2017年10月25日水曜日

筋原線維のタンパク質合成はレジスタンストレーニング後24時間続く

Enhanced Amino Acid Sensitivity of Myofibrillar Protein Synthesis Persists for up to 24 h after Resistance Exercise in Young Men


https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21289204

J Nutr. 2011 Apr 1;141(4):568-73. doi: 10.3945/jn.110.135038. Epub 2011 Feb 2.

Burd NA, West DW, Moore DR, Atherton PJ, Staples AW, Prior T, Tang JE, Rennie MJ, Baker SK, Phillips SM.

運動後の筋肉の合成は1~4時間程度に関して多くの研究がされている(1~5)。

また、レジスタンストレーニングにおける合成も多く研究されている。

一方で、24時間での合成などに関しては不明な点も多い。

高齢者ではインスリンによる影響で20時間に渡って合成が高まると言われる(9)。

この論文の著者らは(10)や(11)において筋肉の合成効果は強度ではなく収縮活動の量に応じることを明らかにした。

しかし、強度や量がどの程度で刺激となるかは不明のままである。

この論文における研究は通常時とレジスタンストレーニング後の筋肉の合成の違いを調べた。

被験者は15人の活動的な若い男性、BMIは24。

実験プロトコルは(10) で用いたものを使用。

(10)
Low-Load High Volume Resistance Exercise Stimulates Muscle Protein Synthesis More Than High-Load Low Volume Resistance Exercise in Young Menhttp://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0012033

1RMの90%を持続出来なくなるまで(90FAIL)
1RMの30%で仕事量を90FAILと同じにしたもの(30WM)
1RMの30%を持続出来なくなるまで(30FAIL)

結果

筋原線維のタンパク質合成速度(FSR)は90FAILと30FAILにおいて、

レジスタンストレーニング後24~27時間でコントロール群より有意に高かった。

Akt on Ser473の変化は90FAILにおいて有意に高かった。

mTOR on Ser2448の変化は30FAILにおいて有意に高かった。

4E-BP1 on Thr37/46はどの群においてもレジスタンストレーニング後群が有意に高かった。

p70S6K on Thr389はどの群でも差が見られなかった。

考察

既に運動とタンパク質の摂取によって24時間のタンパク質合成の上昇は確認されており、

今回の結果は 驚くものでは無かった。

タンパク質の合成を高めるには速筋の動員が重要であると推測される。

速筋が動員された後、筋線維の動員が速筋、遅筋ともに行われることで、

24時間後のタンパク質合成を高めると考えられる。

このことから負荷に関しては質と量が大事であろうと推測される。

しかし、どういったものが最適なのかは今回の実験からは不明のままである。


Free


2011年の論文ですが、量と質の両方が筋肥大の刺激となりますよ、

という話ですね。

負荷というものが質と量の両面で考えるものというのが理解できていないと、

説明する際に勘違いして理解されそうな話でもあります。

仕事量を90FAILと同じにした30WMでは筋肉の合成が大きくないという点は大事ですね。

軽いのでやる場合は徹底的にしっかりとやる。

疲れて動かないという状態までやるのが必要である、ということで。

あとは24時間もトレーニング効果の残存がある点から、

タンパク質の摂取はそうしたところも意識してするべき、

となるかと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿