中の持久力の限界に大きく寄与します。食事とトレーニング、試合途中での補給により向上できる面はありますが、90分間でスプリントを繰り返し続ける限界はあります。この点をまずは理解してからトレーニングでのさらなる能力向上を考えて頂ければと思います。なお、多くのチームが90分以上の練習時間をかけているので、ほとんどの練習が持久面にフォーカスすることになっていると言えるかと思います。当たられても倒れない身体を作りたいと考えるのであれば、別でそれだけに専念した方が効果的になります。毎日練習してエネルギーが不足している中で筋肉を増やすトレーニングは効果的ではありませんので。もっとサイクルを意識して、練習時間を少なくして身体作りをやる日があっても、と思います。

2020年7月1日水曜日

インターバルトレーニングはスピードを高めるのか?

noteの方でこんな記事を書きまして、
有料ではございますがそこそこ買っていただきまして。

持久的な能力を向上させるトレーニングを考える
https://note.com/jshira/n/nba54879bf607

質問などはコメント欄に頂ければと思う所です。
具体的なトレーニング例などは特に書いていませんが、それに関しては別途料金をご相談の上となります。


さて、そんな記事の中でも取り上げました論文。

Brief intense interval exercise activates AMPK and p38 MAPK signaling and increases the expression of PGC-1α in human skeletal muscle


30秒の全力自転車運動を4set実施というもの。高負荷なトレーニングなのに筋肥大を刺激するような遺伝子発現、シグナル伝達はほとんど見られないことから、こうしたインターバルトレーニングは持久系トレーニングである、というのが最後の方に書いてあります。この点をもっと深く考えるべきだろうと思うわけです。

インターバルトレーニングでスピードを出すことにより速く走れるようになる

これは多くのランナーの皆様が実感しているかと思いますが、何が起こって速く走れるようになっているのか。実感として多いのはスピードが上がるなのだろうと思いますが、この高負荷なインターバルトレーニングにおいては筋肉の増加は期待できません。短距離選手であればスピードアップには筋肉が必要と思う人が多いですが、一方で長距離選手はスピードアップに筋肉を必要という考えを持っている人が多くないと思われます。じゃあ筋肉が増えないのにスピードアップって何で?という疑問に行き着くかと思います。この点は難しい話ではないのに意外と考えている人が少ない気がします。

100mを速いペースで走れる距離が長くなる

というのがスピードアップにつながるわけです。100mを15秒が限界の選手が60秒で400mを走れるかとなると、まぁ無理と答える人が圧倒的多数になると思います。スピードに余裕が無いから途中で維持の限界が来るためですが、この維持できる距離を長くするのがインターバルトレーニングの本質になると思います。100mが15秒の選手が200mを34秒かかっていたのが、持久力が向上して100m15秒ペースをより長く維持できた結果、150m まで同じ速度で走れたので、という具合です。400mであれば、70秒かかっていたのが66秒で走れるようになりました、というのも同じように100mの速度をより長く維持できるようになったからです。

100m15秒→15秒
200m32秒→31秒
300m50秒→48秒
400m70秒→66秒

こんな感じですね。最大速度が高まるというのも神経系の刺激によって生じるとは思いますが、速い速度をより維持できるようになったから、持久力が高まったから、というのがスピードアップの要因としてあることを忘れていませんか、と。ですので、400mなど短い距離をより速く走ろうという話になってくると、筋肉を増やさないとダメだとなります。最高速度を高めることで8~9割の速度に余裕を出すのは大事です。当然ながら、心理的に大事とかいう話では無いですので。トップスピード、最大速度が速いと余裕があるから心理的に楽になるという理屈でいくと、世界記録を持っているU.BOLTが世界で最も速度に余裕がある選手となりますが、残念ながら400m以上の距離で速く走ることはあまり期待できません。やはり速い速度をどれだけ維持できるか、という話になりますので。
なお、

800mランナーとjog
https://note.com/jshira/n/n4ffadd93663c


800mのみならず長距離選手の皆様におかれましては、jogと一言で言いますが、そのペースによってはトレーニング効果は大きく変わりまして、筋肉を増やしたりすることもできるんですよ、という話はちょっとお高いお値段ですが書いてありますので。長距離を速く走れるようになりたければ、筋肉を増やす事や回復を促すことも考えて、ゆったりとしたペースで走ることも大事ですからね、と。インターバルばかり毎日やってたら、むしろ弱くなるし故障のリスクが高まるだけになってしまいますから、という具合です。

そんなわけで、スピードと簡単に言ってしまっていると思いますが、その中身をもっと考えてみると良いと思います。

2020年6月26日金曜日

30分で2時間のトレーニング効果って?

巷で話題となるあんなトレーニングやこんなトレーニングがあるわけですけれども、この忙しい時代ですので短時間でトレーニング効果が高いということを売り文句にしている商品が多いなぁと思う所です。そんな中で気になったのが、

30分で2時間のトレーニング効果!!

という謳い文句です。これって何をもってして30分で2時間分のトレーニング効果となっているのかなぁ、というのが気になりまして。で、簡単に調べてみましたところ、多分こういうことだな、と。


通常のトレーニングを30分しました。その60分後に血液などの採取をしましたという実験がよく用いられるわけですが、それをグラフ化するとこんな感じになります。
 












続きまして120分運動をし、60分後の血液を見たものをグラフ化するとこんな感じです。
 

まぁ実際には運動直後、1時間後、3時間後といった採血をしますが、分かりやすくするために30分の運動と120分の運動後に採血というグラフにします。さて、この2つのグラフですが、確かに運動後60分での数値が50となっているので、30分の運動が120分の運動と同様に50まで高まったから同じ効果だ!!と言える気がします。

本当にそう言えますか?? 

グラフを見て疑問に思う点があると思います。

運動中の変化って起きないの?

という点です。 実験デザインにおいて、負荷を掛けて走ったりしている最中に血液を採取するのは難しいです。10数年前に私はとある大学病院で予備実験の被験者をやりまして、大腿部にチューブを差し込み血液を採取されながら、心拍数や酸素摂取量の変動をモニターで見ながらずっと自転車運動をするという経験をしたことがあります。運動中の心拍出量や血圧を眺め、1桁ってすごいなぁ、心臓すごいわ、と思いつつ迷走神経反射でダウンしました。懐かしい。その際の血液のデータなども後日眺めましたが、当然ながら運動開始時から様々な反応が生じて代謝物質が作られています。ですので、実際の身体で起きている反応として近いのはこんなグラフになると思います。
 

運動開始から青いトレーニングが数値を上回り、30分やった後の1時間後の測定で50という最大値に達します。この最大値は120分をやった後の1時間後の測定と同じ数値なので、最大値だけで比較したら30分と120分が同じ効果となるかもしれません。ただ、オレンジの線も下回っていますが90分の間にずっと体内で何かしらの反応が生じており、トレーニング効果を生んでいると考えられます。適当なグラフですが、合計値で比較しますと青の線の30分運動は140、オレンジの線の120分運動は190となっています。最大値だけで見たら確かに同じ負荷、効果と言えるかもしれませんが、実際には継続時間が長い方がより効果が高いということもあると思います。もちろん、長すぎると効果が下がるトレーニングなどもありますので一概に比較するのは難しいですが、多くの場合で30分の短時間トレーニングの最大値と120分のトレーニングの最大値しか比較してない場合が多そうだな、と思ったのでこんな記事を書きました。昨今話題の高負荷なトレーニングが必ずしも効果が高いわけでは無い、時間が掛かる中で効果が上回っていく練習もあるから、という点をご理解頂ければ。